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相互理解に繋がって、チームの関係性が良くなった - 三井不動産株式会社【体験者インタビューVol.2】

【体験者インタビューVol.2】

こんにちは、ベネッセアートサイト直島 エデュケーション担当の大黒です。

ベネッセアートサイト直島でのプログラム体験者の声をお届けするインタビュー企画・第2回目となる今回は、「三井不動産株式会社」の吉岡良さんにお話を伺いました。

■プロフィール

聖光学院卒、三井不動産入社。関西支社にて主にオフィスビルの営業・運営管理等に従事。その他、ビルインのカフェテリア『CUIMOTTE』の立ち上げや、街づくりの一環として大阪近郊の農家・酒蔵とマルシェやイベントの企画・開催などを経験。
2020年よりオフィスビルテナントの法人営業を担当。
また、アートに関する新規事業の検討をきっかけにアートに興味を持ち、会社でアート部をつくり、部長を務める。
2021年には文化芸術経営のリーダーシッププログラムであるCultural Innovation Leadership(CIL)に参加し、文化事業賞を受賞。
趣味は散歩と読書とバスケ。大切にしていることは”雑談”と”おせっかい”。

ベネッセアートサイト直島では2022年5月に、「三井不動産 テナント企業様向けの募集型プログラムの造成」を目的に、直島、豊島、犬島にてプログラムをトライアル。その後、直島と豊島で3回のプログラムを実施しました。


大黒:ベネッセアートサイト直島のプログラムを体験しようと思ったきっかけや目的、期待していたことを教えてください

吉岡:私は2回プログラムを体験しています。1回目の体験は、SETOUCHI企業フォーラムに参加したことのある弊社の執行役員から「直島での体験が本当に素晴らしいものだったからまずは体験してほしい」ということ、私が法人営業をしていることもあり「我々のビルに入居いただいているテナントの皆様に直島での体験を広めるようなプログラムを検討してほしい」というお話があり、そこから繋がりました。我々のお客様にどう伝えるか、どう参加者を募るか、そして失礼ながら本当に効果があるものか、というのを探りに行きました。期待していたこととしては、執行役員がもう本当に素晴らしかったと言っていたので、自分としてちゃんと感動できるといいなと思っていました。

初回のトライアル実施にて、豊島の棚田を散策する様子

吉岡:2回目に関しては、1回目の体験が個人的に非常に感動したというか、これを同僚とかにも広めていきたいなと思ったんですね。それで社内に「アート部」を立ち上げ、アート部員でプログラムを体験しにきました。アート部を名乗っているからにはアートに慣れ親しみたいのですが、1回目の体験の時に私「アートって何かよくわかんない」ってずっと言ってたんですね(笑)けれど、わかんなくてもいいんだと、自分なりの解釈とか自分なりに感じたことを言語化すればいいんだっていうのを体験を通してすごく身をもって体感することができた。なので、アートに興味のある人たちを募って、その人たちにも同じような体験をしてもらえたらいいなと思って開催しました。あとは、会社の同僚の人間性を知るとか、チームとしての相互理解に繋がればいいなと思っていました。

吉岡:アート部を立ち上げたきっかけは、アートに興味があったからなのですが、もともとのところでいうと全くアートに興味がなくて(笑)ずっとスポーツをやってきていて、アートに触れることがありませんでした。会社の新規事業提案制度で、スペースをシェアリングできるような事業ができるといいなと思って検討していて、何が一番効果的かと考えた時に浮かんだのがアートでした。実際に触れてみると、アートってすごい面白いなと。アーティストも面白いし、だんだんはまっていって。

弊社はスポーツに関わる事業を数多く手がけており、また、体育会出身者が多いと言う印象を外部の方に抱かれがちなのですが、アートに興味のある人もめちゃくちゃいて。「アート部はじめます」って言ったら1年で80名くらい集まりました。

不動産事業との親和性という意味で、アートが街に彩りを与えたり、それを見て感銘を受ける人がいたらいいなと思っていて。弊社でも最近、商業施設、ホテル、物流倉庫などにもアートを取り入れているのですが、アートの必要性を感じた担当者が個人レベルで学んで対応していたんです。もっと前からアートに親しんでおけば、よりクオリティの高いもの、より本質的な取り組みができるようになると思って。社内にしっかりコミュニティを作り、アウトプットは個々人で自由にやればいいと思い立ち、社内でアートに親しめるようなコミュニティを作りました。


大黒:これまでのプログラムを通してどんな体験や効果が得られましたか?

