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地続きの場所で【米谷よう子】

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俳優の米谷よう子が、子育てをしながら、東京と岡山で舞台芸術に携わる中で感じたことを綴ります。
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記事一覧

ともに耕し、磨く

 今年度最後の記事は、わたしの演劇活動とその周辺について。 東京在住で、出身地である岡山…

演劇を通して、出会い、繋がる

ライフワークとしての演劇05 中込遊里さん(演出家/鮭スペアレ主宰 東京) 「その人がどう生き…

「触れる、触れられる」から始まるダンス

ライフワークとしての演劇 04 上本竜平さん(AAPA代表 東京) 「その人がどう生きていて、そ…

地続きの場所で

 ロシアのウクライナ侵攻のニュースを見ていて、地名に聞き覚えがあるのは、チェーホフの戯曲…

感受性を守り続けたい、わたし自身の、そして周りの人たちの

ライフワークとしての演劇03桐子カヲルさん(俳優/コキカル主宰/演劇作家 香川) 「その人がど…

医学の視点から物語ること、生きること

ライフワークとしての演劇 02 河合穂高さん(劇作家 岡山) 「その人がどう生きていて、その活…

「演劇とは何か?」常に悩み、考え続けていきたい

ライフワークとしての演劇01 越谷真美さん(俳優 東京)  企画の代表である干城城太朗さんの「その人がどう生きていて、その活動をどういうものとして捉えているのか」を知りたいというお話から、寄稿させていただいている「わたしと演劇とその周辺」。4月から今までわたし自身のことを書いてきたけれど、わたしも周りの人たちにそのことを聞いてみたいと思うように。  演劇に携わる者にとって、稽古や鍛錬と同じくらい大切な、日常を生きるということ。 社会との接点を模索しながら、各地で地に足をつけ

でかけよう!はれてもふっても

 運営に携わる中央線芸術祭が、先月無事に終了。その中で、企画に関わっていた「あーととえほ…

「子ども向け」を考えることが、誰もが舞台を楽しめる環境作りの入口になる

 わたしは今、4歳の娘と1歳の息子を育児中。子どもを持ってよく分かったのは、観客が開演時…

いつだってきっと可能性は開かれている

 先月末に、岡山市の上之町會舘で開催した地域の若手演劇人とつくる『かもめ』が無事に終了し…

小さくとも「美味いもの」が食べられる場所をつくり続ける

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今月21・22日に岡山市の上之町會舘で開催予定の地域…

中央線芸術祭~遠くには行けないけれどアートを通じて日常の半歩外へ~

コロナ禍の今は雪に閉ざされた長い農閑期なのかもしれない  コロナ禍で、演劇などの舞台芸…

「わが町 岡山」で演劇すること

 今年8月に岡山で企画している公演、地域の若手演劇人とつくる『かもめ』に向けてのオンラ…

「迷惑をかけてはいけない」を疑ってみる

 「人に迷惑をかけなければ、やりたいことをやってもよい」という言葉をよく耳にする。とても全うなことのように聞こえる。けれど、波風を立てずにできることって何だろう?わたしのような小さな子どもを抱えた母親にとっては、ほぼ「何もするな」と言われているように思える。  例えば、わたしが演劇活動をする時、まず子どもを母や夫に預けるので、そこで家族に「迷惑」をかける。「子どもがかわいそう」と言われることもあるので、子どもにも「迷惑」をかけているのかもしれない。 稽古や制作作業に以前と同