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①全科目共通:USCPA学習アドバイス

こんにちは。べえたです。

前回の記事では、USCPA(米国公認会計士)の試験制度の概要についてご説明しました。

今回からは、実際に学習を進める上でのアドバイスを記事にしていきたいと思います。
今日は、全科目に共通する学習上のアドバイスについて、お話しします。


単位取得・認定

前回の記事でもお話しした通り、USCPAを受験する際には、受験要件として、会計・ビジネス関連の単位取得が必要となるケースがほとんどです。

このため、ほとんどの受験生の方は、必要な単位取得をサポートしてくれるUSCPAの予備校に入って、学習を進めることになります。

受験手続きとしては、「できる限り早く単位を取得し、認定を得る」ことが最優先です。

ニューヨーク州での受験の場合、複数科目の単位を少しずつ取得することが必要なのですが、単位認定試験の範囲は狭く、また単位取得テストの合格点も低いです。

テストとなると、しっかり準備をした上で高得点を取りたくなりますが、何よりも早めに完了させることが肝要です。
もちろん、不合格は避けるべきですが、将来的にUSCPAの受験やライセンス申請時以外に、追加単位の成績を利用する機会はほとんど無いため、まずは受験スケジュールの維持を最優先にしてください。

また、受験前には、日本を含むアメリカ国外での大学での取得単位についても、認定を得る必要があります。
この手続きには、数ヶ月を要することから、受講開始後すぐに手続きを開始するようにしましょう。

学習法の情報収集

USCPAは、合計4科目に合格する必要があり、科目ごとの特性が異なる試験です。
このため、各科目の学習を開始する前に、学習法について、事前に確認することが望ましいです。

このnoteも、その一助となればと思いながら書いていますが、各予備校では、学習法を解説する教材を提供していますので、各科目の学習開始前に、必ず確認されることをおすすめします。

また、学習カウンセリングというサービスを提供しているケースもあり、受講生が学習の進め方を個別に相談することもできます。
自分の状況を伝えて、カウンセラーからのフィードバックを受けることができるので、自分の学習の立ち位置を確認することにも役立ちます。

ここで注意したいのが、成功する学習法は千差万別ですが、苦戦する学習法には、共通する点があるケースが多いということです。

受験生それぞれの特性により、最適な学習法は異なりますので、合格者と過度に比較することには意味はありません。
ありがちな詰まり方に入らず、効率的に学習を進めることを主眼に置いて、情報を集めることが重要です。

テキスト・問題集の回転方法

多くの予備校では、テキストと問題集を回転させる(何度も繰り返し学習する)ことを推奨しています。

USCPAは、科目ごとの試験範囲が広いため、1周で全ての論点を理解することは難しいです。
また、各論点が互いに関連しているため、全ての知識を一旦頭に入れてから復讐することで、理解がより深まることが期待できます。

一般的には、テキストと問題集を5周ほど回転させることが推奨されています。
(最終的には、問題を解く力を身につけることが目的ですので、実際に必要な周回数には個人差があります)

回転させる際には、周回ごとに回転させる方法が異なります。

1周目(講義受講⇒MC)

各チャプターの講義を聞き、学習した範囲のMC問題をすぐに解きます。
この時点では正答率を気にせず、まずは全範囲を1周することを最優先してください。
復習は2周目以降に行いますので、理解ができていない範囲があっても、前に進むことが重要です。

2周目(テキスト⇒MC)

各チャプターのテキストや講義受講時のメモなどをじっくり読み直し、その直後に当該チャプターのMC問題を解きます。
間違っていたり、苦手と感じた問題があれば、問題の解説文やテキストの当該論点を再度確認し、理解が不十分な点があれば、テキストに書き込んでいきます。

3周目(MC⇒テキスト)

2周目までは、論点知識のインプットが中心となる一方、3周目以降は学んだ知識をアウトプットする力を身につけていきます。
各チャプターのMC問題を解いていき、間違っていたり、苦手と感じた問題があれば、問題の解説文やテキストの当該論点を再度確認します。
2周目よりもかなり正答率が下がる傾向にありますが、ここが踏ん張りどころと思って、頑張って学習してください。

