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よこはま物語、ヒメと明彦5、芳芳編、ヒメと明彦 XXVII

よこはま物語
ヒメと明彦5、芳芳編
ヒメと明彦 XXVII

これはイヤだ。

この回から、あまり書きたくない。ひどすぎるが、登場人物が書けというから仕方がない。

ヒメと明彦3、良子編に戻って、昨年の夏から今年の夏までの間になにがあったのか?というのを書きます。

登場人物

宮部明彦    :理系大学物理学科の1年生、横浜出身
仲里美姫    :明彦の高校同期の妹、横浜の女子校の3年生
高橋良子    :美姫の高校の同級生
生田さん    :明彦のアパートの大家、布団屋さん
坂下優子    :美姫と良子の同級生

張本芳子    :良子の小学校の同級生、中華系帰化人の娘、
         張芳芳(ファンファン)
林田達夫    :中華街の大手中華料理屋の社長の長男
吉村刑事    :神奈川県警加賀町警察署所轄刑事

小森雅子    :理系大学化学科の学生、美術部。京都出身、
         実家は和紙問屋、明彦の別れた恋人
吉田万里子   :理系大学化学科の1年生、雅子の後輩、美術部
内藤くん    :雅子の同期、美術部、万里子のBF
田中美佐子   :外資系サラリーマンの妻。哲学科出身

加藤恵美    :明彦の大学の近くの文系学生、心理学科専攻
杉田真理子   :明彦の大学の近くの文系学生、哲学専攻

森絵美     :文系大学心理学科の学生
島津洋子    :新潟出身の弁護士

清美      :明彦と同じ理系大学化学科の学生、美術部

ヒメと明彦 XXVII 👈 NEW
 1976年5月7日(金)
 ●Ryoko Takahashi Ⅲ

 70年代では公立の高校では、土曜日も登校日の学校がほとんどだったが、私立の女子校、男子校は、土日が休みが一般的だった。進学校では高校1~2年生で3年生までの文部省のカリキュラムは終えて、3年生は受験対策の講義ばかりになる。朝も7時半から授業前の補講があったり、4時以降にも補講があったりする。さすが、学費が高いだけのことはある。

 今週は中途半端で、5月5日のゴールデンウイークの最終日が水曜日。木金と休みにしてくれたらいいのにと思うが、学校は容赦しない。ゴールデンウイーク中だって、予備校は受験生には容赦しない。やっと金曜日の夕方にたどりついたという感じだ。

 高校の教室で、美姫が「うわぁ~、やっと今週終わった!死にそうだった!良子、千駄ヶ谷に私は行くよ。今晩は明彦もいるから」と叫ぶ。帰り支度をしていた私に「良子はどうする?行こうよ?」と聞く。

 それ、私、おじゃま虫じゃないの?美姫と明彦、先週から今週会えてなかったんだから、そこに割り込むのはデリカシーがないわ。

「美姫、それはダメよ。私、おじゃま虫になっちゃうもん」と優子的語尾が板についてきた。これで『じゃん』を多用すればますます似てくるのね?
「あれ?姿形、仕草、口調が坂下優子ちゃんになった高橋良子さん、名は体を表す、人格変わっちゃった?高橋良子的だと、おじゃま虫になろうが、割り込もうが、私は行く!って言うのに?」

 連休明けの学校では、私のイメチェンはちょっと騒がれた。不評と好評がないまぜに。生徒会のメンバーたちには「良子、熱があるんじゃないの?元生徒会長の威厳はどこに行ったの?」と言われる。坂下優子とその友だちたちには「なんか、グッと親近感が増した!」と普段は私にボディータッチしてこない子たちにも抱きつかれた。「可愛い!キュンとする!」

 姿かたち、仕草で、こうも印象と対応が変わるものなのだね?力も抜けて居心地がいい。ただし、私の怒り肩はどうしようもない。肩をわざとすくめるのは楽じゃない。たまに無意識に背筋がピンっと伸びて、あわてて猫背に戻す。ま、これはしばらく続けよう、髪の毛が元に戻るまで。

