元康が小手を噛んだ本当の意味は?可哀想なところまで頼朝公ソックリw第1回「どうする桶狭間」深掘り【どうする家康】
NHK大河ドラマ『どうする家康』第1回の深掘り感想です。
前回の感想はこちら↓
前回ざっと雑感を書いて、今回は更にディープに、みたいなことをやっていきたいと思うんですが。やっぱり古沢良太作品って、ドラマとしてわかりやすいのもあって、正直、1回見たらもうよくない??みたいな部分も感じてました。ところが……2回目でまた新たに見えてくるものもありましたわ。ほんとゴメンナサイ。古沢ドラマファンの皆様、石投げないで……。
特に大河ドラマですからね。ドラマを見る前にわりと前提知識みたいなのも大事だったりして、それを知らないとスルーしちゃうところもあったりするので。それも今後は補足できればなーとか思ったりしてます。
まぁ、今回限りになるかもわかりませんがねっ(キリッ
(※以下、ネタバレ注意)
震えながら小手を2度噛む元康(家康)。怖いからではなく、瀬名に逢いたかったからか
まず2回目見て「これに気付いた!」って一番言いたいのが、元康(松本潤)が震えながら小手を“噛む”シーンですね。ガブッと噛んでるというより、ちょっと口元に近づけて「ん?噛んでる?赤ちゃんみたいに咥えてる?」のか、ちょっと曖昧な感じで映してはいますが。
このシーンがドラマの中で、少なくとも2回は出てきたことを皆さんお気づきでしょうか。
1回目は丸根砦攻略前。
2回目は今川義元(野村萬斎)の討ち死に後に、大高城の倉庫みたいなところに隠れているとき。
(さらに加えて言えば、逃げ出した大高城に連れ戻され、織田信長(岡田准一)が向かってきているという知らせを受け取ったときも手をガタガタ震わせていました。家臣の一同が「どうする⁉︎」とやかましく言うのでその手で耳を塞いでいましたが、もし「どうする⁉︎」がなければ、おそらくここでも咥えていたことでしょう)
いずれも「怖い!」って怯えているシーン。人は強烈なストレスを感じた時に耳を触ったりだとか指を噛んだりするだとかよく聞きます。赤ちゃんが指をチュパチュパしたら泣き止むみたいなやつですね。
今回の主人公、いくらビビリ設定だからって、こんな幼児退行させんの?痛々しい……とか正直思わんこともなかったんですけど。これもそう読み解くのはまだまだ鑑賞が甘い証拠。
2回目見たときに気付いたのが、出陣前に妻の瀬名(有村架純)が、元康の小手にそっと口づけをしているんですよ。で、さらに丸根城攻略前、怯えていることを家臣の酒井忠次(大森南朋)から指摘されるわけですが。そこで忠次は恐怖を和らげるために「ここだけの話ですぞ。妻の柔らかい肌を思い浮かべまする。あれほど落ち着くものはござらん」とか言う……(って、あのセリフも結構キワドかったなw脚本としても言い方としても何気にめちゃめちゃバランスに気を遣うところですよ。エロオヤジ過ぎてもいけないですし)。
そこで元康も瀬名の柔肌を思い出したかどうかは知りませんが……少なくとも、小手への接吻を思い出したと。そのシーンが挿入されてるんですよ。
つまり恐怖を感じている場面で、元康は瀬名に間接キッス……もとい、あれは「逢いたい、瀬名に逢いたい!」って気持ちを表現してたんですね。それがわかると、すごく泣けてきて辛い。
国を背負わされるなんて重すぎィw源頼朝を彷彿とさせる生い立ちも泣ける
そもそも元康よ。その境遇が辛すぎません?両親も死んで、自分は今川の城主に人質として捕らえられて。まぁ、ドラマ内では人質ながらもだいぶ可愛がられてる感じで描かれてましたけど。
それでも家臣たちの期待がヤバすぎるっていうね。故郷に帰ったら、もう知らんやつがいっぱい「殿!殿~!」なんて寄ってくる。「覚えていませんか?」「すまん……」ってなるよそりゃ。だからって、そこまでガッカリしないでよ夏目広次(甲本雅裕)!
