berg yamachi yukari

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最近の記事

鼠色(ねずみいろ)

伊勢の旅では曇り空が続きましたが、写真を見返していると灰色にも色々とあってそのグラデーションがとても綺麗だなと思いました。 そして、日本の伝統色で、灰色(グレー)を調べてみると沢山の名前がありました。 名前は江戸時代につけられたものが多く、 〇〇鼠と言うように鼠色の名前を多くみました。 それは、江戸時代に火事が多くあり、灰色と言うと灰が火事を連想させてしまう為、あまり使われなかったのだそうで、ペットとしても愛されていた鼠を取り入れたのではないかと言う話があるようです。 今回

    • お伊勢参り

      伊勢神宮と聞いて私ははっきりとしたイメージがもてませんでした。 それは建物の全貌が見えないからということや、宮社が一つではなくまだ全体を把握できていないこと、知れば知るほど奥が深いということなのだ思います。 伊勢神宮の正式名称は「神宮」といいます。 天大神宮「内宮」 豊受大神宮「外宮」 の大神宮だけでなく 14所の別宮 43所の摂社 24所の末社 42所の所管社 これら125の宮社もの総称であるのだそうです。 「一生に一度はお伊勢参り」 という事で、私は 伊勢神

      • つづくものづくり

        私は、神社仏閣へ行くのが好きなのですが、 そもそもいつ、どうして出来たのか?という事をあまり知りません。 伊勢神宮について調べているのですが、 伊勢神宮は「式年遷宮」という大きな神事があるという事を初めて知りました。 1300年も前から続く大切な神事 (室町時代後期には120年間、遷宮費の徴収が難しく、中断されていた時期もありました) 20年に一度、宮処を改め、古例のままに社殿 や御装束神宝など全てを新しくして大御神に新宮へお遷り頂く神宮最大のお祭りです。 と簡単に書き

        • トチギシロ 美しい麻を探して

          以前、大麻(おおあさ)について書きました。 大麻(おおあさ)は日本古来、縄文時代から栽培されてきたと言われており、 衣服、食料、薬と様々に活用されてきた素材でした。 1970年頃、佐賀県と大分県で、 THC(テトラヒドロカンナビノール/脳に作用する成分)が含まれない大麻(おおあさ)の品種を見つけ、在来種と掛け合わせ、 「トチギシロ」という品種を生み出したそうです。 栃木県では、現在 この「トチギシロ」に統一し 昔ながらの栽培を続ける事が出来るようになったのだそうです。 これ

        鼠色(ねずみいろ)

          アンティークの素材

          2024SS berg yamachi yukari exhibitionが終わりました。 ご来場頂きました皆様ありがとうございました。 アンティークの家具に囲まれたゆったりとした空間で、じっくりと3ブランドの展示をご覧頂きありがとうございました。 今回のテーマakari では、赤いベルベットのスカートや 橙色のジャガードのカーテンを メインに使いバッグをつくりました。 そして、アンティークのがま口を使って 出来たがま口バッグ 数年前にアンティークのお店で出会ったがま口

          アンティークの素材

          akari-アカリ-

          akari-アカリ- というテーマで展示会を致します。 日本のアカという言葉は アカリ(明かり)を指す言葉から来ているとされています。 私は、今回のものづくりで 色の赤 と 光の明るさ と どちらにも注目し表現できたらと製作致しました。 色ではオレンジ色から赤色を取り入れ、日の出の光や暖かい炎をイメージしました。 そして、光と一緒にあるもの、それは影 色では黒色 夜、わずかな月明かりで辺りは様々な黒色に染まっている。そんなイメージをしました。 黒でも素材によって色が変わ

          bergyamachiyukari2024

          今日は、berg yamachi yukari の活動についてお話ししたいと思います。 私は年に3回作品の展示会を開催しています。 いよいよ6月8.9日の2日間夏の展示会です。 展示会ではお客様と対面し作品を通してものづくりのお話しができる事をとても楽しみにしています。バッグが出来上がった背景や何に興味を持ち、見て来たかという私からの発信と、お客様からは、こんなものがあったら良いな!や、お家で眠っているお洋服のリメイク相談までお伺いしたりと有意義な時間になれば良いなと考え

          bergyamachiyukari2024

          akari

          6月8日(土)・6月9日(日) berg yamachi yukari 2024の展示会を開催致します。 日本の色彩の始まり 古代日本では光を認識したことから徐々に色が生まれていったとされており アカ、クロ、シロ、アヲ 4つの色名はもともと色を表す言葉に由来するのではなく「光」の色から生まれたのだそうです。 真っ暗な夜が明けるその時の美しさを昔の人々はどんなふうに見ていたのでしょう 古着や古布アンティークのレースを使ってリメイクのバッグをつくっています。 日本の色