 さすがに、両目1.2 はみな知っているので、黒縁メガネは止めた。休み時間に受けを狙って(この私が?受けを狙う?)ウルトラセブン(!)よろしく装着してみた。みんなのけぞった。なにも知らされなければ、絶対に高橋良子とは気づかないよぉ~と言われる。ふ~ん、法学部志望は止めて、日大の芸術学部にいこうかしら?演劇学科を出て、げーのーかいにデビューするとか!キャッ!・・・イカン、脳が汚染されてきたようだ。

 優子にリクエストした。「ねえ、優子、優子のおちょぼ口で首を傾げて、人差し指をホッペタにあてるぶりっ子ポーズをしてくれない?」

「ぶりっ子ポーズ?失礼な!こうかな?」ほお、そうやるのね。「これでウインクするのよ」なるほど。これでなぜモテないのか?やはり、自覚がないからだろうね。男子が優子を見ても自信のなさから見られているとは思わないわけだ。こうかしら?と真似した。
「スゴイよ、良子!キュンキュンした」

「でも、良子、まだ高橋良子+坂下優子=坂下良子を明彦に見せてないじゃん?みせたくないの?」と美姫。あ!そうだった!彼に見せたい!いいのかな?
「いいのかな?おじゃま虫があらわれても?明彦、気にしないかな?」
「そういう自信投げなお答え、坂下良子だね。彼は気にしないよ。面白がるよ」
「じゃあ、行く!行っちゃう!」
「その口調、調子狂うんだよね・・・」

 明彦だったら、どう思うかな?おっと、彼は私の彼氏ではない。美姫の彼氏。明彦を自分の価値基準に置いてはダメだ。

 明彦は、美姫のことを単に天然ボケのお転婆の可愛い子ちゃんと思っている。いつまでも小学校6年生の姿が脳裏にあるのだろう。美姫自身もそうだろう。だが、6年間も一緒で(私も中高そうだけど)明彦には見えていない美姫の部分がある。彼女は女として成長している。それも非常に魅力的に。

 それを二人は自覚していない。美姫だけだったらそうはならなかったのだろうが、美姫が明彦の望む女になりたい(この動機、高橋良子的には感心しない)と思って作り上げてきた彼女の独特の人格がある。機会があったら明彦に言っておこう。キミのヒメはキミが考えるよりもずっと良い女に成長したんだよ、狙う男だってたくさんいるよ、と。

 私には美姫にとっての明彦のような長年寄り添った男の子がいない。つまり、探そう、出会おうと思っても無理。これは癪だな。美姫が羨ましい。

よこはま物語、ヒメと明彦5、芳芳編、ヒメと明彦 XXVII に続く。


よこはま物語、ヒメと明彦1~4+5

よこはま物語、ヒメと明彦5、芳芳編、メと明彦 XXI

よこはま物語、ヒメと明彦5、芳芳編、ヒメと明彦 XXII

A piece of rum raisin - 単品集、ヒメと明彦

ヒメと明彦 第1章、ヒメと明彦 Ⅰ

ヒメと明彦 第1章、ヒメと明彦 Ⅰ’

ヒメと明彦 第1章、ヒメと明彦 Ⅱ

ヒメと明彦 第1章、ヒメと明彦 Ⅲ

ヒメと明彦 第1章、ヒメと明彦 Ⅳ

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 Ⅴ

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 Ⅵ

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 Ⅶ

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 Ⅷ

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 Ⅸ

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 Ⅹ

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 XI

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 XII

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 XIII

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 XIV

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 XV

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 XVI

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 XVII

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 XVIII

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 XIX

ヒメと明彦 第2章、ヒメと明彦 XX

よこはま物語、ヒメと明彦5、芳芳編、ヒメと明彦 XXI

ヒメと明彦5、芳芳編、ヒメと明彦 XXII

よこはま物語、ヒメと明彦5、芳芳編、ヒメと明彦 XXIII

よこはま物語、ヒメと明彦5、芳芳編、ヒメと明彦 XXIV

よこはま物語、ヒメと明彦5、芳芳編、ヒメと明彦 XXV

よこはま物語、ヒメと明彦5、芳芳編、ヒメと明彦 XXVI


ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編1

ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編2

ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編3

挿入話第7話 絵美と洋子、1983年1月15日/1983年2月12日

ヰタ・セクスアリス - 雅子 16(エピローグ)