そんな、故郷でイヤ~な思いして帰ってきて、瀬名と元康の会話が……「凄く重い物を担がされました」「岩とか大木とか?」「国でござる」「重そう」と(この「重そう」ってセリフ言った時の瀬名の顔が最高でしたね……『コンフィデンスマンJP』のダー子ちゃんばりの顔芸。「心底嫌そう」って感じが出てましたw)。
しかも、瀬名と遊んでるところを大人に見られると「人質の分際でうちの姫に手を出して!」みたいな感じで引き裂かれようとしてしまいます。まるでロミジュリじゃん。なにわ男子『初心LOVE』じゃん。違うか。違うな。
まぁこの後で、今川義元が愛のキューピットみたいな感じで2人をくっつけてくれるから「優しい世界!!!」って感じましたけど。たぶん他の脚本家だったらもっとドロドロに描いてるぜ。今川氏真(溝端淳平)との3角関係だってヤバイことになってたぜ。
でも何か……今川義元が立派な方として描かれてるからまだ救いはあるんですけど、もしトップにいるのが『鎌倉殿の13人』の伊藤祐親みたいな頑固ジジィだったらそれこそ源頼朝と同じ境遇になりますね。命狙われちゃいますね。
少なくとも、だいぶ「あれっ、この境遇って、なんか頼朝と似てるな」ってところは所々感じさせられるような構成にはなってたと思うんですよ。だから酒井忠次が「一目見たとき、源頼朝公が天から降ってこられたかと思いましたぞ!」なんて言ったのは、SNSで「『鎌倉殿の13人』へのアンサーだ」だとかいろいろ言われてましたけど、実際に似ていたわけだからもうしょうがないんですよね。ただし「立派なところが」だけじゃなくて、「可哀想なところも」です。
1話で死ぬけど今川義元ロス起きていい。信長の恐怖を引き立たせるための功労者すぎる……
で、もうだいぶ触れてますけど、やっぱり今川義元ってキャラが偉大な感じで描かれてるのがいいんです。あんな人がトップだったら心強い。たしかにヘーコラさせられて、国の年貢もどんどん持ってかれてるわけですから、あいつのせいで三河は貧乏ってところもあるわけですけれども。少なくとも惨めさを感じてるのは大人たちだけで、元康自身は特に不自由していない。まじで偉大だったんですよ義元。
そんな義元がですよ……あっけなく殺されちゃうんですよ!あの信長に!このときの絶望感も改めて考えるとヤバイんです。それをヤッてのけた信長というキャラの恐ろしさも引き立つというね。元々、ヤツは幼いころからジャイアンみたいに元康(※当時は竹千代)をイジメてた的な回想が第1回の中でもチラッと差し込まれてましたけど。そんなあいつが大人になって、義元の首を槍にぶら下げて、「俺の白兎……食ってやろうか……」ジャネーわwwwww
もうすでにPixiv辞典にも載るくらい「乙女ゲーだ乙女ゲーだ」とバズりまくって製作陣もしめしめだと思いますけど、改めて考えて「食ってやろうか」はマジでビビります。頭おかしいんだってアイツ!!
1回目見た時も恐怖ではありましたけど、もうダメやろ……第1回にしてヤッス終わったやろみたいに感じたところで2周目見ると、より元康に感情移入しちゃうんですよ。
ああ、この回のラスト、あんな恐怖で終わったのに、改めてもう1回最初から観たら、未来では乱世を治めたヒーローみたいな感じで語られてるよ……ってことは無事、桶狭間での地獄は乗り切れたのね??オープニングの映像もこんなに華やかだしさぁ……ってか、うわ、なんで??オープニング見てるだけで俺、涙が止まらないんだけどwwwwみたいなことになりましたね……。
締め:より感情移入して見れるのにも2周目はおススメ
……ということで結構つらつら書いてみましたが。やっぱり、キャラクターに感情移入できると物語って2倍も3倍も楽しめるのなぁと改めて感じました。そういう意味でも2周目視聴はおススメかもしれません。
そしてこれ書いてるうちにもうだいぶ時間も削れちゃったよ(汗)次回も書くかはアクセス数とモチベーション次第だと思います……。気に入った方は「いいね」や「シェア」、ぜひよろしくお願いいたしますね。
……って、なんか初めてYoutuberみたいな締め方したな。いい締めの言葉が思いつかなくてすんません……。
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