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★【守備】カバーリング

カバーリングは”技術”でなく”意識”

「カバーリング」は、守備にミスがなければカバーした選手が直接ボールを触ることはほとんどない ”もしも” ”万が一” のためのリスクヘッジの動きであるために、おろそかになってしまうことも多い徹底することが非常に難しいプレーです。

ただし、試合において勝敗を分けるポイントとしてカバーリングがカギを握ることは多く、”大事な試合でカバーをせずに負ける”こともよく見られます。チームのリスク管理としてカバーリングの徹底は大きなテーマとなります。

全野手が次のプレーを先読みしカバーリングに動く

試合では、ボールは1つしかありません。

例え今行われているプレーが自分の守備位置から遠いところで行なわれている”一見、自分のポジション関係ないプレー”であっても、ただ守備位置で立って見ているだけ…である必要はまったくありません。
遠いところのいかなるプレーであっても、今後想定される守備のリスクはないか?考え先読みして準備のカバーリングをしておく ことはできるので、
        ”今の自分が出来ること”を必ず行なう”
ようにします。

全野手が先読みし自分が出来ることを行なうことが、チームとしてミスによる進塁・失点を少しでも防ぐポイントになります。

意識すれば誰でもできるからこそ全員で徹底

カバーリングは技術的なものでなく”意識”で行なうことなので、入部したばかりの1年生でもできます。
また、内野手同士・外野手同士・内外野間でも声掛けし事前に確認することで、チームとしてもれなくカバーリングするよう徹底することができます。

ポイントは試合に出場している選手みならず、ベンチにいる選手全員がカバーリングの意識を常に持ち続けること です。

安心して思い切った守備が出来る

カバーリングがチーム内で徹底できていると、ボールが飛んできた野手が「エラーしても後ろをカバーしてくれる…」という安心感を持って守備に当たれるため、たとえば
   内野手なら…前進するか待つべきか迷うバウンドのゴロで
         思い切って前進(チャレンジ)することができる。
   外野手なら…前進するか待つべきか迷うフライ(ライナー)で
         思い切って前進(チャレンジ)することができる。

というメリットがあります。

この安心感は、チーム全体に非常に大きな要素になります。


カバーリングの種類

「カバーリング」にはいくつか種類があるので、その種類と主なケースでの基本的な動きは理解した上で状況に応じて臨機応変に対応する 訓練を進めていきます。

打球のカバー

打球に対してのカバーリングは、打者が打てば必ず起こるカバーリングなので試合の中で日常的に行なうカバーリングです。

(内野ゴロの打球の場合)
内野手の正面にゴロが行けば、ミスなくゴロをさばき一塁へ送球をしてアウトに取れる確率が高いです。ただし、内野手がゴロを捕れずに後ろにそらしてしまったときにカバーリングがなければ、打球が外野を抜け打者走者が2塁のみでなく3塁まで進塁する可能性が高くなります。
例えば三遊間に飛んだ打球をサードが捕りに行った場合は、ショートが後ろに回り込みカバーをします。また、外野であればレフトがカバーに入ります。

三遊間の打球をサードが取りに ⇒ ショート・レフトはカバーリング

(外野フライの打球の場合)
外野手の正面にフライが行けば、ミスなく捕球しアウトに取れる確率が高いです。ただし、外野手がフライを捕れずに後ろにそらしてしまう・捕球時にグラブからボールがこぼれ前に落ちる ときにカバーリングがなければ、打者走者はすでにかなり走っているため1塁のみでなく2塁まで進塁する可能性が高くなります。
例えば右中間に飛んだ打球をライトが捕りに行った場合は、センターが後ろに回り込みカバーをします。また、前への落球(グラブからポロリ)にはセカンドがカバーに入り対応に備えます。

右中間の打球をライトが取りに ⇒ センター・セカンドはカバーリング

という感じです。

送球のカバー

送球に対してのカバーリングも、試合の中でたくさん起こるケースになります。打球のカバーリングの次の起こるケースとして想定しておく必要があります。

(内野ゴロの打球の場合)
内野手の正面にゴロが行けば、ミスなくゴロをさばき一塁へ送球をしてアウトに取れる確率が高いです。ただし、内野手が一塁に送球する際に一塁手が取れないところに送球し後ろにそらしてしまったときにカバーリングがなければ、打球がファールゾーンに転がり打者走者が1塁のみでなく2塁まで進塁する可能性が高くなります。

