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ショッピングは旅行になる。POPAPのこれまでと未来、それは共帆者を探す旅。

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物事のはじまりはいつも奇妙だ。

あの日を鮮明に記憶している。翼(POPAP代表:加藤翼)が共有したリンクをクリックした次の瞬間、ホワイトのキャンパスにパリっとロゴがデザインされたWebページが瞳に広がったあの日を。

前触れはあった。何度かPOP-UPの可能性について話してきたし、これまで進めてきた事業の延長戦上でもあったから。

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あなたも「これはいける!」と感じた瞬間がないだろうか。一夜にして誕生したメディア「POPAP」が目に入った瞬間、何よりも直感的に「これはいける!」と確信した。その瞬間に飢えていた私はすぐにPOPAPの共帆者になるとともに、ひとりのPOPAPファンになった。(共帆:代表の翼が作り出した言葉。帆を進めるように、共にものごとを進める...くらいの意味)

志は轍の上に

直感と言ってしまったが、無意識に市場への展開性や価値創出…コアコンピタンスの要件を紐付けていたかもしれない。わたしたちは、これまでライフスタイル、アートの分野でサービス・メディア展開を試みてきた。世界観重視...この潮流の中、ライフスタイルとアートを混在させる挑戦である。例を挙げるとすれば、ひとり暮らしの女性の部屋にアートが佇むためには、日常生活の中にアートを見せる必要があると考えてきた。そして「アートという概念あるいはその作品が増えていくことで、世界観のイロドリも増えていくだろう」そんな仮説があった。

POPAPでフードやファッションのカテゴリーも設定されているが、世界観が重視される世界において他のカテゴリーはライフスタイルと同一視されていく。ライフスタイルとアートの融合を進めていく中で、メディアの中でもカテゴリーの再編が進むかもしれない。実際には再編が進むかわからない。それでも、志を紡ぎつつPOPAPは進化していく。

2019.6.2にサイトが公開され、2019.6.12で2000人のフォロワーにまで成長。急ピッチで進む準備の中、デザインと市場での立ち位置だけで、POPAPの未来が見えた。

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メディアの立ち位置が絶妙だった

すでにポップアップ業界ではスペース提供のプラットフォームがあり、スペースの貸主と借手を繋いでいた。他にも多くのプレイヤーが市場を支えてきた。しかし、まだ価値を最大化できていないコミュニティ、コネクション、ポップアップに参加したくてもできないブランドやクリエイター。まさしく可能性に溢れたマーケットだと思った。

メディアという立ち位置を選択することにより競合を位置付けることなく、業界に関わる方々ならびに業界に関わる可能性のある方々と一緒に
ポップアップを盛り上げるという一点に集中することができたのだ。

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POPAPは、2019年12月1日に300人を集客したマーケットイベント「POP-UP NOW」を開催。ファッション(アクセサリー)、アート、フード領域の合計32のブランド・クリエイターの皆様にご協力いただいた。これまでの常識にとらわれることなく、参加者とブランド・クリエイターの双方の満足感を高めるにはどうしたらいいか徹底的に考え抜いた。

個人的にイベントの運営したり、出店した経験もあったが、マーケットイベントの運営は、はじめて。POPAPのチームとして完璧を目指してた。こだわるがあまり、結局準備は前日の夜まで。文化祭前夜そのもの。それでも、トークセッション、ブランドツアー、スタンプラリー、レターそれぞれの試みに対して一定の評価をいただき、ブランドやクリエイターを支援するPOPAPが次にすべきことがはっきりした。

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続く、ポップアップ業界新年会、Makuakeの目標額達成を出発点としたブランドの学校設立、メディアから出発したPOPAPはポップアップ業界を盛り上げるという一点に集中し続ける。

