ブルックナーの合唱曲の魅力-ブルックナーのAve Maria
ブルックナーは、今でこそ交響曲作曲家として知られているが、生前は多かれ少なかれ「交響曲の制作に(大変失礼ながら無謀にも)挑戦するオルガニストないし教会音楽家」として認知されていたに過ぎない。
晩年に至ってようやく一部の交響曲作品が(友人や弟子たちの心尽くしの、あるいは行き過ぎた支援介入改ざんによって)聴衆に受け入れられていったが、ブルックナーの(オリジナルの)交響曲の全体像は、作曲者自身の死を迎えてなお依然として不明瞭なままであった。
本人の死から三十年ほど経過した1