愛おしいだろうこの世界は

夜空を見上げる

暗い暗い彼方に無数の星があって
この世界は
この惑星を超えて遥か先まで広がって

ここで見上げている自分は
なんだかものすごく大いなるものの
一部

賽が振られたその瞬間から
織りなされていくこの世界

ここの真空は
ここの素粒子は
ゆらぎながら
こうなって

クォークは閉じ込められ
電子はとらえられ
ゆらぎながら
光が射し

重力が秩序を作る
それも
絶妙なゆらぎに基づいた
見事なカラクリで
物質を集め
圧縮して

多様な物質がつくられ
多様な星がつくられ

そのうちのひとつ
海をたたえるこの惑星で
ドラマチック・ネオ・アニバーサリー
生命の誕生

さまざまな進化を遂げ
ホモ・サピエンス・サピエンス

その不思議な生物は
世界を理解しようとし
絵を描き、音楽を奏で、ストーリーを紡ぐ
ときに愚かでときに優しく

こんな素敵な法則に支配されて
今ここに存在するものたち

もうそれだけで
愛おしいだろうこの世界は

鐘の音が聞こえる