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お伊勢参り

伊勢神宮と聞いて私ははっきりとしたイメージがもてませんでした。
それは建物の全貌が見えないからということや、宮社が一つではなくまだ全体を把握できていないこと、知れば知るほど奥が深いということなのだ思います。

伊勢神宮の正式名称は「神宮」といいます。

天大神宮「内宮」
豊受大神宮「外宮」

の大神宮だけでなく

14所の別宮
43所の摂社
24所の末社
42所の所管社

これら125の宮社もの総称であるのだそうです。

「一生に一度はお伊勢参り」

という事で、私は
伊勢神宮へお参りへ
大きな森の中に点在する宮社を巡りました。
外宮、豊受大神宮だけでも
正宮、土宮、風宮、多賀宮など
複数の別宮が有り、
ひとつひとつ祀られている神様が異なります。
正宮には、
内宮、皇大神宮におまつりされている
天照大御神のお食事を司る神、
豊受大御神をおまつりしていています。
現在でも、
天照大御神や豊受け大御神を始めとする神々へお供えする為の神饍(しんぜん)を
毎日朝夕決められた時間にお作りされているそうです。
毎日変わらぬ儀式が何千年も続いている事に
驚かされました。

そして、皇大神宮(内宮)へ
こちらも大きな森の中
五十鈴川にかけられた宇治橋を渡り
五十鈴川御手洗場で心身を清めます。

穏やかな川の流れ、水が青く澄んでいて、
いつまでも眺めていたくなりました。

木々の中を抜けて、正宮へ
外宮と同じく
唯一神明造の古代様式を伝え、檜の建物に茅葺きの屋根、金の装飾が見られます。

と言っても正殿は4つの垣根に囲われていて、頭が少し見えるばかりでした。

正殿がどのように作られているのか、
実寸大で、同じ素材、様式で作られた模型を見る事ができるのは、
せんぐう館という式年遷宮の資料館です。
実物と同じ模型を見て、
その大きさと美しさに圧倒されました。

こちらでどのようにして社殿が作られるのかという解説を聞く事が出来ました。

式年遷宮では沢山のルールがあるのですが、
驚いた事をいくつか…
「全て自然のものを原料にしてつくる」
木材は檜、茅、鉄、漆、天然の染料
日本で取れたものだけです。
「20年間メンテナンスをしないでも
居られる設計」
高床式の設計、地下深くまで埋められた柱、
茅葺き屋根は何重にも重ね、雨風を凌ぎます。
美しい金属の装飾はただの飾りではなく建物が傷まないように、木の切れ端部分や連結部分にカバーの役割として付けられているのだそうです。
さらに銅板の上に金地を張り付けた装飾や、
五色の座玉という白、黒、赤、青、黄のたまは
漆に天然の染料を混ぜ塗装しているのだそうで、金属が錆びぬように施されています。
「つくり続けられるような工夫」
檜は日本にしかなく、100年200年後も変わらずに立て替える事が出来るよう、昔から檜を植え森をつくり守って来ているのです。
茅葺き屋根は数年に渡り茅を育て刈り取り干して準備します。
伝統を教え伝えていく、人を育てる事も大切なことだと教えて頂きました。

このように、様々な事が考えられ、受け継がれ、作られた建物はバランスの取れた美しさがあるのだといいます。
見た瞬間の感動はここに繋がるのですね。

そして
自然、人、神様とのバランス
調和する事の美しさは
ものづくりの原点ではないか
というお話しでした。

神様の社殿をつくり変える為に、人は木を植え、森を守り、自然に感謝し大切にする。
それは私達人間が、健やかに暮らしていく為の
営みに繋がっている事で、この調和が、崩れてしまうと、自然が壊れ、神様の住むところが作れなくなってしまったり、人々が生きていかれなくなってしまうということを学んだように思います。

本当に考え深い…

未来をよりよく創造していく為に
大切な考えだなと思いました。
本当に行って良かったです。

またいつかお伊勢参りへ


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