例えばショートゴロの場合は、
● まずは打球のカバー(捕球ミスを想定)として、レフト・センターがショートの後ろにカバーリングに入る。
● 次にショートが1塁へ送球した際にそれたときを想定し一、塁手の後ろにライト・セカンド・キャッチャー(ランナーなしの場合)がカバーリングに入る。

という感じです。

青 ⇒ 打球のカバーリング   黒 ⇒ 送球のカバーリング

送球のカバーリングをしていると、仮に送球が暴投になっても打者走者を1塁で止めておくことができる可能性が高くなります。

ベースカバー

ベースカバーは、1塁・2塁・3塁・本塁のベースにいつでも送球が出来るよう、ベースを空けることなく野手がついている状態を作る ことになります。
基本は、     1塁ベース ⇒ ファースト
         2塁ベース ⇒ セカンド・ショート
         3塁ベース ⇒ サード
         本塁ベース ⇒ キャッチャー
がベースをカバーするのですが、試合の状況により様々なケースがあります。

(例 走者1塁でのバント守備)

ファースト・ピッチャー・サード ⇒ 打球   セカンド ⇒ 1塁   ショート ⇒ 2塁

1塁ベースカバー 
バントが転がると、ファーストは打球を捕りに向かいます。
この時、1塁ベースが空いてしまうのでセカンドがカバーに入り送球に備えます。
2塁ベースカバー
2塁ベースは本来セカンドとショートが連携を取りカバーするのですが、この場合セカンドが1塁ベースに入っているので2塁ベースにはショートが入ります。
3塁ベースカバー
3塁ベースが空いていると、2塁へ向かった1塁走者が3塁まで狙うことができるので、それを防ぐためにカバーが必要になります。
サードはバントが転がった当初は打球を捕りに向かいます。この時、ピッチャーも一緒に打球を取りに向かっているため
  三塁手が打球を捕る ⇒ 投手が3塁ベースをカバーする
  投手が打球を捕る ⇒ 三塁手が戻って3塁ベースをカバーする
  一塁手が打球を捕る ⇒ 三塁手が戻って3塁ベースをカバーする
という流れでベースカバーをします。

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上記例はあくまで基本例となります。100%この通り動けば良い ということではなく、状況判断によって臨機応変に違うポジションからベースカバーに入ることもあるので、
     「プレー中は、いかなら場合もベースを空けない」
という考え方の基本に基づき、外野を含む全野手がベースカバーに動くようにします。

カバーリングの意識は”一歩目”に出る

「カバーリング」は、そのプレーが結果に生きるケースは非常に少ないです。ただし、カバーリングが試合の勝敗のカギを握ることが多いのも事実です。

カバーリングが”技術”でなく”意識”なので、自チーム・相手チームともに
       カバーリングの意識を持っているか?
を確認する手段として、一歩目が出ているか?というところでチェックすることができます。

”一歩目”の確認例

例 1塁へのけん制
1塁けん制は、盗塁を防ぐため・進塁を遅らせるため に行ないますが、lこのとき ”けん制球を投げる”場合 と ”けん制球を投げるフリをする(投げない)”場合 があります。
いずれの場合も、もしけん制球が暴投になったら…という想定でカバーリングにセカンド(・ライト)が入る必要があります。

この時に、カバーリングの意識があるセカンドであればけん制の動きが投手にあった瞬間に一塁にカバーリングに向かうため、とりあえずの”一歩目”を踏み出し備えることができています。

このくらいの一歩でも、動けばカバーリングの”意識”がある

ほんのわずかの何気ない動きですが、この動きがわずかな時間差でのアウト・セーフを分けるポイントになることも多いです。またこの一歩目は無意識であることが多く、無意識に一歩を踏み出すには普段の練習からこうしたカバーリングの動きを意識し訓練しておく必要があります。

こういう動きが出来ているか?いないか?で、その選手・チームのカバーリングに対する意識をチェックすることができます。


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