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拙い詩の数々
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#詩

【詩】Stranger/永遠の初恋

【詩】Stranger/永遠の初恋

「Stranger」

違う時刻の電車に乗らなきゃいけない 君らの姿に出会うから

どうしたら君を感動させられるのだろう 光源氏に聞いたけど
どれも僕に不釣り合いだからと 逃げられてしまったよ

傷ついていないよ いやちょっと泣いたけど

僕の夢のなかで出てくる君は 金色の雨のなか舞う妖精だった
君の夢のなかに出てくる僕は 電柱に隠れている影の役
どうしたら君をときめかせられるのだろう シェイクス

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【詩】若者と呼ばれる僕らへ

【詩】若者と呼ばれる僕らへ

今日も特別でない日が終わった
一日に点数なんてつけたくない
退屈な日に評価なんていらないだろ
僕らは反抗的なわけではないです ただ、変化を嫌うだけ

ああ、神様を信じられたら楽だろうな 
考える力を手放して 奇跡を信じて毎日を過ごす
ああ、夢を描けたら楽しいだろうな
現実を見る目を曇らして 奇跡を目指して毎日を生きる
でも冷たい時代に生まれたから 僕らは退屈な日々を受け入れます

今日も朝から街頭

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【詩】星が月を追いかけるように他

【詩】星が月を追いかけるように他

「星が月を追いかけるように」

朝目が覚めると カーテンの下が光る
晴れた日なら君に会えると 僕は安心するんだ
あれから夜の星を いくつもの星を
僕は覚えて そのどこかに君はいるのだと
信じて 信じて 祈りのように
もし君があの夜 僕に電話をしたのなら
苦しいと ひと言でも言ってくれたのなら
言葉を尽くして 君にここにいてほしいと
伝えただろう たとえ無力に終わったとしても
夜が終わるのが怖いんだ

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【詩】springtime

【詩】springtime

君は変わらないでいてね その約束は守れなかったよ
冷たい街で 変わらないでいられる人がどこにいるの
お母さんにも友だちにも伝わらない言葉 でも伝わると思っていた
だから君に話したのに また絶望を味わったよ

比喩を探そうとしないで 情景を描こうとしないで
君の言葉が嘘のように感じる

どの人との別れも 泣かずに過ごせなかったわたしが
今では泣き場所を選べるようになったよ
でも今でも簡単にはいかない

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【詩】「冬の花の名」ほか

【詩】「冬の花の名」ほか

「青い記憶」

街や空や花の色がまた変わってしまったと
穏やかな日でも 戸惑ってしまう
手をすり抜けていく 記憶の糸を
手繰りよせるように 君を思い出しているのに
夜が来るたび 孤独がわたしをさらいそうになるたび
あの歌を口ずさむ
おぼつかない指で弾きながら 君が歌っていた歌を
どのような関係になりたかったのか 今でもわからない
喉を熱くする 強いお酒をあおったように
会えない事実が わたしを狂わ

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【詩】「痛み」ほか

「痛み」

痛みは わたしを変えてしまったようだ
生きることの意味など 探さなくてもよかったのに
弱い人の心など 知らないままでいられたのに
痛みは 世界の色を変えてしまったようだ
踏み潰された花に 何かの暗喩を見出したり
画面に表示される言葉の 鼓動を感じたり
詩のなかに 匂いや吐息があることを知り
痛みは わたしを変えてしまったようだ
感じなければ 言葉を言葉として受け取るだけだった
傷つかな

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【詩】近ごろの僕は

【詩】近ごろの僕は

この頃の僕はなんだかおかしい
ひとりで笑ったり 携帯が離せなかったり
君と別れた瞬間が 会う前よりもずっと孤独を感じる
ずっとひとりだと思っていたんだ 君は?

