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夢を見る人というのは、現実が見えないかわりに悠久の時を遊ぶことができる

日曜日の朝、いかがお過ごしですか?私の住む田舎町周辺でワクチン接種が始まりました。隣町に住む夫の母がこれから接種するというので、夫が付き添いに出かけました。わずかな一人時間を楽しめそうです。

さて、中村文則さんの長編を読み終わり少し休んだところで、夜借りてきていた高樹のぶ子さんの短編集を読みました。

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登場する作家が生まれた頃から慣れ親しみ、今も所有している一つの火鉢に、有為転変の来歴を与える 「旅する火鉢」「深紅よりもっと鮮やかな朱赤」と描写される椅子をモチーフにした 「ポンペイアンレッド」オーロラ見物と白夜体験のためにアラスカを訪ねた主人公が、「ウルフとラッパー」と名乗る謎めいた人物と出会い、極地の真実を解き明かしていく 「夢の罠」作家を思わせる語り手の女性が、人生の折々に鮮烈に現われたトマトとの関わりを追想する表題作 「私が愛したトマト」など、未発表作品2点を含む全11篇を収録。(Amazon内容紹介)

Amazon内容紹介にもありますが、収められている作品は次のとおりです。

旅する火鉢

夢の罠
散歩
ポンペイアンレッド
私が愛したトマト
蜂蜜とバッタ
蚕起食桑
タンパク
翔の魔法
かぐや姫      

私が好きだったのは、「旅する火鉢」でした。実は私の実家にも火鉢があり、それは父が父の実家にあったものを祖父母が亡くなり、伯父から遺産分けの一つとしてもらったものだということでした。

私が物心つく頃にはすでにコタツという暖房があり、火鉢で暖をとることはありませんでした。きっと私の父も作品の主人公の祖父と同じように描いてあった絵柄が好きだったに違いありません。

いのちを持たないいのち。生命体とは別のいのちが、確かにここにありそうな。p6
夢を見る人というのは、現実が見えないかわりに悠久の時を遊ぶことができる。p12
そこに今在るものを大切にしなさい。在るものは在る。けれど今在るものは明日には壊れて消えるかもしれないんだからな。p32

読みながら亡き父を思い出させてくれた素敵な作品でした。

そのほかも思いがけない展開や、ものに対する不思議な感覚を描いた作品が収められていました。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日という1日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。

昨日のnoteはこちら↓

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