4周目(MC+TBS⇒テキスト)

4周目以降は、MCに加えて、TBSについても演習していきます。
MCは、1~3周目で問題なく解答できている得意な問題はスキップし、苦手な論点や誤答してしまった問題に絞り込んで学習します。
これで浮いた時間を、TBSを演習する時間に回します。
TBSは、MCの論点がある程度理解できていることが前提となり、また問題集の形式と本番の形式の差異が大きいため、問題形式のパターンに触れることを目的に、MCの4~5周目の期間を生かして、TBSを1周するのが目安となります。

5週目(MCランダム演習+TBS)

1~4周目では、各チャプター順に問題演習をしてきました。
これは、問題を解く際にどの論点が問われているかを理解しながら演習することで、問題と論点を結び付け、知識を整理することが目的です。
ただ、本番の試験では、各論点がランダムに出題されるため、最終的には、問題文から論点を導き出す力が必要となります。
このため、5周目以降は、MC問題をランダムに出題する機能を使って、学習することをおすすめします。
それ以外の回転方法は、4周目と同様です。

まとめると、以下の表のようになります。

正答率の上がり方や得意な勉強法は、個人ごとに異なりますので、ご自身の状況に合わせて、カスタマイズしながら、テキストと問題集を学習してください。

直前期:過去問・模擬試験・テキスト

テキストと問題集を回転させ、概ね70~80%前後の正答率が得られたら、いよいよ本番に向けての演習をスタートします。

USCPA試験では、Released Questions(RQ)と呼ばれる過去問が各予備校に提供されており、利用することができます。

RQの演習は、受験1ヶ月前ごろから開始し、少なくとも3年ほどの問題は解いておきたいです。

また、予備校によっては、模擬試験や直前用の追加講義を用意していることもあり、それらの教材とRQの演習が、直前期に取り組む教材となります。
演習を通じて、苦手な論点があれば、テキストに立ち返って論点を理解しなおすようにしましょう。

本番直前期には、テキストをもう一度細かく読み直し、論点の深い部分まで学習するのもおすすめです。

事前知識の整理(英語・会計)

以前の記事で、USCPAは、会計と英語の知識を証明できる資格であるとお話ししました。
逆に言えば、合格のためには、会計と英語が、一定のレベルにあることが必要となります。

個人的なイメージですが、「英語で出題される日商簿記1.5級レベルの試験に4科目合格する」のが、USCPA試験の難易度に近いと思います。

英語と会計の両方に全く触れたことがない方は、学習を効率的に進めることがかなり難しくなってしまうことが懸念されるため、ご自身の状況に合わせて、対応が必要でしょう。

英語知識

英語については、TOEICで600~700点程度のスコアの英語力が学習を進める上で必要となってきます。

試験で求められるのはReadingのスキルのみであり、学習開始前にTOEICを勉強しなおす必要はありませんが、英語を早く読む訓練をして、速読スキルを身につけておくと良いでしょう。
(TOEICの最後の大問の長文問題と資料参照問題を解くスキルは、USCPAのTBS試験を解く際にも役立ちます)
合格後にTOEICを受験すれば、スコアが高くなっていることも期待できますね。

会計知識

会計については、資格を取るかどうかはさておき、日商簿記3級程度の知識は頭に入れた状態で、学習を開始することをおすすめします。

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算表などの財務諸表の構成については、日本語で一度学習しておくと、USCPAの学習にも効率的に取り組むことができます。

最近は、簿記の学習ツールや受験方法がかなり便利になっていますので、簿記3級であれば、市販のテキストと問題集を使って、1~2ヶ月ほどの学習期間で短期合格を目指すことも可能ですので、USCPAの受講前に、簿記3級を取得した上で、学習を進めることも1つの選択肢だと思います。

簿記については、別の記事で詳しくご紹介していますので、そちらもぜひご覧いただけると幸いです。

まとめ

今回は、USCPAを学習する上で、各科目に共通する学習法についてご説明しました。
次回は、多くの方が1科目目として学習するFARの学習について、お話ししたいと思います。

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