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私が「貯蓄から投資へ」にした方がいいと考える理由

かつて投資はマニアックな人とか金融に詳しい人がやるものだったと思います。それがここ10年くらいで投資信託の普及により、多くの人がやるものになってきたと感じます。

私が株を始めたのは2013年で、そのちょっと前までいたブランド戦略をやっている会社で、投資をやる人が沢山いて興味を持ったからです。

私が投資をやってみて、そして世の中の変化も加えて、一般人は「貯蓄から投資へ」にした方がいいと感じました。今回はこのことについて書いていきます。

経済全体にとって良いから

預金の意味

預金って何?と聞かれて答えられますか?

教科書的には、預金とは銀行の商品の一つです。銀行の金庫でお金を預かる変わりに、入れたり出したりするのに手数料がかかるというものです。

「なんで自分のお金を引き出すのに手数料がかかるんだ?」という意見を聞いたことがあります。それは銀行の金庫という自宅よりはるかに安全な場所で預かっているからです。

ここまで書いたことは個人目線です。銀行目線ですと預金は仕入れです。預金に利息が付く理由はここにあります。銀行からすると仕入れ価格として利息を払っているのです。

銀行は利息を払って預金を集めます。そして資金を必要としている企業や個人に、預金よりも高い利息で融資やローンを行います。

これは普通の企業と一緒で、仕入れ値よりも高い価格で売るということです。

またもう一つ預金の特徴を上げると、投資先を銀行に任せているということになります。自分の余剰資金をどの企業や個人に使うのか、銀行に選んでもらっているのです。

他人に仕事を任せるということはお金を払うということです。成果が出ても当然ながら自分の取り分は少なくなります。

実は預金は様々な顔を持った商品なのです。

預金の用途

銀行が集めた預金は融資やローンに使われます。預金の多くは資金を必要とする企業の融資に使われます。また預金は企業への融資以外にも、住宅ローンや教育ローンなど、資金を必要とする個人へのローンにも使われます。

しかし預金の全てが融資やローンに使われるわけではありません。預金のうち何パーセントが融資やローンに使われたかを表す指標として、預貸率というものがあります。

日本の銀行の預貸率はずっと2/3くらいです。つまり1/3の預金は使い道がないのです。使い道がない預金をどうするかというと、国債に使います。ちょっと微妙な感じがします。

投資とは何か

先ほど預金の説明で、預金は投資先を銀行に任せていると書きました。貯蓄をしても銀行に預金として預けていたら、実は投資が行われているのです。ただし先ほど書いたように1/3は国債に投資されているのですが。

投資とは金融的な意味(狭義)で言えば、お金が必要なところにお金を出して、結果的により大きなお金を得ることです。

例えば企業が設備投資に1,000万円を使うとします。新しい設備のおかげで効率が上がり、生産量が増えて、売上も利益も増えます。そして結果的に1,500万円儲かったとします。

儲かったら、お金を出してあげた対価として儲けの一部をもらうわけです。これが金融的な意味での投資です。

融資や社債などの債権は強制力があるため儲からなくても返してもらう権利があるのですが、相手が儲からなかったら返ってきません(儲からないと返せるお金がないですから)。だから担保を取って、それを売って補うのです。

つまり融資や社債は借金と言えばその通りなのですが、より儲かることを前提とした投資でもあるのです。

株は強制力がないという特徴があるため、儲からなければ確実に返ってきません。

このように先にお金を出すことで後からより大きなリターンを得るのが投資です。同時に出してあげたお金が返ってこないリスクも付きまといます。

狭義といいましたが、広義の投資もあります。勉強が一番いい例です。先に時間と労力を使うことで、後でできることが増えるのが勉強です。

自分が望む経験やスキルを積める学校や会社に入ることも立派な投資です。趣味を始めることやコミュニティに入って友達を増やすことも、人生を豊かにするための投資です。

投資が経済にとって良い理由

先ほど預金の1/3は国債に使われると書きました。では投資をすると何にお金が使われるでしょうか?

そもそも投資商品は沢山あります。一番有名なのが株ですが、一般人が買える株はほぼ上場企業の株です。

しかし上場企業の株以外にも、最近はファンディーノなどベンチャーの株を買って応援するサービスもあります。他にも上場企業の社債やテーマ別投資信託もあります。

テーマ別投資信託は例えばESGを重要視している企業、女性活躍に力を入れている企業、ベンチャー企業などなどです。投資したお金が気になるテーマの企業に使われるわけです。

あるいは不動産投資というものもあります。不動産投資は不動産を自前で持つ方法と、不動産投資信託(通称REIT)という方法があります。不動産は生きて行くためには不可欠ですので、いいと思える不動産を自分が提供するのも投資です。

さらには最近はクラウドファンディングもあります。こちらは寄付になりますが、企業や事業が成功すると、お礼の品がもらえます。企業や事業を応援するとともに、上手くいけばリターンも得られます。

金融という意味での投資をするということは、自分の余剰資金を誰かのために使うということです。自分の余剰資金が国債に使われるのをどう思いますか?私は良い気がしないので、自分で投資先を選んでいます。

ただし上場企業の株に限って言うと、新規発行もありますが多くは発行済み株式の売買となっています。買えば株価が上がるので、企業を応援できますが、新たに企業に資金を提供することにはなりません。