登場人物

宮部明彦 :理系大学物理学科の2年生、美術部
小森雅子 :理系大学化学科の3年生、美術部。京都出身、実家は和紙問屋
田中美佐子:外資系サラリーマンの妻。哲学科出身

加藤恵美 :明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、心理学科専攻
杉田真理子:明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、哲学専攻

森絵美  :文系大学心理学科の2年生
島津洋子 :新潟出身の弁護士

A piece of rum raisin - 単品集

奴隷商人とその時代 (続き)
奴隷商人とその時代 Ⅳ
 ●紀元前46、47年前後の出来事
 ●古代ローマの浴場

奴隷商人とその時代

奴隷商人とその時代 Ⅰ

奴隷商人とその時代 Ⅱ
 ●古代の鏡

奴隷商人とその時代 Ⅲ
 ●イスラムの一夫多妻制度
 ●奴隷制度
 ●奴隷制度・ハレムと一夫多妻制
 ●奴隷商人ムラーの商売

奴隷商人 Ⅰ

奴隷商人 Ⅱ

奴隷商人 Ⅲ

奴隷商人 Ⅳ

奴隷商人 Ⅴ

奴隷商人 Ⅵ

奴隷商人 Ⅶ

奴隷商人 Ⅷ

奴隷商人 Ⅸ

シリーズ「A piece of rum raisin - 第1ユニバース」

第1話 メグミの覚醒1、1978年5月4日(火)、飯田橋
第2話 メグミの覚醒2、1978年5月5日(水)
第3話 メグミの覚醒3、1978年5月7日~1978年12月23日
第4話 洋子の不覚醒1、1978年12月24日、25日
第5話 絵美の覚醒1、1979年2月17日(土)
第6話 洋子の覚醒2、1979年6月13日(水)
第7話 スーパー・スターフィッシュ・プライム計画
第8話 第二ユニバース
第9話 絵美の殺害1、第2ユニバース
第10話 絵美の殺害2、第2ユニバース
第11話 絵美の殺害3、第2ユニバース

シリーズ「フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス(Ⅱ)-第4ユニバース

第一話 清美 Ⅰ、1978年2月24日(金)
第一話 清美 Ⅱ、"1978年2月24日(金)1978年2月27日(月)
第二話 メグミ Ⅰ、1978年5月4日(火)
第三話 メグミ Ⅱ、1978年10月25日(水)
第四話 メグミ Ⅲ、1978年10月27日(金)
第五話 真理子、1978年12月5日(火)
第六話 洋子 Ⅰ、1978年12月24日(土)

 ●クリスマスイブのホテル・バー
 ●女性弁護士
第七話 絵美 Ⅰ、1979年2月17日(土)
 ●森絵美の家
 ●御茶ノ水、明治大学
 ●明大の講堂
 ●山の上ホテル
第八話 絵美 Ⅱ、1979年2月21日(水)
第九話 絵美 Ⅲ、1979年2月22日(木)
第十話 絵美 Ⅳ、1979年3月19日(月)1979年3月25日(日)
第十一話 洋子 Ⅱ、1979年6月13日(水)

メグミちゃんの「ガンマ線バースト」の解説

マルチバース、記憶転移、陽電子、ガンマ線バースト


シリーズ「雨の日の美術館」


フランク・ロイドのブログ


フランク・ロイド、pixivホーム

シリーズ「アニータ少尉のオキナワ作戦」

シリーズ「エレーナ少佐のサドガシマ作戦」

A piece of rum raisin - 第3ユニバース

シリーズ「フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス-雅子編」

フランク・ロイドの随筆 Essay、バックデータ

弥呼と邪馬臺國、前史(BC19,000~BC.4C)


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