個人としては1ヶ月あたり60近いポップアップを周った。毎週のポップアップ情報を調査しオススメとしてまとめると同時に、取り上げたオススメを含め集中的にフィールドワークを重ねることで、消費者視点でもポップアップを捉えることができたのではないかと思う。また、いくつかのショッピングプラットフォームでのブランドの立ち上げ・いくつかの立場で運用にも挑戦し、ジャニーの中でオンラインとポップアップがどのように介在すべきか検討した。定量的なポップアップ情報と定性的な体験・経験をPOPAPメディアでどのように昇華できるか考えるように。

業界を盛り上げることに集中したことにより、POPAPができること・すべきことの仮説&検証が一気に進んだ格好。
まさに、メディアの立ち位置が絶妙だったと思う。


旅をするようにショッピングする人が増えていく

現在の情勢で、ポップアップでよく目にしてきた三密の光景は忌避されるものとなった。今一度考えてみると、ポップアップがポップアップたらしめる性質は、三密だけではない。消費者の視点に立ち、特別な空間、特別な時間、特別な商品、消費者にとって体験が何を磨くか考える。ジャーニーにおいて、ポップアップが果たすべき役割を真摯に見つめ、集合型イベントの前提を取り払った体験設計が進めば、消費者・出店者にとってより積極的な選択肢になるはずだ。

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ポップアップ出店は投資のリスクをおさえつつ、認知拡大、市場テスト、コアファンとのエンゲージ強化といった恩恵を受ける手段である。不確定な状況で短期間の投資ができる手段なのだ。

ポップアップはオンライン(デジタル)との親和性も高い。ポップアップはその場限りの体験を売りにしているが、逆説的にはその場を超えたつながりが別空間になってしまう。ウェブルーミング、ショールーミングのような消費者行動が加速していく中、常に商品を並べておくことが非合理的なケースが増えていく。しかしオンラインの形式が浸透した昨今、様々な形でオンラインで関与可能な消費者が確実に増えている。ストア、SNSといった既存の手段以外に、より関与度合いを高められるコミュニケーションツールを介したコミュニティ化も視野に入っていく。

これまでの小売がポップアップに置き換えられるとまでは思ってない。
デジタルの浸透は、タッチポイントが増やしただけであり、店舗の存在意義を再定義できるのであれば、残すべきである。一定の成功を収めたブランドという条件も加わるかもしれないが、リアル店舗で見込み客にリードする方がコスパが良いケースもある。

いずれにしても、デジタルトランスフーメーションと結果としての民主化、そしてストーリーテリングの偏重はポップアップにとって追い風だ。民主化によりポップアップを始めやすくなり、デジタルがポップアップのストーリーテリングを強化してくれる。出店するブランド・クリエイターにとって、不確定な状況でより一層積極的な選択肢になっていく。言い換えると、ポップアップは可能性を実現してくれる選択肢。非日常を求めるユーザはポップアップをコト化してくれる、そして一部のユーザは拡散するに連れてコアユーザーに成長していく。こうやって旅をするようにショッピングするユーザは増え続けるはずだ。旅するユーザが増えていく状況で、ポップアップ業界が創る未来は明るい。

ポップアップの未来は共帆者を探す旅。

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個人的な見解になるが、POPAPの果たすべき役割は公園だと思う。先ほど述べたようにポップアップの前提では民主化が進んでいる(変化が倍加しているかもしれない)。POPAPは民主化された公園(Public Park)、すなわち多目的かつ自由のためのプラットフォーム提供し、ポップアップにおける民主化の加速を目指すべきなのではないか。メディアとして開始することにより一定の成功を収めた。この中立的な立場を維持しつつ連帯を促すことで、ブランドやクリエイターの権利や自由意志を支援するプラットフォームになっていくことを願っている。ポップアップ業界に参加するプレイヤーの多様化は、業界の利益になるはずだ。

多くの可能性に溢れた世界と、それが受容される社会。
それはポップアップで表現できる。

アートとライフスタイルの融合に始まったPOPAP。ポップアップ業界、ブランドやクリエイター、そして何よりわたしたちが目指す社会の可能性を信じて旅をする。可能性に溢れた社会を一緒に作れるブランド、クリエイター、仲間を探す旅。

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