子育て環境進化中!
~地域で新しい家庭を迎え入れる環境づくりをめざして~ 産後ケアの新しい可能性を探る「新生児ファミリーミニステイ」トライアルスタート!!
「妊娠期の切れ目ない支援」が掲げられて数年ですが、まだまだ課題も山積みです。「両親教室」は年間96回(うち、どろっぷ主催が60回)を実施しているものの、港北区の年間出生数の2分の1程度の家庭しか受け入れることができずにいます。子育て支援拠点どろっぷ・どろっぷサテライトを中心に、協力団体は、港北区、区内の子育てひろば、横浜市助産師会はじめ多くの助産師、保健師、看護師、地域ケアプラザなど多岐に渡るにも関わらずです。
また、コロナ禍になり3年目、夫婦だけで出産育児を行う家庭もいまだ多く、産前産後期を安心して過ごす環境作りはまだまだこれからです。この産前産後期の分野は国としてもしっかり取り組むべき課題として注目されています。
私たちびーのびーのとしても、「新生児を家族のもとに迎え入れる前後にいわゆる『地域』で安心して過ごせるように、できることはもっとあるのでは?」という課題意識を持ちました。これまでの活動から子ども、子育て支援に地域ボランティアの力を感じてきた実績もあり、「誰もが港北区で子育て生活を安心してできるよう応援する実家のような温かい支えが必要ではないか?」という仮説を立てました。
その実証のため、2019年に休眠預金助成を利用し「新生児ファミリーミニステイ事業」を立ち上げました。まさにコロナ禍と同時に始まった事業。専門職、有識者、現場スタッフを交えて、夜な夜なオンラインで激論を交わしました。形がうっすらと見えてきた本年度。ついに実証実験の場、「産前産後のおへや」がスタートしました!(産前産後のモニター家庭約20家庭のご協力を頂いております)
既に2回が開催され、計6家庭のモニター妊産婦さんにご参加いただきました。一部の方は子育てタクシーを利用してご自宅までお迎えにあがり、子連れでも気軽にタクシーを利用できる雰囲気も感じてもらいました。「おへや」に到着すると自己紹介とスタッフからの説明です。その後は普段は地域子育て支援拠点で行っているプログラムを中心に最近の悩みや情報交換に花が咲きました。
気づけばあっという間に昼食タイム。びーのびーのが運営するCOCOしのはらの調理スタッフに、腕によりをかけて作ってもらったお弁当をいただきました。
その後も子育てパートナーにちょっとした疑問を聞いたり、シニアボランティアさんに素敵なアドバイスをいただいたり、産後のママには用意したお布団でつかの間の休息をしていただいたり。あっという間の時間でした。最後はタクシーで帰る皆様をスタッフ一同笑顔でお見送りしました。
びーのびーのの20年強の活動を通して地縁血縁に限らず、地域の中には手を差し伸べ、温かい見守りの目を向けてくれる人たちがたくさんいることを知っています。産前産後の早い時期にこういった地域の方と出会える仕組みを作り、「専門職のケア」と「地域」の両輪で大事にしていきたいと思っています。
特別なプログラムではないけれど、実家に帰ったような安心感で気軽に過ごしていただける。そこで知り合えた地域の先輩に悩み事を聞いてもらう、頼っていい、弱音を吐いていい。それを実感いただけたら大成功の試行です。
「産前産後のおへや」は12月まで続きます。3月の年度末の研究と実証結果、実走に足る成果を、ぜひこれからも見守っていただき、びーのびーのがこんなこと始めているよと共有していただきたいと思っています。
(新生児ファミリーミニステイ事業)
ITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARK視察
弊法人理事長の奥山は実に多方面の方々と繋がりを持ち、その一つ一つを大切にしております。そんなご縁の中から、今回は伊藤忠商事社外取締役村木厚子さん(元厚労省事務次官)のご紹介により7月にオープンしたばかりのITOCHU SDGs STUDIO KIDS PARKを見学させていただきました。
こどもたちが「遊び」を通して、自分なりのSDGsと出会える場所というコンセプトで造られたこちらの施設、入口にはカラフルな映えスポットが!せっかくなのでパチリ。
施設内は4つのエリアに分かれており、そのすべてにSDGsの要素が含まれています。本日は贅沢にも伊藤忠商事のお二人にアテンドいただき、各エリアの特徴をご説明いただきました。
『ステナイアトリエ』のエリアでは廃材を利用して子どもたちが自由に作品を作ることができます。ただし、ゴミを出さない、リユースの観点から作った作品は撮影はOKですが持ち帰りはNGです。
「こういうの、私たちの(子育て)広場や保育園でもやってますよー」と廃材に近づくと、あっ!見たことのないオシャレな廃材。同じ土俵に上がろうとしてスミマセン…。
ボールプールのエリア『ナナイロスカイ』にも一工夫。壁に設置された七色のカゴにカゴと同じ色のボールを入れることで、ゴミを分別する意識を持ってもらう目的があるそうです。
他にも『ヒラメキオーシャン』では海のゴミを減らせば生き物が増えるということが体感できたり、『キコエルフォレスト』では壁に描かれた動物の前に立つとその動物の鳴き声が聞こえてきて、地球には多種多様な生物がいることを知ることができます。
そして、子どもたちの大好きなお絵描きもこんな大きな窓に自由に描いていいんです!!次々と紙に描くのではなく、窓なら消せば何度でも描くことができる。これもSDGsの観点ですね。
施設内で販売されているお菓子もSDGsを意識したものとなっており、大根の皮やブロッコリーの茎を使ったスナックや、規格外のバナナを使ったバナナアイスなど、サスティナブルなラインナップ!本当に、施設内の隅々までSDGsを体感できる施設となっていました。
見学後は、意見交換会を行いました。伊藤忠商事さんは他企業さんとも様々な連携をしてこのキッズパークを広く利用していただいており、私たちにはない視点を沢山学ばせていただきました。
私たちは、横浜市港北区という限られた地域の中ですが、地域の中でみんなで子育てを実践してきた20年の活動の内容をお伝えさせていただきました。
それぞれにアプローチ方法は違っても、子どもたちの未来が素晴らしいものであって欲しいという願いは共通のものでした。ここにもまた子育てを支援する仲間を見つけ、刺激をもらい帰路につきました。日本の子育てが楽しくなりますように!!
(地域remix&法人事務局)