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雪かきの記憶
地元に戻って初めての積雪。
久しぶりに家の前を雪かきした。
思い返すと、中学生の頃から家の雪かきを担当していた。
母は運動が嫌いで、父は仕事で忙しい。
私がやらなければ、仕事終わりに父が雪かきをすることになる。
だから、我が家では雪かきは私の仕事だった。
小学生の頃は雪が好きだった。
雪かきは楽しいと思っていたし、雪合戦も好きだった。
登下校中に雪玉を作ったり、雪山に登るのはしょっちゅうだった。
雪が好きなのは小学生までで、中学生ともなると雪が降るとうんざりするようになる。
自転車が乗れなくなり、行動範囲が狭くなるからだ。
雪が嫌いになっても、雪かきは積極的に行った。
雪かきをすると、父がコンビニでスイーツを買って帰ってくる。
妹もそのスイーツ目当てで雪かきを手伝ってくれた。
ただ、スイーツ目当てで雪かきをしていると思われるのは心外でもあった。
善意というと押し付けがましいかもしれないが、父の負担を減らすために雪かきをしていたので、無理に買ってくれなくていいのにと感じていた。
大学への進学で地元を離れることを意識したときも、雪かきのことを気にした。
妹がやってくれるのか、父が仕事終わりに雪かきするのか、いずれにしても自分がいなくなることに申し訳なさを少なからず感じた。
結局、妹と父のどっちが雪かきをしていたのか詳しく聞いていない。
ただ、もう妹は家をでたので、今冬は父親が雪かきをしていたのだろう。
今の時期、父は仕事が忙しいらしく、まだ帰ってきてない。
もしかしたら今日、父の代わりに雪かきをしたので、何か買って帰ってくるかもしれない。
子ども扱いされている気がするが、父の中ではまだまだ私は子どもなのだろう。
少しでも、親孝行ができますように。
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