幼い頃 実家で寝かされながら じっと外の音を聞いていた感じ
幼い頃
私は体がそんなに強くなかったのか
冬は冷え込む地方の実家に行きつくと
まず疲れすぎてるので
まず布団をひいて寝かされる、が常でした
まだお外は昼下がり
薄暗い和室の真ん中で
じっと天井を見つめていて
じっと外の音を聞いていて
ただしんみりとしたこころもちで
外で遊ぶ兄達の声
狭い路地を通る車の音
玄関のピンポンの音がして
大好きなお母さんかお父さんが出る音
階下でわめいている妹の声
おばあちゃんおじいちゃんの気配
そんなのを聞いていて
まだお外は昼下がり
じっと天井を見つめていて
じっと外の音を聞いていて
ただしんみりとしたこころもちで
大好きなお母さんが来てくれるのを
じっと待ってた
ずっと待ってた
心配かけてごめんね、お母さん
私 強くなるから
きっと 強くなるから
お外で遊べるようになるから
みんなと遊べるようになるから
ただしんみりとしたこころもちで
いつもそう思ってた
お母さんがくると
私は半べそをかいてるのに気づくの
なんで泣いてるのか分からない
いつから泣いていたのか分からない
心配かけたくないのに
安心させたいのに
本当はもう大丈夫だから起きあがりたいのに
お母さんは優しい顔で
私を寝かしつけるの
私を寝かしつけるお母さん
今思うと
私はこの感じが大好きでした
幼い頃
実家で寝かされながら
じっと外の音を聞いていた感じ
楽しい哀しいベタの小品集 代表作は「メリーバッドエンドアンドリドル」に集めてます