空から天使が舞い降りるような奇跡みたいに
空気の悪い都会の街で 君と出会った
ひとりに慣れていたから 戸惑うよ
こんな幸福 続くわけがないんだろうってさ
だから僕から電話は切れないから 
あらゆる僕の衝動を 君がとめてほしい 

この頃の

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億の眼

億の眼

ひどく青ざめた夕暮れ 黒い蝶が飛んでいく
街にひとはおらず にもかかわらず 億の眼に見つめられている
足先に踏みにじられたケシの花 誰にも摘まれることもなく 踏まれ 雨に打たれ それでも花を増やす
歩道に煙草の灰を落とす 億の眼がささやきだす
僕は背後を振り向く 電柱の影が揺れ 工場の煙が赤く染まり 億の眼がささやきだす
億の眼は僕を裁きだす 神でも法でもない億の眼に僕は裁かれる
煙草を落とし ケ

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「通りすがりの人」

「通りすがりの人」

昨日友だちに君の話をしたんだ
君のために捨てられるものを話した
狂ってるよ、とからかわれたけど
僕は笑わなかったよ
誰にも理解されないだろう
理解されようとも思わない
君以外には

あと2m、1m、50センチ
君の髪の香りが感じられるくらいの距離
だけど君が怖がるといけないから
近づけない 声をかけられない
僕は通りすがりの人間を演じるだけ

君を知ってから 日記を書き始めた
言葉で君を閉じ込める

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「片隅の絵葉書」ほか

「片隅の絵葉書」ほか

「片隅の絵葉書」

透き通った朝方 ふいに目覚めて
あなたの夢で 目が覚めて
青く暗い部屋に ひとりでいる
自分自身が とても不憫に思えた
望むものは 多くなかったはず
ただあなたの部屋を飾るもののように
壁に留めた 片隅の絵葉書のように
ただ、そばにいたかった
初めから 予感がしていたの
あなたは いつか離れると
会話が途切れて 窓外の雨を見る
あなたの横顔が とても悲しかったから
誰も必要とし

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宛先不明の手紙

宛先不明の手紙

会っても心のはんぶんも伝えられず
顔を合わせてもどこかちぐはぐで
ずっと君の言葉の裏ばかり読んでた
信じたいのに信じられず
去っていく予感はしていたのに
不安定な未来に頼っていた
始まる前からわたしは君を
待っていたような気がしたから
理不尽な言葉に傷つけられても
自分がそのように傷つけても
どうしてか君を振り切れなかった
でも今は自由だよ もっと
君の脆さを脆さとして受けとめ
わたしの弱さを弱さ

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春嫌い

なんでこんなにも優しいのだろう
風は 桜の色は
なんでこんなにうれしくて悲しいのだろう
春の初めは 出会いは
いずれ それが終わると
わかっているからなのだろうか
そんなこと 今から考えなくてもいいのにね
今だけを みていればいいのにね
あの頃から 私は春が
嫌いだった
変化していく それぞれ違う
色に変わっていく そのことが
苦手だった
夜に桜をみにいったとき 感じた
桜の木々の荒々しさ
ほんと

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わかりあえることなんて

もう話すことはない 電話でそういった君
電話が切れても僕はしばらく携帯を握っていた
なにがそんなに君を傷つけてしまったのか
僕にはわからない 水槽に入れられた魚のよう
ガラスケースの向こう 君はどんな声で
どんな言葉をつぶやいていたのか
どんな日々を過ごしていたのか
わからない 僕には
うれしそうにしてたじゃない あんなに
幸せそうに笑っていたじゃない でも今の君は
違うんだね 僕のしらない間に君

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ただしいこたえ

記憶のなかの君は
いつもなにかに傷ついた顔をして
その痛みを私に
甘えるようにみせた
向き合おうとしたのは
最後に後ろを向いた君だった
私はずっと逃げていて
答えを求め続ける君を
はぐらかして笑っていた
ただしくありなさいと
そういう風に育てられて
いつの間にかただしいひとのふりして
君を傷つけるばかりだった
夢のなかでいつも私は
君を探してばかりいる
泣きながら 君の家を
探してばかりいる
ほん

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