リネンと麻
私は使われなくなった古い布や着られなくなった古着をリメイクしてものづくりをしています。
ここ数年、
好んで取り入れ始めた
フランスのアンティークリネン
サンドカラーに白い大きなストライプ柄
に織られた大きな布
これはティッキングリネンと呼ばれ、古いものは1930年代にマットレスの張り布として使用されていたようです。当時、マットレスの中に詰めていた藁や羽毛が外に飛び出さないように厚く密度のある織りものとしてもリネンは重宝されました。
この様なリネンのファブリックは
アンティーク屋さんや古着屋さんで見つけることができます。
多くは使用されたもの。
使用とクリーニングを繰り返してとても柔らかくなっているものもあります。時々見かける未使用品デッドストックの物は色も手触りも大分違います。それはそれで、綺麗さと丈夫さを生かしたものづくりが出来るので、つくるものやデザインによって私は使い分けています。
リネンはとても丈夫で、耐久性に優れた天然素材として古代から衣服や、クロス、シーツなどのファブリックとして愛用されてきました。
私も、昔から好きな素材のひとつです。
フランスのアンティークシャツをファッションに取り入れる事もありますし、アンティークのティッキングリネンやクロス、タオルなどを作品づくりの材料としても取り入れています。
そう言えば…
ふと
「リネンと麻の違いについて」
詳しく理解していないなと思い、今回学び直してみました。
"麻" と言うのは植物に含まれる繊維の総称で
原料となる植物によって全く性質が異なるようです。
*亜麻(あま) リネン
1年草
原産地は比較的寒い地域が主で、
フランス北部、ベルギー、
ロシア東欧諸国、中国などです
特徴は
吸湿性、耐久性、に優れ、
しなやかで肌触りが良く毛羽立ちも少ない為、衣類に適しています
夏は涼しく、冬は暖かい素材
また渇きやすく、抗菌性もある事から
キッチンクロスやタオル、ベッドシーツとして最適な素材として長く長く愛用されて来ました。
*苧麻(ちょま) ラミー
多年草
原産地は中国が主です
特徴は
リネンに比べると毛羽立ちが多く張り、コシがしっかりとしている。
繊維の色が白く絹の様な光沢感もある為、
染めると発色がとても良く衣類に良く使われています
*大麻(たいま) ヘンプ
1年草
原産地は東南アジアが主です
特徴は
とても強い繊維で、洗う度に強度が強くなり、使う度にしなやかになっていく為、長く使うものにはとても良い素材です。
日本でも一万年前から素材として身近にあり愛用されていたのですが、戦後、栽培が一時禁止されたこともあり、今は制限された上で栽培している為、あまり多くありません。
家庭用品品質表示で「麻」として表記出来るものはリネンとラミーのみとなっています。
ヘンプなどのその他の繊維は「指定外繊維」と表記されます。
また、調べていて少しややこしかったのが、
亜麻(あま)=リネン
と言うのは厳密には違うという事です。
リネンは亜麻の繊維を原料として作られた生地の総称であると言うのです。
フランス語では亜麻という植物をフラックスと言い、フラックスから紡績された糸や織物の生地、製品に対する名称をリネンと言うのだそうです。
よって、亜麻(あま)=フラックスという事になります。
フランスのアンティークリネンとの出会いから、様々な麻の種類と特性、について改めて知る事が出来、麻の魅力を再確認しました。
種類や国によって風合いや、使用方法も少しずつ違うのですが、共通していた事は、
どの国も、古代から生地の原料として使っていて、生活に欠かせないファブリックであったと言う事です。
最近、古着屋さんで新たに見つけたアンティークリネン
(見出し画像のものです)
おそらくヨーロッパとの事
年代は不明。
リネンの上にストライプ状に、赤いベルベットの様な起毛した素材が糊付けされていました。
この様なファブリックは初めて出会いました。
見た目がティッキングリネンと似ていた事からこれもそうなのかな?と思ったのですが、今回色々と調べていくうちに、リネンの厚さや、織の密度等からまた違う用途のファブリックなのかもしれないと思う様になりました。
リサーチは続く…
(また分かりましたら記事に致します)
今年のテーマカラーは赤
どんなものが出来上がるかお楽しみに!
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