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ダンジョン飯 13巻 【ネタバレあり読書感想文】 ライオスと悪魔の食欲対決


★★★★★
Amazonでレビューしたものです

世界を救え、ライオス!
迷宮から解放された悪魔・翼獅子が、世界を呑み込みはじめた。
世界中の人間の欲望を喰らおうとする最悪の存在を、
ライオス達は止められるのか!?
欲望を巡る物語。
13&14巻、2冊同時発売!


2024年1月からアニメ開始のダンジョン飯の原作です。

この13巻と同時発売の14巻でいよいよ完結となります。



1.これまでのあらすじ



 ゲーム・ドラゴンクエストに似た中世ヨーロッパ風の世界。エルフやドワーフなどの様々な人種が混在し、魔力魔術などの魔法が存在します。
 その世界の一角の小さな村の地面に空いた穴。ダンジョンと呼ばれる地下の迷宮に続くその穴の奥には、1000年前の王国が広がり金銀財宝が眠っています。一攫千金を目指して多くのパーティ一行がダンジョンに潜っていきますが、魔物という別種の存在が多数彷徨い、一行を攻撃してきます。さらにこのダンジョンでは、人は死んでも条件を満たせば魔法で蘇生することができました。まるで死が禁じられているように。
 主人公ライオス一行は、地下で炎竜と戦うも全滅しかかり、ライオスの妹ファリンが竜に飲み込まれた状態のまま迷宮から脱出します。一文無しの状態から妹を早く救出し蘇生するために、新しい仲間と共に、ダンジョンに再度潜っていきます。魔物を倒して料理し食べながら。
 ライオスたちは炎竜を倒し、その肉からファリンを蘇生しますが、迷宮の主である狂乱の魔術師によって、ファリンを魔物と合成され支配下に置かれ、つれさられてしまいました。
 また、かつての王国の住人は、死ぬことも禁じられたまま、狂乱の魔術師・シスルによって迷宮内に1000年閉じ込められていました。この状態から解放されることを願った住人たちから、ライオスたちは翼獅子という存在を教えられます。その翼獅子こそが、シスルにこの迷宮を支配する力を与えた存在であり、その力を引き続き使うため、彼によって迷宮奥深くに封印されていました。ライオスは、シスルを制圧し、翼獅子を解放しました。
 しかし、実は翼獅子は、人間の欲望を叶える代わりに、人間の欲を食い尽くす、悪魔と呼ばれる存在だったのです。世界中にあるダンジョンは、別の世界からやってきた強力な悪魔を封じ、世界に出てこないようにするためのものでした。
 悪魔は、ライオス一行の一人、エルフのマルシルの願いを叶える代わりに、彼女を新しい迷宮の主に据えました。親しい仲間の死への恐れから、悪魔の力をふるい、魔物を暴れさせるマルシルでしたが、やっと、ライオスたち今までの旅した仲間たちの説得に耳を傾け、涙ながらに抱きつきました。

2.ライオスの欲


マルシルによって大混乱となった島そして世界。
悪魔を倒し、世界に平和を取り戻すため、強大となった悪魔に飲み込まれるライオス一行。

そしてライオスは悪魔に迷宮の主になると宣言し、世界平和を悪魔に要求しました。

が、そんなライオスに悪魔は囁きます。
本当にそんなものが欲しいか?と。


”君は人間が嫌いだ 
だからこそ魔物に惹かれる
魔物は人間を殺すものだからな
人を脅かし 恐れさせ 殺すための姿をしている
美しいよな 格好良いよな”

悪魔の暴いたライオスの本質。

だから、

”魔物になりたいんだよな?”

ライオスは今まで順調な人生を送ってきたとは言い難い人物でした。
魔力を持つ妹は恐れられ、学校も兵隊でもうまくいかず、村長の息子なのに家を飛び出し、今は迷宮探索の冒険者です。
パーティーの主役でそこそこ能力も高いのに、どこかズレている。

人間が嫌いなのね。
わかる、わかるよ、ライオス。。。

人間なんか嫌いだった。だから、本当は魔物になりたかった。
ライオスは悪魔の体をくらい、悪魔に自分の体を明け渡して、自分のなりたかった理想の魔物へと変化します。

3.食欲を知った塵は悪魔になった


悪魔の英語はGreater Demonとなっており、
検索するとロールプレイングゲームで出てきたモンスターが引っ掛かります。

その強さによってもたらされる恐怖と絶望は、「迷宮の主」として君臨するワードナよりも遥かに大きい。


もともとは、異世界からやってきた、ただよう塵だった。

しかし、
その塵は、
生き物の食欲を知って、
食欲の満たされる永遠の幸福な食卓を願い、
悪魔になった。

本来必要としない欲を手にしてしまったからこそ、この存在は悪魔になってしまったのでしょう。
そしてその欲は本来は人間のものだったはずです。

自由になった悪魔は、自分の望む世界を作りそこへ次々と人間を連れ去ります。
皆が世界の終わりを覚悟した時、ライオスの体を得た悪魔を、魔物になったライオスが喰らいます。

喰い合う悪魔とライオス。
なんとも荒々しく生々しい食事です。
しかし生き物の食う食われるの世界は、本来こういったものでしょう。
殺し合い食い合う。
生きるとは他の生き物の命を奪い食べることです。

食欲を食われた悪魔は、塵に還りました。
自分を形作ってきた食欲がなくなったことを嘆き、ライオスを呪いながら。


著者:九井 諒子 (著)
ASIN ‏ : ‎ B0CP8YS5S7
出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA (2023/12/15)
発売日 ‏ : ‎ 2023/12/15
言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 99282 KB

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