のもと物理愛

物理学が教えてくれる「世界は美しい」を発信します。 この世界はとてもおもしろくて、それを皆さまと一緒に楽しみたいと思っています。 工学修士。Tシャツなど製作販売。コーヒー狂。本「難しくない物理学」販売中。 https://www.binloji.com

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    最近の記事

    宇宙人間素粒子

    人類で初めてニュートリノを観測して ノーベル賞を受賞された小柴博士 杉並区の”科学と自然の散歩みち”に置かれた 「夢のたまご」像には 小柴博士の言葉と手形が掘られていて そのうちの一つ 宇宙 人間 素粒子 素敵な視点だなと思う。 そして色々考えてみる。 この宇宙は素粒子の性質で決まっていて 素粒子からの秩序進化の過程で 物質、生命、そして人間の誕生 知的生命と称される人間は 宇宙と同じくらい(もしかしたらそれ以上) 不思議の宝庫 今ここに自分がいると思っている こ

      • 無常の法則

        祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 有り続けるものなんてなくて 無であり続けるものもない 春の夜の夢のように ゆらゆらゆらゆら 生成と消滅を繰り返していく 歴史を湛える建造物も 風前の塵のごとくいつかは散りゆく 巡る季節 巡る星々 全てのものが変化していく この無常な世界で 変わらないもの、それは それらを支配する基本法則 世界は法則にしたがって変化していく 法則がランダムを許容し 法則が一義に決定する なんとまあ見事な調和 不変の法則のもと移りゆくから美

        • 自分から出られない

          AIやロボットの進化著しい昨今 ロボットは意識を持ち得るか?とか そんな話で盛り上がった土曜日 ドラえもんとか鉄腕アトムとか 友達のように感じるロボット 彼らに意識があるように感じる 感情があるように感じる 友情が育まれているように感じる おもしろい話をしたら笑った 愛情を伝えたら喜んでくれた 悲しい話に泣いてくれた 理不尽な話に怒ってくれた そう見えるし、”私は”そう感じる けれど 実際に彼らに何が起きているのか 知りようもない。 笑ったからといって おもしろさ

          • 今、ここ、amazing

            138億年なんて ありありとリアルに想像できるような 長さじゃない 10のマイナス44乗秒なんて 呼吸でもまばたきでも連想できない 44ってどれだけだよ、と思うけれど そんな小さな小さなタイムスケールが 気の遠くなるほど連なって 138億年という歳月になり 今、ここ そもそも素粒子ってのが登場するのすごいけど それが集まって核子、原子 天体を形成するってすごい 原子も色々なのができて 組み合わせの多様性たるや 夥しい数集まって創発 そして地球 どろどろ ぐつぐつ

            「群」の勉強につき備忘録

            ものごとの構造が見えると あ、わかった!と思えたりする たとえば乳児が 机の引き出しを開ける 押して戻せば、元の状態に戻る ひっぱる方向が違えば動かない 力を加えなければ動かない この一連の流れを理解するとき 変化を引き起こすものは何か 起きた変化を元に戻す逆操作は何か 変化を起こさない操作は何か が含まれている、ようだ。 コップが倒れて水がこぼれた こぼれた水は元に戻せない けれども頭の中で時間反転し 元の状態をイメージできる 倒れず平行移動しただけなら水はこぼれない

            人間がとらえるもの

            おもしろい話を聞きました。 たとえばこれ、ダリアの写真。 約27万画素、1画素24bitの画像。 この情報量の画像が何パターンあるかというと 2の(24×270000)乗で、 人間の感覚的には無限といえる枚数。 そのほとんどはこんな感じで ”何もない”と感じるようなものばかり。 ダリアの写真だけでなく 空の写真、森の写真、顔の写真、・・・ ”構造のある”写真も無限と言えるほど多いけれど ”何もない”と感じるものはそれより遥かに多い。 この話を聞いたとき この感じ、

            世界を知りたがる心

            どうしても出典が思い出せないのだけど (思い出したら追記します) 本でこんな話を読みました。 第二次世界大戦中のユダヤ人強制収容所にて ある男が数学の証明問題を出す。 それを聞いたもう一人の男が答えをせがむ。 明日のパンをくれたら教えてやる、と言われ 答えを知りたい男はパンを差し出す。 男の体重は30kg台で、 食料は命に直結しているにも関わらず。 この話を読んだとき圧倒されました。 そんな極限の状況でも 知りたい欲求が優先することがあるのかと。 しかもそれが 生き残

            ここは宇宙

            シュッとボールを投げて 勢いよく進んでいったボールがやがて落下する 投げられた瞬間から 地球の重力にひかれて落ちていく このボールは月と同じだ 同じ法則に従って、落ちていく 落ちているときは重力を感じないだろう 宇宙ステーションも月も 地球に向かって落ちていく 地球は太陽に向かって落ちていく 太陽系は天の川銀河に向かって落ちていく 飛び降りるわずかの間 私は地球に向かって落ちていく 目の前の事象も、遥か彼方の銀河の事象も 同じ法則に従って ここは宇宙 すべてが

