ダンジョン飯 14巻 【ネタバレあり読書感想文】 大団円
★★★★★
Amazonでレビューしたものです
最終巻。
下手するとグロく深刻な内容なのに、あっさりほのぼのした雰囲気で続けてくれたおかげで、最後まで読みやすかったです。
1巻を見直して見ると、絵はずいぶん綺麗になりましたね。
1.新たな王国の祝いの宴
悪魔の食欲を食べてしまうことによって、悪魔を退けたライオス。
当初の予定通り?、竜と融合したファリン=ファリゴンの竜部分を料理し、みんなに食べてくれるよう頼みます。
ファリンの魂は竜の魂とベーコンエッグ状態にくっついてしまっています。
そしてこの世界のルールは、他の生き物に食べられて消化されると、その生き物は完全に消滅するというもの。
このルールに則って、竜の部分を食べて消化してしまってファリンの魂だけ蘇生しようという作戦です。
今まで出会ったみんなで協力して料理された竜に始まった宴。
ついにライオスは、この国の正当な王として名乗りをあげました。
悪食王ライオス!
かっこいいよー
2.生きることは難しい
一方、イヅツミは、猫型の魔物と人間が魔術で融合されて作られた生き物です。スクランブルエッグ状態と言われており、ファリンのようにスパッと切り分けるのは難しいようです。
その混ざった魔物のせいか見せ物として育ってきたせいか、彼女はとても自分勝手でわがままです。
そんなイツヅミは料理を手伝おうともせず、仲間に聞いてまわります。この先どうするのかを。
そして思い至ります。
食欲はもちろん生きるのに必要ですし、他の欲も人生を豊かにしてくれます。
お腹一体食べたい、美味しいものが食べたい、見たいものを見たい、行きたいところに行きたい、寝たい、会いたい人に会いたい、好きな人に好きになってほしい、家族がほしい、綺麗な服を着たい、、、
これらの欲を満たすために努力して成長するということもあるでしょう。
欲こそがその人を作っている面もありますし、生きていくには欲は必要です。
食べ残されたミスルンは完食させたいという新たな欲を持ち、デルガルを得て満ち足りたシスルは、永遠の眠りにつきました。
しかし、欲を持ってしまうと、今度はそれが満たされない時に苦しさを感じるようになります。
そして、自分の欲を満たすため、自分や他者を侵害することもあります。
さらに、世界は有限であり、どんなに頑張っても次から次へと湧いてくる欲を全て満たすことはできません。
過ぎた欲は悪魔を生みます。
欲を持つこと
欲をコントロールすること
時に欲を諦めること
そしてそれを受け入れること
そうして生きていくのが大事なのでしょう。
難しいですがねえ。
3.めでたしめでたし…とはならない現実
蘇生されたファリンと牢屋に入らずに済んだマルシルとともに、ライオスはその後も王として長く国を治め、みんな幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
…とはならなかったようで、
迷宮探索よりも苦労したようです。ライオス。死ぬほど苦労したって。。。。
魔物を倒すよりも人間が皆仲良く幸せに暮らせるようにする方が、よっぽど大変ですね。
シスルが迷い込み悪魔もその欲を満たせなかったほどに。
最後のモンスターよもやま話とても面白かったです。
ヤアドめっちゃ元気(笑)
こんな感じで少しづつ王になっていってね、ライオス。
食と欲と命の物語、ここに完結!
最後にノームのじいちゃんの名言を載せて終わりにしたいと思います。
アニメ楽しみにしていますねー
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