📒声なき声を知る。

本当の声が、表に出てくるとは限らない。ふと、そう感じたのだった。目に見えないものを、少しばかり気に掛ける。それだけで何かが変わるかもしれない。

誰もが簡単に自分の意見を発信できる世の中になった。積極的に活用する人、そうでない人、様々いる。

私は思ったことを、精査しながら発信することが多い。同じく、たくさんの考えを取り入れる機会もある。遠く離れた人々の頭の中を、こんなにも簡単に読むことができることに、ありがたさを覚えている。目に触れるもの、それが全てのようにも思えた。しかし、その考えは間違いだった。

違和感を覚えたのは、あるツイートを読んだ瞬間だった。自分にとって『おかしいだろう』と思う内容であった(しかしもう記憶にすらない)。いちいち食いついたところで、世界が変わるわけでもない。時間を割くのも勿体ないし、反論なんて大人気ない。そう考え、別にいいやと流した。

目に入ったにもかかわらず、スルーした。その事実によって、改めて気がついたのだ。声なき声があるということを。あえて意見をせず、触れることをしない。後押しすることも、否定することもしない。

積極的に発信する人ばかりではない。熱い思いを内に秘めながら、あえて表にださない。そういう人もいる。要するに、世の中には意見をいえる人ばかりではないのだ。それはSNSの世界ではない。普段の生活でもありうることだ。

会議の場でも、その場で意見を伝える人ばかりではない。静観して見て、情報を整理し、別の機会に何らかの形で発言する人もいる(変わることは無いと諦めて発信しない人もいるだろうが)。

お店によくあるお客様の声もこれに近い。不満があったけれど、特に伝える必要は無い。二度と来なければいいのだからと、あえてクレームに繋げない場合もある。

誰もが意見をいえる(いう)人ばかりではない。
声なき声が、世の中には存在する。

これを知るだけでも、周囲にもっと思いやりの気持ちをもてるのではないか。そして、自分の暴走の抑止力にもなるのではないかとも思う。

自分の意見に賞賛の声ばかりで、否定的なコメントがつかなかったらどうだろう。私の意見はやっぱり正しいのだと認識してしまう。もしかしたらそれは、正解かもしれない。しかし、いちいち『指摘』をせず、流す人もいる。見えないものは無いものと同じかもしれない。しかし、あえて口に出さない人間がいることを頭の片隅に入れた方が、謙虚な気持ちを欠くことなく生きられる気がする。

思うことがあるのなら、何かいえよ。

そのように考える人も、一定数いるかもしれない。その気持ちは十分に理解できる。ただ、先ほども説明したように、誰もがそれをできるわけではない。もちろん、いわなければならないシーンもあるだろう。それでもいえない、いわない人が存在する。呆れているかもしれないし、勇気がないだけかもしれない。

声なき声には、悪いことばかりではない。後押ししたいと思っていても、それを伝えられない場合がある。私自身も言おうか言わまいか、何度も悩んだことがある。ただ、その場合は『伝えた方がいい』。言葉は人を救う力をもっているからだ。私は幾度となく、人の言葉に助けられている。

いう、いわないは人の自由。実際に聞こえる声も大切だけれど、声なき声が存在することを、今一度頭の片隅にいれておきたい。

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否定されなきゃ何でもあり。こんなことを思っていた自分もいました。得意げにSNSに書き込むけれど、周りが腹の中でどう思っているかなんて、実際わかりゃしない。

意見をぶつけてくる人もいれば、背中を押してくれる人もいます。でも、その裏に何倍もの『声なき声』がある。ということを理解しておきたいです。

得意げになって、何回も痛い目をみました。反省の意を込めて、自分と向き合っている最中です。十年前の私にいっても、きっと通じやしないと思います。それくらいもっともっと尖っていました。それこそ、自分でもドン引きするくらいです。

見えるものだけが全てじゃない。だからこそ、見えないものも大切にしなきゃ。でも、一番は見えるもの。優先順位って結構難しいけれど、広い視野をもって生きていきたいな。そんな願望も含めて。可視化できれば一番だけど、そんなことばかりじゃないから。遠慮しすぎる必要はないけれど、もっと人に優しくありたい。そんな今日この頃です。