マガジンのカバー画像

不水溶性な日常

62
少しのこと、たくさんのこと、いっぱい考えたこと…についてのエッセイ。 あんなことやこんなことを誰かと共有できたらいいなと思っています。
運営しているクリエイター

#日々の生活

ブログMのゆくえ

ブログMのゆくえ

ある女性が8月の末に亡くなった。芸能人でも著名人でもない一般の女性だ。彼女は家庭を持ったダンスのインストラクターで、ダンスに興味があった私は偶然見かけて5年前から彼女のブログを読み始めた。特に文章的に面白いとか特別な趣向があるとかそういうものは何もなくて、子供のこと、自分の仕事のこと、食べ物のこと、旅行に行ったことなど、写真と共に書かれてあるよくあるタイプのブログだった。ただ私がなぜそのブログに惹

もっとみる
ソーダ水の中にある記憶装置

ソーダ水の中にある記憶装置

一生の楽しきころのソーダ水

富安風生のこの句が私はとても好きだ。若い頃の迸るような夏をこの一行で表している。

ソーダ水は1年中飲んでいるが、夏に飲むソーダ水はなんとなくノスタルジックな気持ちになる。きっとそこの句を知っているからだろう。時々、声に出して唱えてみると一瞬だけでもあの頃に戻れるかもしれない...などと十数年前までは思っていたが、さすがにもう諦めた。そんな少女が書くポエムのようなこと

もっとみる
浅はかな習慣に溺れる虚栄心

浅はかな習慣に溺れる虚栄心

今、私は絵画3作品を前にして、どうすべきか途方に暮れている。これらには何の罪もない。でもこれらが邪魔で邪魔でしょうがない。

「いい人」っていう定義はわりと分かりづらい。いい人は私の周りにもたくさんいるし、街中でもいい人を見かけたりすることがある。困っている人に躊躇なく手を差し伸べ、何かを頼んでも嫌な顔もせず引き受けてくれる。それで救われる人がいるのも確かなのだけど...。私自身もたぶん「いい人」

もっとみる
ミニマムサイズになったあなたへ

ミニマムサイズになったあなたへ

異端児と呼ばれた女が亡くなってから5回目の夏がやってきた。ミニマムサイズで棚の上に収まる姿にもすっかり慣れた。慣れたのは私であって、あなたはどう思っているのかはわからない。「悔しい」なのか「寂しい」なのか「どうでもいいや」なのか...

そんな小さな遺影を目の前にして、ビールを1杯飲む。美味しい。なんて美味しいんだ。こんな暑い日に冷たいビールを飲めるなんて、生きているって素晴らしいことだよ。ねぇ、

もっとみる
個性についてのエトセトラ

個性についてのエトセトラ

「個性的」という言葉は褒める時にも使うが、貶す時にも使われる。果たしてあなたが誰かに「個性的ですね」と言われた時にどちらの意味だと思うだろうか。

今日、自宅マンションのエレベーターでいつも顔を合わせる同マンションの住人の女性と乗り合わせた。その方とはたまにエントランスやエレベーターで顔を合わせることがある。特に嫌いな人でもないし特に好きな人でもない。単なるマンション内の顔見知りの人というだけの存

もっとみる
レジ袋有料化における脳天気な罪深さ

レジ袋有料化における脳天気な罪深さ

さて、ゴミ袋がない、困ったぞ。

我が家はスーパーやコンビニで提供されていたビニール袋をゴミ袋として使っていた。今回その袋が廃止になり必要な人は有料で使うことになった。私は当然エコバックを使う。「そう、そう、エコは大事」と意気揚々であった。

しかし、ゴミを捨てる時の袋がない。しょうがなく100円ショップでゴミ用の袋を買うことになる。ご丁寧に「スーパー買い物袋」と銘打った商品もある。このスーパー買

もっとみる