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ジョージアの誘拐結婚(世界の奇妙な風習)

誘拐して無理やり結婚

皆さんは「誘拐結婚」という風習をご存知だろうか?

 男性が結婚をしたい女性を誘拐・監禁し、結婚を迫るというものだ。日本に住む私たちから見れば、犯罪以外の何者でもないが、実はこのような風習は、かつて世界各地に存在しており、今でもジョージア北部(コーカサス地方)やキルギスの山奥の村、などでは実際に行われている。

ジョージア北部、ロシアとの国境付近

実際どのように行う?

 男性が素敵な女性をどこかで見かけたとする。女性側は相手を知らないが、男性の一方的な思いは徐々に高まり、ある日「誘拐結婚」を決意。男性は友人に協力を求め、誘拐の計画を立てる。女性が外出した時を見計らって誘拐を決行。車などに乗せられ、連れ攫われた女性は、男の家に一晩監禁され、結婚への承諾を迫られる。拒否し続ければ家に帰してもらえることもあるが、帰してもらえたとしても男性は罰せられず(現在は法律上は誘拐と同じ罪となるが、黙認されている場合もあるという)、再び女性を誘拐する。

 ある女性は4回誘拐された後、仕方なく結婚を受け入れることにした。というのも、4回誘拐されたことは村中に知れ渡り、その女性がすでに処女ではないということが公然の事実となった。その屈辱を受けたことが、彼女の逃げる気力を削いだのだ。

↓誘拐の様子(閲覧注意)

根絶には時間がかかる

 昔からこのような誘拐婚の風習がある地域では、自分の親や先祖たちも誘拐婚で結婚をしたという人も多く、結婚後に仲良く暮らす夫婦も多いそうだ。しかし、女性が男性を好きになれない場合は、結婚生活はまさに地獄となる。絶えず喧嘩や家庭内暴力が続き、多くの場合、女性は家の中で奴隷のような生活を強いられるという。

 もちろん、現在では世界中の人権団体から非難を受け、被害は少なくなってきてはいるそうだが、これらの地域においては、数百年続いた風習・文化であり、普通の事として受け入れている人も多いため、完全になくすには至ってないというのが現状だ。。。

2020年に起きた事件

ジョージアのニュースサイトによると、2020年に当時17歳の少年と19歳の少年が誘拐結婚目的で16歳の少女を拉致監禁し、逮捕された事件が報道されている。少女は無傷で帰されたとのことだが、この記事は今でも誘拐結婚が存在することを裏付ける内容であり、誘拐結婚を望んだ加害者側の年齢の若さにも驚かされる。

グルジア語で書かれたニュース記事。画像をクリックすると「NEWS.On.ge」のサイトへ飛び、Google翻訳を使って読むことができる。

キルギスの誘拐結婚

私が誘拐結婚を初めて知ったのは、TBSの『クレイジージャーニー』というテレビ番組でした。林典子さんというフォトジャーナリストの方が、誘拐結婚の行われている村に長期滞在し、実態を調査するとともに、人々の本音を聞き出していたのが印象的でした。その土地のタブーに自らどっぷり入り込んで、困難な取材を行われた林典子さんの正義感と行動力には敬服致します。その林典子さんは『キルギスの誘拐結婚』という本を出版されているので、興味のある方はぜひ読んでみて下さい。

衝撃的な写真がたくさん掲載されています


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