クリエイターエコノミーと、クリエイター・企業・社会の理解度のギャップ
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クリエイターエコノミーと、クリエイター・企業・社会の理解度のギャップ

・企業や社会全体がクリエイターやそのニーズを理解するにはギャップがある
・クリエイターが長く活躍するためには、「Creator-Market Fit」の3つの柱の能力が必要です
・YouTuberなどのクリエイターは、魅力的で簡単だと勘違いされており、その難しい部分がクリエイターエコノミーを牽引するようになる

最近、「クリエイター」という言葉をよく耳にします。パーソナルブランドを成長させることに注力し、自分が大切にしているものを中心にビジネスを構築する人が増えています。また、NFT(non-fungible token、非代替性トークン)が流行しており、企業は自らのコミュニケーション能力を高める方法を模索しています。

インターネットによってメディアが分散化されて、結果はクリエイターがコンテンツを作って個人的メディア・ブランドになったことです。

この「クリエイターエコノミー」は拡大の一途をたどっています。

新しいツール、プラットフォーム、マーケットプレイスが次々と生まれています。そのほとんどが2つの分野に焦点を当てています。

① ディストリビューション
例:TikTok(SNS)、Substack(ブログのようなメルマガ配信プラットフォーム)、ConvertKit(クリエイター向けのeメール マーケティングのプラットフォーム)

② マネタイズ機能
例:Patreon(クリエイター向け有料会員サービス)、Ko-fi(チップと寄付のプラットフォーム)、Geniuslink(ローカライズされたアフィリエイトリンクのサービス)

エージェンシーでマーケティングの仕事をするし、自らもクリエイターとして活動している僕は、クリエイターとは何か、何を必要としているのかについて、多くの人が少し誤解しているのではないかと考えていました。

説明してみます。

Creator-Market Fit

この「Creator-Market Fit」は、クリエイターのビジネス面を教育しているJustin Moore氏がシェアしたものです。

彼は、クリエイターが長期的な成功を収めるためには、3つの柱のバランスが必要だと述べています:心理的強度、財務力、アルゴリズムを理解する力です。

ほとんどのクリエイターは、3つの柱のうち2つしか能力を持っていません。下の図にあるように、2つの柱のコンボは、クリエイターがどの2つを持っているかによって、ある種の弱点があります。

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・心理的強度 - 自信を持つこと、インポスター症候群を避けること、ネガティブなフィードバックをはねのけることなど

・財務力 - クリエイターとして生きていくためのマネタイズ力とサポート力

・アルゴリズムを理解する力 - 様々なプラットフォーム、人々の注目度の変化、アルゴリズムの変化を理解する能力

これまでのところ、クリエイターは精神的に強く、プラットフォーム上のアルゴリズムに敏感であると考えられているため、多くのクリエイターエコノミーのスタートアップでは、収益化サービスの開発に焦点が当てられています。

でもこの仮定は必ずしも間違っていません。多くのクリエイター、特に早くから活動を始めた人たちは、比較的それらの分野に強い可能性が高く、だからこそ、従来の社会の考え方に反したキャリアをスタートさせ、視聴者を増やし、ある程度の成功を収めることができたのだと思います。

それは良いことですが、Moore氏が説明するように、他の分野でのサポートが不足しており、このままでは多くのクリエイターがキャリアの低下や燃え尽き症候群に陥る可能性があります。[]

さらに、魅力的になっているので、クリエイターを目指す人が増えていくでしょう。それは現在の起業家精神のトレンドに似ています。実際には向いていないかもしれないのに、「シャイニーオブジェクト症候群」になって、それに群がる人が出てくる。

その理由の一つは、多くの人がクリエイターとして成功するために必要なことを理解していないからだと思います。

クリエイターとして成功するためには、様々な課題があります。

この種の質問やコメントは、Quoraのような公開フォーラムで見えます。クリエイターやインフルエンサーはカメラの前でポーズをとる以外に何もしないと思っている人もいれば、「美人じゃないのにインフルエンサーになれるのか」という人もいます。

クリエイターは簡単な仕事だと思われがちですが、実は非常に難しい仕事です。

僕自身、InstagramやYouTubeやTikTokなどのために、さまざまなプラットフォームで写真や動画を撮影しているので、控えめに言っても圧倒されることがあるのは理解できます。

成功するためには、まず人はバランスをとる必要があります。起業家/ベンチャーキャピタリストのLi Jin氏は、彼女なりの「Creator-Market Fit」を考え出し、クリエイターは「ABC」に対応する必要があると述べています。[]

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・(A) オーディエンス - 誰のためのコンテンツで、彼らはそれを欲しいなのか?

・(B) ビジネスモデル - 持続可能なビジネスであるか?

・(C) コンテンツ作り - こんなコンテンツを作ることは楽しいか、充実しているか?

