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ニューヨーク金融市場

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ニューヨークで話題になった経済情報を日本の皆様にお届けしています。
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2020年2月の記事一覧

さすがにこれは…合わせ切り

さすがにこれは…合わせ切り

ポジション(金利のロング、株のロング、ドル円ロング)を持ったまま出張に行ったものの、コロナウイルスの広がりとサンダースリスクでマーケットは壮絶なリスクオフに。

米金利は史上最低まで下がり、金利(TY)のロングは取れたものの、米株とドル円の下げでネットマイナス。

1月の貯金を半分近く吐き出してしまった形になり、2月は久々の単月マイナスで終わりそう。

日本の皆様、コロナウイルスご注意下さいね。

ドル円上昇と米金利低下に潜む日本のクジラ(GPIF)

ドル円上昇と米金利低下に潜む日本のクジラ(GPIF)

最近、話題になっているのが、ドル円と米金利に潜むクジラ(GPIF)の存在だ。

GPIFは約169兆円(19年12月時点)を運用する日本の巨大年金ファンド。
GPIFの運用手法は基本ポートフォリオというものを決め、原則、それに基づいた範囲で分散投資を行なっている。

下の円グラフは現在、採用されているとする基本ポートフォリオの資産構成である。(2014年から採用している)

この基本ポートフォリオ

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金融緩和的、でも下がらない米ドル

金融緩和的、でも下がらない米ドル

オーバーナイトはアップルが1〜3月期の売上見通しを達成できないと発表したことや、米政権がファーウェイなどの中国企業への締め付けを厳しくするとの報道で日本株を筆頭にリスクオフ気味。

しかし、米国時間にはトランプ大統領がツイートで、「議会で議論されている輸出を規制する案は完全なる誤りで、米国は輸出を増やしたい」と述べており、このリスクは一旦忘れてよさそう。

現在、民主党大統領選候補の3位につけ

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ホワイトハウスが滅税パッケージを議論

ホワイトハウスが滅税パッケージを議論

ホワイトハウスが滅税パッケージを議論
CNBC によるとホワイトハウスは次の減税案で家計が株を購入するようなインセンティブを与える案を考えているとのこと。投資目的の購入が一部の所得税に非課税となる案が出ている。

米国には 401Kという年金制度の下、税控除を使って投資できる枠組みがあるが、401Kの外での投資について、一部を非課税にする案が議論されている。

例として、20万ドルの世帯収

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ニューヨークはリスクオフを気にしない。米国時間は株価全戻し。

ニューヨークはリスクオフを気にしない。米国時間は株価全戻し。

感染者の定義を変更したことで、湖北省の感染確定者は急増。湖北省以外の省は定義を変更していないようなので、今回のようなケースが中国全土で起こる可能性はあるが、マーケットは過去の数字として提え、比較的安定した動きとなっている。
(個人的には、日本の帰国便の感染率が約1.3%ということを考えると、中国はまだ数字を過少報告しており、武漢の人口(1100万人)を踏まえれば 14.3万人の感染者数がいてもおか

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たった4社が牽引した米株、だからこのニュースに注意

たった4社が牽引した米株、だからこのニュースに注意

時価総額上位4社が牽引してきた米株
マーケットはあまり反応していないが、個人的に気にしているのは、FTC (米連邦取引委)が Google, Apple, FB, Amazon, Microsoft に対して2010/1月以降の小規模 M&Aについて調査を行うというニュース。

というのも、下の表を見るとわかりやすいが、上記5社の内、FBを除く4社が時価総額$1000bn企業で S&Pへの影響が

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緩和期待が市場を支える。パウエル議長も、ECBもBOEも…

緩和期待が市場を支える。パウエル議長も、ECBもBOEも…

JOLT求人数は642 万件と先月の679万件から大幅に減少。求人数は雇用情勢の先行指標になるが、下記のチャートが示すように頭打ちが明確になっている。

パウエル議長の議会証言ポイント
経済情勢について
貿易をめぐる不透明感は落ち着いてきたが、先行きのリスクは依然として残っている。特にコロナウイルスの影響を注視しており、中国の混乱がグローバル経済に波及する可能性がある。経済的な影響を推定するには

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1月にGPIFがドル円を買っていた?世界でチープマネーが溢れている。

1月にGPIFがドル円を買っていた?世界でチープマネーが溢れている。

米株と米金利の両方が買われる金融相場が続いており、債券・株ともに直近の最高値圏で推移している。

1月,2月を振り返ると、中国・シンガポール・タイ・マレーシア・フィリピン・インド・南ア・トルコ・ロシア・メキシコ・ブラジルといった国々が利下げ、あるいは流動性供給を行い、金融政策の舵を再び緩和方向へ切ってきた。

また昨年を振り返れば、アジアの製造業が落ち込んだことを皮切りに、新興国が先駆けて金融

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コロナの米経済への影響は0.25%〜0.4%、それでも金融相場が続く

コロナの米経済への影響は0.25%〜0.4%、それでも金融相場が続く

NY 時間は特段新しいニュースは無いが、S&Pは最高値を更新し、10年金利は一時1.68%まで上昇。年内の利下げ織り込みも1.2回まで剥がれてきた。
米金利は一旦ターゲットまで来たので、FF金先のショートを解消し、TY先物(長期債の先物)のロングに乗り換えている。
見方は変わらずで金融相場が再開する中、米金利も買い(金利低下)、米株も買いという状況が続くと見ており、現在はTYのロングと米株をロング

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ここからは金融相場再開か?米株ロングへ

ここからは金融相場再開か?米株ロングへ

ADP雇用統計
1月は291kの増加と前月199kから加速。これまで低調だった中小企業、建設業、製造業もしっかり伸びており、極めて強い数字。1月はポーイングの737MAX 生産停止で、サプライチェーンを中心に雇用が心配されたが、今のところ杞憂のよう。金曜の NFP雇用統計では 163kの増加が予想されている。

非製造業ISM
1月は55.5 と前月の54.9から更に改善。月曜に発表された IS

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テスラの暴騰。やはり利下げ織込み2回はやりすぎだった米金利

テスラの暴騰。やはり利下げ織込み2回はやりすぎだった米金利

中国市場の見通しは1QGDP▲2%ポイント、足元の原油需要▲20%と暗いが、テスラ株はこの数日で+50%と急伸(アナリストの目標引き上げ、ショートカバーが主な理由)。中国は電気自動車の導入を半ば諦めているが、英国では2035年までに化石燃料の自動車(ハイブリッドも含む)を禁止すると表明しており、欧州を中心に環境問題への意識の高まりも株価を後押ししている。テスラの上昇も手伝ってナスダック指数は最高値

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中国GDP▲2%, 原油需要▲20%。。。

中国GDP▲2%, 原油需要▲20%。。。

FXサイドでは GBPとEM (人民元除く)の動きが話題に。 GBPはジョンソン首相の「EUと望む通商合意が得られなければ、交渉自体打ち切る用意がある」との発言を受けて大きく下落。
一方、EM通貨はタイバーツなど、これまでコロナネタで売られていた通貨が買い戻されている。しかし、コロナウイルスが経済へ与える影響の試算は日に日に大きくなっている印象で、原油需要を 20%減少させている他、中国 GDPへ

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