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都築郷夫(つゞき·くにを)の詩と歌と句 act 9 by Tsudsuki, Kunio 附・詩人の為のワードローブ集

僕の「詩嚢(しなう)」と「死なう團」の
事が重なつて - 夕立、あるのかな?

鼻梁が重い
午後。

ほんの思ひつき。僕に罪咎
與えるとするなら..

因みにこれは
詩ですらないよ。

でもクレディットはしとく、

©都築郷夫

【胃・三首】

がんがんに珈琲飲んで人の寝る時間に脳を謳はす己か
(©都築郷夫)短歌 tanka

出来たるは出来モノめいた何かしらそれを絞つて作とするなり
(©都築郷夫)短歌 tanka

痛みにも耐へ得る胃の腑持ちたるか以上決めます能力などを
(©都築郷夫)短歌 tanka

【泥龜・六句】

産毛のなか桃の汁気は封ぜられ
(©都築郷夫)俳句 kigo

青柿の大人を目指す光放ち
(©都築郷夫)俳句 kigo

新涼か遠い目をする熱雨降り
(©都築郷夫)俳句 kigo

川がどぶにその歴史髙度成長期
(©都築郷夫)川柳 senryu

昔むかし泥龜捕れて川頼もし
(©都築郷夫)川柳 senryu

萩つぼむ何色か知ら追想花
(©都築郷夫)俳句 kigo

【詩①】

昨日の服薬時間のメモを
見てゐる、なるべく
同じペースで行きたい
最近ぢやツボを心得てをり
胸苦しくなる時までは
我慢しない
どうせ操られてゐる -
ビッグ·ブラザーの処方だと
かう言つちやなんだが
諦めてゐて
私は乱れないし
乱しもしない
つまり、この世・肯定派
..意地の悪い目には
病み疲れたキチガイだらうが
もう 伏すだけ伏した
そろそろ飛びたい
翼もなく だが
こゝろ、よ。こゝろ、
よ。

©都築郷夫

【漢詩・出鱈目系】

黴覆半長靴 黴覆ふブーツを
分別塵芥捨 捨てる分別ごみ
山積所摩訶 山積みの所摩訶
不思議趾裸 不思議の裸足で

©都築郷夫 漢詩 chinesepoem
※飽くまでも出鱈目です。お許しあれ。

【詩②】

なるほど!
夜中のトイレで
坐つてゐたら
秋の
虫、つての?
鳴いてゐるよ。
くそ暑い日中ぢや
想像すらつかない
けれど、
こいつあ
誠の
はつあき、だ。
千両千両、

來たる。

雪隠や夜は誠なる秋の音
(©都築郷夫)俳句 kigo

©都築郷夫

【Day Grows】

数知れず
野花咲く
日々は来て
日々は去る
己の目を射る
日はまだ若く

夕暮れに
明日を見る
夏はまだ
燠火だよ
己を呼んでる
日はたゞ長く

壁があつて
足止める
錆び付いた
幾重もの
人讀み解いて
日はたゞ落ちる

Day grows
Too long
To be my song.

I can't hesitate to step
Out on the way
Well, I feel so strange.

何を見てきたの?
己のキョーダイよ
- 塵の通ふ所。

I can't hesitate..

©T.Y.生

(若い頃やつてゐたバンドの曲の歌詞、
忘れちやつたけどこんな感じだつたと。
サビがブランク·ヴァースで惜しいな。
都築。)

【後記】

秋といへど木の葉も知らぬ初風にわれのみもろき袖の白玉(藤原定家)

この分量では飽き足らぬ、と仰る讀者様もお出でだらう。たゞ筆者にはこれで円環が閉じる整合性、が好もしく、こゝで筆を擱くことにした。オマケがまたわらわら出て來るだらうが、はみ出しの美學などゝ言つたら嗤はれるかな?定家卿には悪いが、パロディで〆る。

秋の蚊なぞ潰すも知らぬ堂上にわれの身恐らく異形半袖
(©都築郷夫)短歌 tanka
※お粗末。

ぢや、チャオでありんす。都築拝。

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