ただしいこたえ

記憶のなかの君は
いつもなにかに傷ついた顔をして
その痛みを私に
甘えるようにみせた
向き合おうとしたのは
最後に後ろを向いた君だった
私はずっと逃げていて
答えを求め続ける君を
はぐらかして笑っていた
ただしくありなさいと
そういう風に育てられて
いつの間にかただしいひとのふりして
君を傷つけるばかりだった
夢のなかでいつも私は
君を探してばかりいる
泣きながら 君の家を
探してばかりいる
ほんとうは「居場所」だったのかもしれない
最後に後ろを向いた君のところが
私の居場所だったのかもしれない
そんな風に思って また哀しくなった
今の私にはどこもやすらぐところはない
表情を失った子供の頃とおなじ
間違ってもいいんだよと
夜の公園で君はそういったね
それが答えだったのかもしれない
私にとってのただしい
答えだったのかもしれない

#詩

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