貝に続く場所にて
第64回群像新人文学賞を受賞してデビュー、第165回芥川賞受賞もされたこの作品を読みました。
まず読み終えて、とても不思議な感触を感じました。
ドイツのゲッテンゲンに住む主人公が、街での地震に対する感じ方の違いを上手く表現しています。
ドイツの街を歩く度に思い至るのが、地面への鮮やかなまでの信頼感だった。p37
地震が言葉の領域から出てこない場所の人たちにとって、私が離れた土地の感覚を持ち続けていることは、単に奇妙の一言で片づけられることなのかもしれない。p41
そして3.11を経験した主人公は、今あの大地震をこう伝えています。
映像だけが記憶になるのではない。身体のひとつひとつの部位が記憶を蓄え、それを静かに抱え込む。p60
未だ行方不明のままの友人と記憶の中で向き合い、祈りを捧げる厳かな作品でした。
コロナ禍が影を落とす異国の街に、9年前の光景が重なり合う。ドイツの学術都市に暮らす私の元に、震災で行方不明になったはずの友人が現れる。人と場所の記憶に向かい合い、静謐な祈りを込めて描く鎮魂の物語。(Amazon内容紹介)
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