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📸学生野球を撮影する際に気をつけたいこと-バズらせたいという気持ちが、選手の未来を潰す-

自分の母校が桜美林大学であったことをきっかけに、首都リーグを見に行くようになりました。年数を重ね、お世話になるチームも増えていきました。

学生野球を見る(撮る)者として気をつけていること。それは、選手たちの野球人生の邪魔をしないことです。

学生野球は部活動であり、スポーツ興行に分類されません。全日本大学野球連盟の日本学生野球憲章にも、次のような記載があります。

第 1 章 総則
①学生野球は、教育の一環であり、
平和で民主的な人類社会の形成者として必要な資質を備えた人間の育成を目的とする。
③学生野球は、法令を遵守し、健全な社会規範を尊重する。
日本学生野球憲章一部抜粋

学生野球は、教育の一環であることが冒頭に書かれています。野球を通して、人間形成を図るという目的が一目瞭然でわかります。

私が気を付けているのは主に四つです。

  1. 選手に必要以上に話しかけない。

  2. 部活動中の選手の妨げをしない。

  3. 選手の悪ふざけを誘発しない。

  4. 撮影の判断に困ったら相談をし、許可をとる。


選手たちは学内の球場にいます(グラウンドが学内でなくとも学校施設にいることは変わりありません)。私でいえば職場で仕事をしていることと同じです。挨拶を交わすのは当たり前のことですが、それ以上の話はしません。仕事中の私語が良しとされないように、選手たちに長時間話しかけることも好ましくありません。

それは撮影するときも同様です。壮行試合ならまだしも、部活動中に過度なファンサービスは求めません。大学野球が教育の一環で、人間形成を目的としている限り、相応しい行動とはいえないからです。小難しいことを書いても仕方がないので、端的に説明します。


たった一つの『行動』が、
選手の未来を潰す可能性がある。


選手の普段の取り組みや姿勢が、進路に大きく響きます。もちろん多くはプレーや実力で評価されますが、最後は人間性が問われます。社会人野球であれば、会社の名前を背負ってプレーをします。当然、人格や品格は無視できません。だからこそ、撮影する側も気を付けなければならないのです。

選手一人ひとりがしっかり理解していることが望ましいですが、その曖昧なラインをジャッジできない人もいます。これくらいいいだろうという思いが、悪い意味での決め手になる可能性があります。そのリスクを知り、悪ふざけを誘発させない。むしろこちら側が「今その時間ではない」とコントロールできるようにする。それが一番の理想です。自分の行動で選手の未来が閉ざされたら、取り返しがつきません。

公式戦に向けて、真剣勝負のオープン戦の場なら尚更です。試合に集中していないと判断されるような行為は、プロ野球や社会人野球のスカウトの評価を下げ、進路がなくなることも十分あり得ます。観戦側も選手も、このことを心に留めておかなければなりません。


―――


いつ何時も、選手がどんな状況におかれているか考える必要があります。彼らは部活動の最中です。学生であれば授業中であり、会社員であれば仕事中であることとかわりありません。悪ふざけがあったとき、見つからなければいいという考えは見当違いです。リスクが発生することに変わりはありません。ましてや彼らの動作を止めてまで、オフショットと称して撮影するなど言語道断です。反響欲しさに手段を選ばず、先々を考えられない、自己中心的な行動です。

少しくらい良いだろうという気持ちが、大きな失敗に繋がります。授業中に相応しくない行動があれば、先生は注意します。それは仕事でも同じです。業務中に私語が多ければ、上司から叱責されることもあります。その場その場に『相応しい行動か』を常に考えることが重要です。

みんなが成功するように、先々のことを考えられる人間でありたいと日頃から考えています。私利私欲で動くのではなく、人々にどんな影響があるのか想像力を働かせる。選手たちの活動や、夢の妨げにならないことが重要だからです。全ての人たちが素晴らしい進路を切り拓けるよう、私は今後も気を付けていきます。

SNS上ではいいねの数や閲覧数を求めて、奇抜な行動に出る人が多くいます。残念なことに、どんな内容であれ注目を浴びればいいと考える人が増えています。それゆえマナーやルールを守らずに、結果として『選手が困る』事態に発展することがあります。もちろんそれに応じる選手も悪いです。善悪の判別がつかないのですから。

ネットによる弊害でしょうか。考える力や発想力が乏しくなっているように感じます。例え注目を浴びたとして、その先に何があるのでしょうか。自分の気持ち良さより、常に相手を考えられる人間でありたいです。



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