実際、クリエイターは一人でメディア会社や制作スタジオ、事業戦略コンサルタントをしていることが多いのです。

大多数のクリエイターは、少なくとも人を雇えるようになるまでは、すべて自分でやっています。

例えば、一般的なYouTubeクリエイターができなければならないことは以下の通りです。

・トレンドやトピックを把握し、それに沿った、あるいは独自のアイデアに基づいた動画を企画することができる
・YouTubeの機能、YouTube Studioの使い方、ベストプラクティスを理解している
・一貫して動画を撮影・編集し、時には動画の中で効果的に発言したり、カメラに映ったりすることができる
・コメントに反応し、他の人々を巻き込むことができる
・動画のパフォーマンスを分析し、最適化を計画し、実行することができる
・必要に応じて、広告プラットフォームの使用方法やキャンペーンの実施方法を知っている
・人と出会ったり、コラボレーションの可能性の調査、他のクリエイターやビジネスへのアプローチ、交渉の方法を知っている
・挫折、競争、ネガティブな判断、ネット上の人々からのフィードバックにもかかわらず、これらを一貫して行う精神的な強さを維持することができる

それに加えて、他のソーシャルネットワークでのアカウント管理や、コミュニティの構築、マネタイズなども考慮しなければなりません。

それは見た目以上に大変なことで、もちろんクリエイターにも負担がかかります。

実際の仕事の大変さに加えて、精神的な消耗がありますが、これは一般の人々には十分に理解されておらず、クリエイターエコノミーの中で企業もまだ注目していません。

経済的な面だけでなく、心理的な柱でのニーズも高まっています。

クリエイターエコノミーの次の展開は何でしょうか?

これまでに読んだものや私が感じたことをもとに、いくつかの可能性を考えてみました。

1. これからもたくさんのクリエイターが誕生していくでしょう

クリエイターになることは、多くの人にとって魅力的なキャリアオプションです。アルファ世代の子供たちの多くはYouTuberになりたいと思っています。

アメリカやイギリスなどの国でも同じような状況です。[]

正当なキャリアとして社会に受け入れられるようになり、新しいツールが開発されれば、より多くの人がなろうとするでしょうと述べています。

前のブログで、アメリカで全米規模のD2Cハンバーガーチェーンを立ち上げたインフルエンサーの話をしましたが、どんどん多くの人は、自分の認知度を高めることは自分たちに機会を生み出すことだと理解しています。機会は誰もが望んでいることです。

NFTは、今ではデジタルアートのイメージが強いですが、実際には、より正確にクレジットを付与し、クリエイターに支払いを届けることができるので、クリエイティブ系の仕事をするため、実現性が高まります。

最近のニュースでは、失業率が高いにもかかわらず、アメリカでは企業が人材を確保できないと言われていますが、このような方向に向かっていることを示しています。[]

コロナのおかげで、人々は自分の人生とその生き方を再考するようになりました。

そして、ギグエコノミー、パッションエコノミー、クリエイターエコノミーといった「新時代の」キャリアの選択肢があれば、ますます多くの人が、ただの仲介人として運営され、薄いビジョンを持ち、従業員を人間ではないかのように扱う契約をしている会社で働くことをやめるでしょう。

2. クリエイターエコノミーのスタートアップは今より心理的な柱で成長する

クリエイターエコノミーのスタートアップ企業は、ディストリビューション、マネタイズ、ファイナンスに重点を置いているため、心理的な柱はほとんど開発されていません。これはクリエイターと競争の両方が増えれば変わるでしょう。

メンタルヘルスやその上のビヘイビアヘルス(行動主義心理)は、現在すでに急成長している分野ですから、特にクリエイターの心理的な幸福に焦点を当てたサービスが登場してくると考えていいでしょう。

3. 次世代のクリエイターへの経済的支援が生まれる

暗号通貨やDeFi(decentralized finance、分散型金融)、NFT市場などの分野は今後も成長していくでしょうし、クリエイターを支援するサービスも増えていくでしょう。

Collectiveのような会社は、個人事業主のバックオフィスとしてすでに存在しており、財務や契約、法的問題などをサポートしています。今後も同様の企業が登場し、クリエイターの活動を支援していくことでしょう。

また、クリエイターにどんどん大きな影響を与える社会階層の分断への対応も必要になってくるでしょう。

クリエイターの大半は、経済的に安定した側にいる傾向があり、それゆえにリスクを取ってでもクリエイターになることができると思うのです。

南デンマーク大学の経済学教授であるKarol Jan Borowiecki氏は、「家族が裕福であったら、キャリアが計画通りに進まなければ、その経済的な安全に頼ることができるという仮説が成り立つ」と述べています。[]

実際に頑張ってクリエイターになろうとする人たちのバランスはすでに崩れていて、経済的に苦しい人たちには不利な状況になっています。

さらに、色んなクリエイターファンドやPearpopのような新進気鋭のプラットフォームでは、TikTokのインフルエンサーやセレブとの共有スクリーンタイムを得るために入札やチャレンジに参加することができますが、彼らは目立つことができるため、主に最大かつ最高のクリエイターに利益をもたらす傾向があります。

そのため、数人のオピニオンリーダーたちは、UCI(Universal Creator Income、クリエーター用なベーシックインカム)について話しています。これは、必然的に大きくなるであろうクリエイターの中間・下層階級に対応するものです。しかし、この話は別の機会に紹介したいと思いますし、私自身もまだ本気で取り組んでいないことです。

非常に興味深い時代だと思います。クリエイター、インフルエンサー、パーソナルブランディングなどの話をしたら、今はまだ初期の段階気がしますね。

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個人ウェブサイト:クリエイターエコノミーと、クリエイター・企業・社会の理解度のギャップ

英語:The Creator Economy and the Comprehension Gap

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