とはいえ気になる会社の株主になって応援するのは楽しいです。株主優待をもらってお店に行き、その良さをネットで発信するのもいいものです。株を買うということは、ファンとなって応援するということにもつながります。

個人にとっても好都合だから

預金と投資では利回りが1000倍違う

もはや預金金利は0.001%になってしまいました。ネット銀行でも0.01~0.02%などです。

昔は預金金利が高かったので、貯蓄は美徳とされていました。しかし時代は変わりました。貯蓄は美徳の時代についてはこちらの記事にも書いています。

貯金すればするほど利息がついてお金が増える時代は終わりました。となると資産形成という意味では投資が必要不可欠になったわけです。

ただし今もうすでに高齢者であれば、今から投資でリスクを負う理由はないと思います。しかしまだ年金をもらうまで時間がある人は、今からでも少しでも収入基盤を築いた方がいいでしょう。

投資信託が優秀になった

私が株を始めた2013年頃は、投資信託は高いばかりであまり上がらない、というか下がることもよくある商品でした。私は投資信託を疑ってかかっていました。

それがここ数年で随分と優秀になったようです。私は断然株派で投資信託はやりたくないのですが、iDeCoだけは投資信託しかないので投資信託をやっています。

外国株やグローバルのインデックスファンドをやっているのですが、なんと3年で8%も上がったのです。投資信託ってこんなに優秀になったのか!?と驚きました。

とはいえ株だったら1年で10%ですので、1年あれば投資信託の3年を超えてしまいます。やっぱり断然株ですね。

とはいえ今の投資信託は金融や経営の知識がなくとも、安定してそこそこの利回りを上げてくれます。これは誰でもそこそこの利益を得られることを意味しています。

最近の投資家へのインタビュー記事を読んでも、株ではなく投資信託という人をチラホラ見ます。もうだんだん株が時代遅れで先進的な人は投資信託をやる時代になるのかもしれませんね。それでも私は株の方が好きですし、株の方が儲かることは変わらないでしょう。

新NISAが期待できる

今までのNISAは非課税枠値が小さい上に、5年経ったら面倒な手続きが必要でした。

そのため私は放置していたのですが、気付いたら枠が20万円から120万円になっていて、今年から始めました。しかし5年経ったら普通の口座に移すための手続きが必要なのは変わりません。

ところが来年から始まる新NISAは枠が劇的に増える上に、5年経っても手続き不要どころか、永年非課税枠です。しかも新NISAで売った株を売れば、枠が復活します。

例えば新NISAの枠が240万円あるところ、10万円の株を新NISAで買うと、新NISA枠の残りは230万円となります。この株が15万円になって売ったら、買ったときの10万円分だけ枠が回復して、240万円に戻ります。

今年までのNISAでは買ったら買った分だけ枠が消費され、回復することはありませんでした。来年からの新NISAでは売れば枠が回復するのです。こんな便利な制度があるなら使わない手はありません。

ちなみに投資の税金は20.135%すなわち約20%ですので、非課税になると実質的にはリターンが1.25倍に増えたようなものです。

例えば10万円もうかったとき、税金が約2万円引かれます。しかし非課税なら10万円がそのまま手に入ります。税引き後10万円ということは、税引き前12.5万円です。

だから非課税になることで、課税だったら25%多くなるのと同じくらいの金額になるのです。NISAは凄い!

もはや年金だけでは厳しい

先日は両親が年金生活になったことについて書きました。

年金の金額は今の高齢者の親世代の頃は安泰だったと思います。しかし今の高齢者くらいから需給開始年齢の引き上げが始まりました。そして今の現役世代の年金額は驚くほど少ないようです。

年金の受給開始年齢もそのうち70歳とか75歳になっていくでしょう。既に企業の雇用延長が70歳になり始めていますし、LIFE SHIFTのように人生100年時代という説が出てきていますから。

年金の具体額は知りませんが、正社員として平均的な年収500万円の人だと、年間160万円くらいのようです。これだとフリーター並みの年収ですので、貯金を切り崩すか、別途収入を得る必要があります。

そう考えると老後は2000万円必要と騒がれるのも無理はありません。だから私としては投資による収入が心強いと思います。

今20~30代の方が毎月積み立てていけば、年金生活に入る頃には年額100万円くらいの収入を投資で得られると思います。40~50代でも年金生活に入る頃に年額30~50万円くらいの収入を得られれば、安心感が違うでしょう。

終わりに

私は経営に興味・関心が高いので、株を楽しめています。また銀行の経営管理の仕事をやっていたことがあります。それゆえ自然と投資について知ることになりました。

しかし昨今の年金問題を見たり、投資について考えたりしていると、やはり投資による副収入は必要だなと感じます。

投資を既にやっているという方はいいですが、まだやっていない方は一度考えてみてはいかがでしょうか?ただし投資はギャンブルではありません。一発当てるのではなく、勉強と同じように地道に積み重ねてより大きなリターンを得るものです。

また投資には必ずリスクが付きまといます。リスクを抑える方法はもちろんあるので、別の機会に書きたいと思います。しかしリスクがある以上は自己責任でやってください。私も自己責任でやっています。

また投資をやる際は、専門家やネット上で有名な個人投資家の意見を鵜呑みにしないことです。自分でこれはイケるかどうか考えてみてください。そうしないと自己責任になりません。

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