          黄金の時代

          前回のnoteでは尾形光琳の燕子花図屏風を見に行った感想と、琳派について少し触れました。 あれから私は屏風や襖 金地に描かれた絵についてもう少し調べてみる事にしました。 何故あんなに豪華絢爛な絵が生まれたのか? 時代は尾形光琳の活躍した江戸時代から少し遡り、安土桃山時代へ 中世の室町時代から近世の江戸時代へと時を移すそのわずか30年ほど 桃山時代はまさに変革期でありました。 この頃、鉱山の開発が著しく進歩し 金、銀、銅を産出。 採掘量が急激に増大しました。 それと同時

          燕子花

          読めるでしょうか? カキツバタといいます。 私は読めませんでした。 燕子花はアヤメ科の植物です 丁度今頃、4月末から5月にかけて 水辺に濃い紫色の花を咲かせます。 私は昨年より日本の美術、芸術に興味を持ち始めました。 日本美術の本を見ていた時に 国宝の「燕子花図」尾形光琳 の絵が目に飛び込んできて 黄色の背景に群青色の花、剣先の様な葉がとても美しく記憶に残っていました。 そしてこの「燕子花図」は根津美術館が所属しており、根津美術館内にある中庭の池に咲く燕子花の花と合わせ

          アカいヒカリの素材

          今年は鮮やかな日本の色彩から 人が初めて色を認識したと言われている色 赤に注目して6月に向けてバッグ作りを進めています。 私は古着をリメイクしてものづくりをしているので、素材を集めるために、古着屋さんを回ります。 カア色、今年は鮮やかな色を取り入れたくて気持ちががそれらに向かいます。 赤にも様々な赤があり、 私の好きな赤があります。 例えば、 茜色 茜草の根で染めた黒がかった赤 葡萄色(えびいろ) 生の伊勢海老の色、山葡萄の色 赤橙色 熟した果物の橙の様な色完熟の柿のよ

          アカいヒカリの素材

          デザインの数値を読む

          洋服のパターンを引く バッグのパターンを引く時に 様々な数値が必要になります。 (どんなものもつくる時には必要です) H×W×D なんの表記でしょうか? Height×Width×Depth 高さ×横幅×奥行き 立体の数値を表す為の表記ですね。 私は服飾の学校へ行きましたが、数字を見て立体物を想像する事がとても苦手で、洋服のパターンはとても難しいと思っていました。 そしてその時に、洋服のパタンナーになるセンスが私にはないと愕然としたのです。 しかし、ものづくりをす

          デザインの数値を読む

          環境に良いものづくりとは?

          私は、 青春時代にファッションの世界に憧れ、 洋服を作る勉強をする為に上京しました。 何かを創造する事が小さな頃から大好きで、ものづくりをずっと続けたいという思いがありました。ファッションについて、洋服つくりについて学んでいた頃、世の中はエコブームとファストファッションブームが同時に起きていました。 大量生産、大量消費のアパレル産業 天然素材、着心地の良い服作りと生活 古着の9割が燃やされていてその燃料費もとても高いという事を知った私は、私が学んできたものづくりとは何だろう?

          環境に良いものづくりとは?

          ヘンプと大麻

          前回「リネンと麻」という記事を書きました。 麻の種類について触れたのですが、 その中でヘンプ=大麻と書いています。 「大麻」みなさんはどんな印象をお持ちでしょうか? なんだか怪しいにおいがしますよね。 私も前回少し調べていて日本では栽培禁止になったとか、大麻を違法に育てていた人が捕まったというニュースを見た事もあり、あまり大きく触れてはいけない様に思っていました。 しかし、ヘンプはどうでしょうか? 衣類やバッグなどの製品を見た事があるし、 生地屋さんにも売っています。 ヘ

          リネンと麻

          私は使われなくなった古い布や着られなくなった古着をリメイクしてものづくりをしています。 ここ数年、 好んで取り入れ始めた フランスのアンティークリネン サンドカラーに白い大きなストライプ柄 に織られた大きな布 これはティッキングリネンと呼ばれ、古いものは1930年代にマットレスの張り布として使用されていたようです。当時、マットレスの中に詰めていた藁や羽毛が外に飛び出さないように厚く密度のある織りものとしてもリネンは重宝されました。 この様なリネンのファブリックは アンテ

          JAPAN 漆

          先日、漆器を見る機会がありました。 赤、黒、そして金色も入っており とても艶やかで美しい器でした。 これも日本の赤だなと言う事で、 年明けから赤に夢中の私は漆塗りについて調べてみる事にしました。 漆(うるし)は うるし科の植物から取れる天然の塗料です。 漆の木肌を傷つけると出てくる液体なのですが、始めは黄色みがかった白い色をしているのだそうです。 そこに”ある”ものを混ぜて赤や黒の漆塗料を作ります。 その”ある”ものとは… 赤色は 弁柄(ベンカラ)と言う赤鉄鉱や赤土から