            知に対する敬意

            エセ科学 トンデモ科学 科学を”装う”ものたち。 経験的にそんな気がする なんかそういうイメージがある ということはたくさんあるけれど そこに根拠があるかどうか ということは、大事に扱いたいと思う。 すべての物事に根拠が必要 なんて過激なことは別に思わなくて すべてにおいて科学的であるべき なんて過激なことも特に思わなくて 「これはおばあちゃんの形見で”お守り”なの」 とかそうゆうのは、とても大切にしたいし 子どもの描き出すファンタジーとか 最高だなと思うし 大切に

            夥しい数でなければ

            さぁ電子の皆さん お仕事の時間です。 はりきっていきましょう。 今日の製作物は「明暗の縞々(しましま)」 スクリーンに美しい縞模様を描くのです。 貴方たちのお仕事は、 スクリーンのしかるべき位置に エネルギーを供給し しかるべき位置を光らせ 明暗の縞々の”明”の部分をつくることです。 どの位置を光らせるかは スリットの支持にしたがってください。 1人ずつ順番に行ってくださいね。 大勢でスリットに押し掛けると 1人ひとりの査定ができませんから。 えぇそうです。 2つの

            改めてニュートン

            高校で初めて物理を習う 最初に出てくるニュートン力学 慣性の法則 運動方程式 作用反作用の法則 どれもよくわからなくて なんだこの退屈さは?? と、取り付く島もなかった15才 だけれども 今しみじみ思う ニュートンすげぇ!! F=ma 当たり前のように使っているけれど 質量と加速度を掛け合わせたのが力って すごいな そんなにシンプルに表せるのか 力って、そうゆうことなのか そうやって表現してみたら あの美しい放物線が なんともドラマチックに そしてあの放物線

            知の欲求

            人間て不思議 「自分」を認識し思考して 世界を客体化する そして 世界はどうなっているのかと問うて 答えを知りたがる 数学って不思議 自然界とは独立している それでいて自然を語り出す オイラーの公式の威力たるや 浅学の私でも鳥肌が立つほど なんだ、この式は!? でもきっとこの式の魅力は 自然界と照らし合わせなくても 式の中だけで完結している なぜこのイコールが成り立つのか 知りたくなる 数の世界がどうなっているのか 知りたくなる 数独 シンプルなパズル 1から9までの

            宇宙づくり

            そうねぇ 真空はこんな感じかしら だとすると結合定数はこうなるわね あぁ、そんな破れ方になるのか それはそれでおもしろいわね どんな材料がいるかしら u,d,s,c,t,b,e,μ,τ・・・ まぁこんなものかしら 基本はuとdとeになるわね でも変化していくし どうせできちゃうんだからもういいか もっと軽くて自由なやつもあった方がいいわね エネルギーを担うやつ、あると便利だわ あら、そこも破れた? ま、多様になっていいわね いい感じだわ あぁほら、片方が残るじゃない

            自然とそうなる

            千利休は無作為を大切にしたという。 極めて自然であること。 利休の生きた頃 ヨーロッパでは地動説が唱えられていた。 宇宙の中心は地球ではない? 天動説においても地動説においても 長く惑星軌道は真円であると考えられていた。 そして惑星は等速運動をする。 完璧な、円の運動。 惑星が等速円運動をするために たくさんの円を組み合わせる。 周転円、離心円、エカント・・・ できあがった軌道モデルは 機械仕掛けの歯車が 複雑に組み合わさって回るような グルグルギチギチ 1周するのも

            シンプルな構造に焦がれる

            自分が何を感じているのか 思っているのか 考えているのか を、よく考えてみる。 感情が動いたとき とりわけそれがネガティブなとき その背後に自分のどんな本心があるのか 内側を覗いてみたら まぁー、出てくる出てくる これまでの色んな記憶や観念 ぐちゃぐちゃぐちゃーっと 複雑に絡み合いわさわさしている。 人間ってすごいな、と思う。 心理、かなり複雑。 考えに考えて ふっとシンプルな結論にたどり着いたとき 澄み渡る心地。 なんとも嬉しい。 ぐちゃぐちゃしているところから

            ものの見方がガラリと変わる

            ボールを投げる。 斜め上方に向かって思い切りよく ぐんぐん上昇していって あるところで下降に転じて 地面に落ちる。 美しい放物線。 この放物線は再現できる。 最初に投げたときの速度を用いて それに重力加速度を加えれば 何度やっても同じ放物線。 世界は法則に支配されていて こんなに明確に計算されて きっちり定まる。 なんて美しい。 もやもやと蠢くこの感情、 むせかえるような人間臭さと無関係に 一義的に貫かれる世界のありよう。 超然と決定される、ものの動きの 硬質な美に焦