吉岡:1回目の体験を通して「これは自信を持って薦められるな」と思いました。1回目は普段仕事をしているチーム3名で参加したんですね。普段から仕事でのコミュニケーションは多いのですが、作品鑑賞から感じたことをシェアし合う中で、三者三様の考え方というか、「この人ってこうやって考えるんだ」とか相互理解にすごく繋がって、チームの関係性が良くなったと感じました。個人的には、アートってこうやって見ればいいんだって肩の力が抜けたのがすごい良かったなと思っています。

吉岡:2回目はアートに親しみを持つこと、相互理解を目的として行きましたが、何か変化があったというよりは、自分の中ではその効果が確信になりました


大黒:プログラムに参加する前後で参加者に変化があれば教えてください

吉岡:みんなで議論しながら参加しているのですが、相互理解とアートに対して親しみ深くなったと話しています。あと、みんな必ず言うのは「直島に行ってよかった」ということ。直島ファンになる人が多かったです(笑)

アート部の部員の方々と≪無限門≫にて

吉岡:個人的には、アート部の繋がりでアーティストの方やアート業界の方々と話していると、だいたいの方が直島に行かれているので、共通の話題が得られて話が盛り上がるのもいいなと思っています。


大黒:プログラムの中で最も印象に残っている場面を教えてください!

吉岡:最も印象に残った場面は、社会課題を解決しているフィールドであること。人が来ることによって、人に注目されることによって社会課題を解決し、なおかつサイト・スペシフィックなアートを通して自然環境を考えるっていうところ。すごく有名な作品群が自然の美しさの中にあって、五感とともに記憶に残るような感じを受けて、それが印象に残っていますね。

吉岡:李禹煥美術館の≪無限門≫は、「あの場所になかったらどうなんだろう」とか「この場所にあるからどう見えるんだろう」ってすごく考えさせられて印象に残っています。あの景色と合わせて感動しました。


大黒:ベネッセアートサイト直島のプログラムで「こんなことがしてみたい」ということがあれば教えてください!

吉岡:もう十分すぎるほど貴重な体験をさせていただいたと思っているのですが(笑)美術館などは人が作っているものなので、アーティストやアートプロジェクトに携わった方、地元の方など、その人たちとの交流や思いを聞くような機会があってもいいなと思いました。直島をより深くというか、より好きになるきっかけとしてあってもいいなと。

吉岡:あとはやっぱり東京からだと物理的な距離が離れているので、VRじゃないですけれども、あの素敵な感動体験を東京とかでも体験できるような機会があったらいいなと思ったりしています。


大黒:ベネッセアートサイト直島のプログラムを薦めるとしたら、どんな方に薦めますか?

吉岡:人事研修、30代くらいの中堅社員、新規事業系の部署にいる方ですかね。あと我々デベロッパーでいうと、まちづくりに携わっている人におすすめしたいなと思っています。企業研修を考えた時に、ターゲット層について何度も考えました。研修から直接事業に活きることってあまりないというか、実体験でしかなり得ないと思っているのですが、30代くらいの、それこそこれからの働き方や人生について真剣に考えながら会社での立ち位置がどんどん上がっていくような人たちであったり、世の中の社会課題を解決して売上をつくっていくような新規事業の部門にとっては、サステナブルな取り組み、みんながウィンな取り組みをしている直島、そしてまちづくりでいうとあれだけ根気強く、まちに根差して負荷のない形で、でもすごく世界的に注目される取り組みをやられているという意味で、この場所での体験が合っているのではないか、と思います。


おわりに

今回は「三井不動産株式会社」吉岡良さんのインタビューをお届けしました。ご協力ありがとうございました!

これまでのプログラムはこちらからご覧いただけます↓
①SDGs瀬戸内クロスフォーラム(2022/5/27-28)
②社内アート部活動(2022/10/29)
③SDGsクロスフォーラム(2022/11/14-15)


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