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自分が思っている以上に人が考えていることって違う - 三菱地所株式会社【体験者インタビューVol.4】

【体験者インタビューVol.4】

こんにちは、ベネッセアートサイト直島 エデュケーション担当の大黒です。

ベネッセアートサイト直島でのプログラム体験者の声をお届けするインタビュー企画・第4回目となる今回は、「三菱地所株式会社」の後藤瞳希(あき)さんにお話しを伺いました。

■プロフィール

後藤 瞳希(三菱地所 空港事業部)

2015年三菱地所入社。三菱地所プロパティマネジメント株式会社にて都内オフィスビルの運営管理に従事し、空室リーシングや賃料交渉などを担い、2019年に空港事業部に異動。途中、高松空港株式会社への応援派遣、新事業創造部との兼務、労働組合組織部長も経験し、現在に至る。

ベネッセアートサイト直島では、香川県と三菱地所株式会社主催のワーケーションプログラムの一環で「地域とアート」をテーマに、2022年の冬より計3回のプログラムを実施。その後、丸の内にて対話型鑑賞の体験プログラム、直島・豊島でのプログラムを実施しました。


大黒:ベネッセアートサイト直島のプログラムを体験しようと思ったきっかけや目的を教えてください

後藤:当社が高松空港の運営に関わっている中で、三菱地所として空港の運営を担っている意義を何か見出せないか、三菱地所の顧客に対して空港を使って何かアプローチできたらいいなと考えていました。そんな時にベネッセの方に「直島でアートを使った研修をしている」という話を聞いて。オフィスの人にとって魅力的で、かつ、この場所らしいものを考えた時に「アート」がぴったりだと思い、当社の他の社員も含めて体験に行かせていただきました。


大黒:実際にプログラムを体験してみていかがでしたか?

後藤:結構な人数で、かつ知り合い同士ではない、別々の部署で働く人を集めて体験に行ったので、最初は雑談すらぎこちないというか(笑)お互い知っている情報を探り合うみたいな感じだったのですが、アート作品を観ながら意見交換する中で、普段友人にも話さないようなことを話す人も出てきたりして、いつも一緒に仕事をしている人たちよりも内的に繋がって仲良くなれたという感覚を持っている人もいた、というのはすごく良い効果だったと思います。


大黒:プログラムを体験する前後で後藤さんの中に何か変化はありましたか?

後藤:大人になると自分がどういうことを考えているか振り返る機会ってあまりないですし、それを言葉にすることもなかなかないので、久しぶりにそういった体験をしてすっきりしました。また、そうやって自分をさらけ出すことでより深く人と繋がる経験をしたことは自分の中での大きな変化でした。


大黒:他の参加者に見られた変化があれば教えてください

後藤:あまり喋らなかった方がよく喋るようになったのが一番目に見えた変化だと思います。対話型鑑賞を通して、言語化するのが得意な人がよく分かって、「営業部門も合いそうだな」とか、例えば人の意見をまとめるのが上手な人だったら「もっと取りまとめの部署も似合いそう」とか、仕事の適正もアートを通じて見つけられるんだろうなと思いました。


大黒:プログラムの中で最も印象に残っている場面を教えてください!

後藤:やっぱり最初は皆、喋らないじゃないですか(笑)そこからポツリポツリと喋り始める時間はすごく印象に残っています。だんだん皆が心を開いていくのが可視化されているのが、面白い。心に残っています。特に李禹煥美術館。すごく言語化するのが難しく、他の施設よりも最初の沈黙が長かったように思います。でも気づけば、本来静かな空間で沢山の声が響いていました。


大黒:ご自身の体験というより、参加者の様子や変化が印象に残っておられるのは、企画担当者ならではの視点かもしれませんね。

後藤:それに関しては、何度かプログラムに参加させてもらったおかげかなと思います(笑)最初はあまり客観視できないけれど、2回目は他の人の様子を見る余裕を持ちながら参加できるというか。そういう意味では、一回だけでなく何度も参加することにすごく意味があるんだと思います。


大黒:ベネッセアートサイト直島のプログラムで「こんなことがしてみたい」ということがあれば教えてください!

後藤:プログラムを体験した後、直島や豊島に友人を何度も連れていきました。地中美術館に過去行ったことのある友人を連れていったこともあります。私が福武財団の皆さんからの受け売り説明をすると、「初めて来た時は何も理解しないまま出てきてしまったことに気付いた」と言っていて。プログラム的でなくてもいいので、初めて訪れた方でもコンセプト等が分かるような仕組みがあれば良いのかなと思いました。だいぶ前なのですが、私も初めて地中美術館を訪れた時は見方が分からなくて、すぐに見終えた記憶があります(笑)今はすごく時間をかけて観ていて、それをとても面白いと感じています。


藤原:直島での体験や対話型鑑賞の経験が、日常生活に繋がっていると感じられた場面はありましたか?

後藤:アートの鑑賞体験を通して、自分が思っている以上に人が考えていることって違うんだということを本当に実感できました。会議で議論が盛り上がると自分の言いたいことをすごく言ってしまうのですが、終わった後に「そうだよな、みんな考えていることは違うんだよな」とアート鑑賞の体験を思い出して冷静になる時はありました。アートは、現実の数字とはかけ離れていたり、結果が明確でなかったりする余地があるので、自分の中でも「これが正解」と強く思えていないからこそ、人の意見を聞きやすかったり、自分でも受け入れやすいのかなと思います。


おわりに

今回は「三菱地所株式会社」後藤瞳希さんへのインタビューをお届けしました。ご協力ありがとうございました!

これまでのプログラムはこちらからご覧いただけます↓
①ワーケーション第1回(2022/11/15-16)
②ワーケーション第2回(2022/12/20-21)
③ワーケーション第3回(2023/1/24-25)

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