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【チューバ】マウスピースの話

おはようございます。チューバ奏者の河野一之です。

先日の立奏用チューバベルトの記事がとてもたくさんの方々にご覧いただけているようでありがたい気持ちです。みなさまありがとうございます。

そんなわけで今日はマウスピース(以後MP)の話。

マウスピース


僕は珍しく、Besson BE981というトップアクションでプロ奏者をしているチューバ奏者です。もちろんソロや金管バンド以外の業務用にC TUBA(B&S GR41)も所有していますが今の業務の大半はBE981で行っています。

というわけで結構たくさんの方々から「こういうトップアクションのチューバに合うMPはどれですか?」といただきます。

でもこのご質問は実は前提がずれていて、僕たちがMPを選ぶ基準は

「自分の理想とする音が鳴るか」

これに尽きます。楽器との相性や吹き心地というのは方法、つまり後付けで最も大事なのは出てくる音です。

相性なども、つまりこういうことになります。

自分×MP×楽器=出したい音になっているか

なのでそのMPが大きかろうが、小さかろうが、長かろうが短かろうが自分が発信したい音楽が発信しやすければそれに越したことはないわけです。

しかも極論、弘法筆を選ばず、どんな楽器でもMPでも達人が吹くとそれなりの音がなるわけです。

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そういう大前提を分かった上でこの後の内容といきましょう。

傾向はある

色々とぐちゃぐちゃ書きましたが、それでもMP職人たちの弛まない研鑽、そして奏者たちの飽くなき探究心によって生み出された素晴らしいMPというのは確かに存在します。

また今現在、チューバ業界にもオーケストラや吹奏楽プレーヤーの他に素晴らしいソロ奏者やジャズやファンクetcなど多種多様な奏者が増えたためそれと共に本当に多くのMPが世に生まれています。

そんな中僕は

・ソロ
・金管バンド
・オーケストラ
・室内楽

これらの分野で演奏することが多いです。そんな僕のセッティングをご紹介します。

ソロ

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今現在は1番左端のConn, Hellberg 7Bを主に使用しています。

その前が左から2番目のConn Standard

そしてさらにその前が1番右端のDenis Wick 3L(改造版)

そして1番古いソロ用は右から2番目のYamaha Bobo Solo

Connの7BとStandardだったら7Bの方が小さく感じ幅広い音域に合う感覚があります。ソロに必要な機動力があるという言い方ができます。

DWの3LはLargeサイズということもあり、より幅広い音域に対応していますし、音色や響きが抜群です。さらに言えばリムと内側をゴールドメッキをかけてもらっており響きに幅と口当たりの良さを実現しています。

Yamaha Bobo Soloは本当にギューン!とした貫通力の演奏、まさしくSoloの名に相応しいソリスティックな音色と演奏のしやすさがあります。

あくまで自分の感覚と経験のもとでの意見ですので個人差はかなりあると思って読んでください。

金管バンド

金管バンドでは主にこれらです。

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Cory Band在籍時代はDenis Wick 2L→Yamaha Bobo Soloで全て勝ち抜いてきましたが日本に帰国後はそれぞれのバンドの相性と比較してMPを変えることもあります。

Bb Bassを演奏するときは絶対の安定感Denis Wick 1XLです。

吹奏感が素晴らしく音色もとてもダークで良い響きを出してくれます。PedalからHigh tonesまでなんでもok、Bb Bassを演奏し始めた大学一年の頃から使っている愛機です。

人生初のコンテスト、Scottish Openでもこれで優勝しました。

そしてソロでも使用していたDW3LはEb Bassパートを演奏する際は使用しています。でももしプログラムに協奏曲が入っていたらConnも検討すると思います。

本当に自分の理想とする音色と一緒に吹く奏者とのバランス次第なのは大きいです。

オーケストラ、室内楽、レコーディング

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オーケストラや室内楽、そしてレコーディングでもプログラムによってEb TubaかC Tubaかは変えます。

Eb Bassの時はDenis Wick 3L、やはり汎用性が高く音色が抜群です。

C Tuba用にはSchilke Hellberg Ⅱを使用しています。もう王道中の王道なので言うことなし。とても吹きやすく明瞭な音色が魅力です。

その他のWorkは全てこちらからみられます。

まとめ

ぶっちゃけたところMPは何でも良いと思っています。そこまで神経質に考えてしまうと自分自身が吹けなくなってしまいますし、MPうんぬん以前に音のイメージ、演奏法など考えなくてはならない、良い習慣をもたなくてはならないことばかりです。

MPは手段の一つです。MPが本質と入れ替わらないように気をつけてながら、自分と楽器との相性が合う、自分のイメージ通りの音や演奏ができるMPを探してみてください。

きっと良いものに出会えるはずです。

僕自身もここはゴールではありません、一生をかけて探していくのだと思います。

Thank you

Kazz


サポートして頂いた支援は全て金管楽器や金管バンドの奏法の研究、音楽を使ったエンターテイメントの発展に使用させていただきます。