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(2)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を作る編

さて、空気を読む編では、空気を読むとはどういうことで、なぜ、空気を読まなければならないのかについて書いてきました。
今回は「作る」について書いていきます。

空気を作るには、2つの意味があります。
1.今ある空気をより良くする
2.悪い空気を良くしていく(難易度高い)

空気を読めるようになって、相手の望みを理解したとしても、それだけでは十分ではありません。次は、相手と2人で共同作業をしなくてはなりません。
これが「作る」です。
そのためには、相手との温度差をしっかりと把握しなければならず、その温度を互いに近づけていく努力が必要となるわけです。

ですが、良くないパターンとして、

「ちょっと!盛り上がってないんじゃないの?
気合いがたりないんだよ!」(アルハラタイプ)と、相手を強制的に脅して空気を作る人がいます。

これは、いただけません。
この手の人は、空気は読めますが、作ることはできないのです。むしろ壊すことを得意とします。

では、空気を作るには、どうしたらよいのか?

前回、空気を読む、で大切なことについて書きましたが、そこで大切なのは「関心と理解」でした。このスキルが継続して必要不可欠となっていきます。
空気を作るのは、読むよりも何倍も難しいですが、なにも

おもしろ可笑しく、場の空気を作らなくてもよいのです。

相手の温度を知り、それの温度を高めていくためには、相手が気持ちよく乗って来なくてはなりません。それが絶対条件です。
そこで大切になってくるのは、

「聞く力」です。

話す力はいりません。聞いてあげる力がもっとも相手を乗せるのです。もちろん、関心と理解のスキルは続行中です。そしてその後が重要です。そこに、ピンポイントで的を得た質問を一つしてみてください。
実際、これが非常に難しいのです。
ですが、この質問ができた時、空気に変動が必ず起こります。相手は関心を持ってくれている喜びと、理解を深めてくれているという気持ちが伝わります。

質問とは、「話の本質を問う」と書いて質問と読みます。人の本質をしっかりと理解しなければ、質問はできないのです。

もっとも素晴らしい回答は、相手からの返答でわかります。
「君、それはとても良い質問だね」
てあったり、
「これは痛いところを突かれた」
(表現がおやじのせりふ)

などと、返答が返ってくるはずです。
反対に、
「君は馬鹿なのか?話をちゃんと聞いていたのか?」
や、「君とはもう話したくない、アホは苦手だ」などと返ってくるので、ご注意ください。

つまり、話が面白くなくても、会話が合わなくても、関心を持って、相手の話に耳を傾け、しっかりと聞く力使い、話を理解した上で、渾身の質問を一つすれば、相手の温度は上昇し始めるのです。話が破滅的につまらない場合、この聞く力は本当に辛いですが、これは「成長のチャンス」と思うしかないのです。

これが、空気を作る第一歩となります。
あとは、これを繰り返していくうちに、相手の方からの質問が増えて来たら、ステップ2だ。
相手は、自分に関心を持ち始めた証拠だからです。
今度は、攻守が入れ替わり、同じことを繰り返します。これが、コミュニケーションの基本の状態ですので、くれぐれも、マシンガントークで相手を完膚なきまでに叩き潰さないでください。
それからもう一つ大切なのは、ボディーランゲージです。とは言っても、欧米人のような過剰なジェスチャーはいりません。
大事なのは、聞いてる時の表情です。

今、わたしはあなたのお話を真剣に聞いています、という表情が一貫していなければなりません。
当たり前のことですが、意外にもこれが出来ている人が少ないように思います。
急にスマホをいじくりだしたり、意味が解らなくても先に話を進めたりと、適当感が伝わっている人がたくさんいます。これでは、空気を作ることなどできません。
集中力が欠如する理由の一つに、スマホ依存との関係があるようですが、それが人の話を長く聞けなくなっている原因なのかもしれません。

相手の話に関心を持ち、しっかりと向き合って目を見て聞いてあけでください。
話に疑問を持ったら、やり過ごさずに意味を確認してください。その上で理解を示し、最後に渾身の「質を問う」質問をぶっこんでください。これができれば、空気はしだいに温まります。
コミュニケーションの極意は、なんとも当たり前のことを当たり前にするだけでよいのです。

次は、空気を壊すで会いましょう。


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