見出し画像

【ビワイチ体験記②】「わくわくエンジン」を探すビワイチ!子どもたちとの1周200キロの大冒険に込められた想い。

ビワイチ推進室の中嶌(なかじま)です。
今回は、くさつ未来プロジェクトの皆さんが、今年の4月に2泊3日で親子を含む大人と子ども10名が一緒になり琵琶湖1周のビワイチに挑戦されたことを知り、代表の堀江尚子さんにインタビューさせていただきました。
皆さんで達成された1周200キロというビワイチの壮大な冒険物語の背景には、企画に対する堀江さんのさまざまな想いがあったということです。

くさつ未来プロジェクト
子育て世代に対して、人と人とがつながる場所、仕組みを地域に作り、様々な価値観と触れ合う機会を作ることで、大人も子どもも自己肯定感を高め、自尊感情を育むことができる社会環境の実現に寄与することを目的として滋賀県草津市を拠点として活動されている認定NPO法人。

今回のインタビューでは、ビワイチは観光以外にもさまざまな展開があるということに改めて気付くことができました。

ちなみに、今回のビワイチには、スポーツサイクルではなく、ママチャリで参加された方もたくさんおられたそうです。

1.きっかけは、子どもたちのビワイチ

「顔を見たらわかるっていうのは、こういうことだったんだと思ったの!」
くさつ未来プロジェクトで活動されている堀江さん。
この4月に2泊3日で親子を含む大人と子どもが一緒になって琵琶湖を1周するビワイチを企画し、挑戦されたそうです。
企画のきっかけは、堀江さんの中学生と高校生の息子さんとその友人の高校生の男の子の3人が1泊2日でビワイチをされたことでした。
保護者として、子どもたちの自主性に任せつつ、3人がビワイチするのをしっかり見守っておられた堀江さん。
どんな体験を持って帰ってくるのだろうかと帰ってくる3人を迎えると、話を聞かずともぱっと見てすぐにわかるくらいに明らかに違う表情をされていたということです。
「こんなに良い表情になれるなんて!」
子どもたちの大きく変化していた様子に大変感銘を受けられたということです。

親子を含む大人と子どもが一緒になって挑戦されたビワイチ。皆さんのビワイチ体験の様子です。

2.大人も子どもも自信がない社会

堀江さん自身の普段からの問題意識として、大人も子どもも自信がない人が多いということがあるそうです。
特に、大人に自信がないから、子どもたちに「無理に決まってる」「できるわけがない」「そんなことはやっても無駄」などと可能性を閉ざしてしまうことや挑戦する気持ちをそいでしまうことを言ってしまうのではないかと感じておられるそうです。
そのような思いの中、何かに挑戦することで「できた」を積み重ねて自信につなげていってほしい、そのきっかけにビワイチがうってつけなのではないかと考えられたそうです。
また、堀江さんによると、ビワイチを通じて親子が一緒になって同じものに挑戦するということが親にとっても子どもにとても大切だということです。
親が子どもに一方的に何かをさせるのではなく、同じ目線で一緒に挑戦することで、励まし合いながら、結束を深めながら、親と子が一緒に成長できるのではないかということです。

途中でお尻が痛くなってきたので、タオルを敷いて、クッションにされていたそうです。困ったことや大変だったこともお互いに励まし合いながら、工夫しながら乗り越えられたそうです。

3.わくわくエンジンを探すビワイチ

「できた」を積み重ねることの他に「やってみたい」をどんどん実現していくということも堀江さんは大切にされておられます。
堀江さんによると「わくわくエンジン」というものが人にはそれぞれあるそうです。
「わくわくエンジン」とは「自分から動き出さずにはいられない自分だけの原動力」なのだそうです。つまり、その人にとって、好きだからやりたくなってしまう、体が勝手に動いてしまう行動であるということ。
そして、それは、日常で生まれる「やってみたい」を一つひとつ丁寧に実行し、「できた」を少しずつ積み重ねることで見つかっていくそうです。
今回のビワイチも、参加者の方それぞれがビワイチに対して「やってみたい」という気持ちを持っておられたとのこと。
そのため、ビワイチという「やってみたい」の達成を通じて「できた」を積み重ねられたことで、かけがえのない経験をされたのだと感じました。

4.みんなのきっかけになったビワイチ

今回のビワイチ参加者の子どもたちにも「やってみたい」を実現するために、どんどんと行動していった女の子がおられたそうです。
その女の子は、学校に行かないことを選択し、自宅で勉強しており、外出することもあまりなかったということ。
しかし、堀江さんの企画をきっかけに、自分の意思でビワイチに挑戦するということを決めてから、ビワイチに備え、体力を付けようと考えて、近所のお店や商店街に行くことから少しずつ、外出するようになられたそうです。 その女の子にとっての「わくわくエンジン」が自転車で走ることではないかもしれません。
しかし、ビワイチがその子のさまざまな「やってみたい」の後押しになり、その子自身の「わくわくエンジン」を見つけるきっかけの1つになったのではないかと思いました。
また、今回のビワイチには、その女の子のお母さんも参加しておられました。自分で決めた挑戦のために今までやらなかったことを次々とやり始めた女の子の変化や頑張りに、そして、親子で一緒に200キロを走りきれたことに感動で涙されたそうです。

5.滋賀の宝、ビワイチ

「滋賀の宝だなって思ったの。」
堀江さんにお話を伺っている中で、最もはっとさせられたのは、ビワイチのことを滋賀の宝だと言ってくださったことです。
「琵琶湖ってものすごくパワーを持ってると思ったの。自然ってすごいと思ったの。琵琶湖ってすごいよ!」と熱く語ってくださった堀江さん。
琵琶湖ってすごい、自然ってすごいということを自転車という風や匂いを直接感じることができる乗り物で走ることにより、改めて感じられたとのこと。
道中、雨に降られたり、しんどくなったりもされたとのことですが、車や電車だと気づかない琵琶湖の魚や鳥や虫、新緑や花の香りに田んぼや草の匂い、呼吸するたびにそれら全てを体で感じて、一周を通じての琵琶湖の表情の違いを感じられたそうです。
「たしかに200キロってものすごい距離だけど、ただ一周するってだけで、信じられないくらい達成感が得られて、自信が付いて。外国や県外から交通費払って、時間をかけて琵琶湖に来られる理由がわかった気がしたの。そんなすごいパワーもらえる琵琶湖が身近にあるなんて、滋賀県民はめっちゃ幸せだなって思ったの。」
お話を伺っていて、私は、ビワイチの魅力や価値をほんのほんの数パーセントしか知らなかったのだなと気付かされました。

大変だったけど、来年も絶対ビワイチすると即答だった子どもたち。次は、自分たちが他の子を連れて行くんだと言っておられたそうです。

最後に

今回は、親子を含む大人と子どもの1周200キロのビワイチ企画に対する想いとビワイチについて考えられたことを“親子”や“学び”を切り口にお話を伺いました。
堀江さんや皆さんとの想いの強さに感動し、まるで1本のドキュメンタリー番組を見たような気持ちになりました。
いろんな方のビワイチ体験。かけがえのないビワイチ体験。琵琶湖と自転車が織りなす物語が、日々紡がれていると思うと改めて「ビワイチ」はすごいと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?