見出し画像

寺地はるな著「ガラスの海を渡る舟」

読書熱が再び湧き上がってきて、昨夜司書さんお薦めの本2冊目を読み終えました。

画像1

ガラス職人であった祖父の園光利が残したガラス工房をガラス工房「SONO」として引き継ぎ、お互いが相容れない道と羽衣子兄妹が過ごした10年間が丁寧に描かれた作品です。

作中の相手を思いやる言葉や行動にハッとさせられることが多く、特に主人公である兄の道と妹の羽衣子の言葉にドキッとしました。

「羽衣子にとっての『特別』とか『ふつう』は、ただひとりの特別な人間と、同じようなその大勢の人ってことなんかもしれん。けど、ぼくにとってはひとりひとりが違う状態が『ふつう』なんや。羽衣子はこの世にひとりしかおらんのやから、どこにでもおるわけがない」道p118
「忘れたくないことを忘れないように、お家に置いとくんやな、みんな。大事な人の骨を」羽衣子p128
「世に中には、他人の気持ちがよくわかって、そのうえで人を傷つけるようなことをしてきたり、利用したりする人だっておるんや、たくさん」
「そういう人よりずっと良い人ちゃうんかな、お兄ちゃんは」羽衣子p200

作品を通して、著者の人間としての温かさや優しさを感じました。肌寒いこの季節にピッタリの本、お薦めです。

大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。
兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、「みんな」に協調したり、他人の気持ちに共感したりすることができない。妹の羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。
そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というもので――。(Amazon内容紹介)

#シニア #いなか暮らし #つぶやき #毎日note #毎日更新 #寺地はるな #PHP研究所 #読書感想文 #本のある暮らし #読書好きな人と繋がりたい #시골생활 #주부야키 #독서 #고맙습니다 #canva #読書の秋2021

この記事が参加している募集

いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。