上場間もない中小企業i-spaceが建機最大手のコマツにコンサルティングを提供する
【要約】i-spaceは、月面探査プログラムで得た知見を活かし、コマツと宇宙機の開発でコンサル契約を締結。月面での建機開発を支援し、技術を地球の建設にも応用する計画です。
【本文】i-spaceは昨年、2023年4月26日に、月面探査プログラム「HAKUTO-R」の最初のミッション(Mission1:M1)で月面着陸に挑んだが、
着陸寸前の高度5kmで発生したソフトウエアのエラーが原因で失敗に終わった。
2022年12月11日に米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地からSpaceXのFalcon9に積まれたHAKUTO-Rといいう月着陸船(ランダー)を月周回円軌道への投入が完了し、
着陸シーケンスの開始準備が整い、月面着陸を目指した民間企業では世界初となる予定だった。
しかし、i-spaceはロケット発射時から月周回軌道、着陸寸前まで信号が途絶えることなく、順調に進めた末、多くの実証データを得て、今年2024年度末の2回目の打ち上げ準備が進められている
i-spaceは欧米にも会社を持ち、多くの国内外からのミッションや、資金提供を受け、民間としては今後も宇宙事業の最前線を走って行く企業だ
そのispaceがこのたび8月9日、建設・鉱山機械メーカーの小松製作所(コマツ)と宇宙機の開発でコンサルティング契約を締結したことを発表した。
コマツは2021年度から国土交通省と文部科学省が連携して進める「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」に採択され、月面建機を開発することを構想している。
ispaceは宇宙試験機の設計や月面環境で使用できる部品や素材の選定、知見を生かしたコンサルティングをコマツに提供する。
宇宙無人建設革新技術開発推進事業は、各省の縦割りを排除して、連携して取り組むべき研究開発プロジェクトを推進する「宇宙開発利用加速化プログラム(スターダストプログラム)」の一環。
期間が2021~2025年。2021~2023年度の予算は10億8000万円。
同事業でコマツは「デジタルツイン技術を活用した月面環境に適応する建設機械実現のための研究開発」を進めている。
コマツは、月面では現場の環境や実機を精度良くサイバー空間に再現する「デジタルツイン」技術が重要と説明。
2021年度にシミュレーターを実現可能性調査(フィージビリティスタディ)として検証した。
シミュレーターに月面建設機械や無人自律施工技術の開発で必要となる機能を追加するとともに精度の向上を図った。
シミュレーターを活用して月面建設機械を具体的に検討する。研究開発で得られた知見を地球の建機や施工の高度化に活用することも狙っている。
2023年度では、2021年度に作成したサイバー空間上で動作する油圧シャベルの精度向上を図っている。
月面での無人で建設するための建設機械を検討するための機能を追加、建機の形状やサイズの変更も進めている。
シミュレーターを活用して、月面建設機械について抽出した課題の解決方法を検討し、対策案の妥当性や実現性も検討している。
このように宇宙産業を切り開いていくのは、国営のJAXAとは別に、多くの民間企業が彼らが持つノウハウをベースに進めている多くのスタートアップ企業だ
こうした小さな企業の技術ノウハウを大手企業がうまく使いこなして、海外企業に負けない最先端技術の開発と、実行による実績化が出来ると、
日本は宇宙でも最先端の国になっていけるのかも知れない
出典元(写真も)は下記URL参照
https://uchubiz.com/article/new51484/
https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=5713
https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=4964
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20230426_n01/
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