見出し画像

【サラリーマンの私が大事にしている10の事】読書(実行力-橋本徹さん著)

元大阪府知事/市長の橋下徹さん著作の本です。

 大阪府知事/市長時代に大阪都構想を実行する上でどの様な手法を用いて役所を動かしてきたのか、事例毎に個別具体的に書かれています。

 自身としては、この当時に大阪に住んでいましたので、何か過激なことやっているのかな、よく役所と喧嘩しているな、といったメディア情報のみのイメージでしたが、この本を読んで180度イメージが変わりました。

 橋下さんは頭良いだけでなく、題名通り「実行力」が半端でないです。
 私自身も思い立ったが吉日、と思って実践することをモットーにしていますが、お役所仕事の役人に他人に実行させるための方法としてとても参考になりました。

画像1

どうやって役人を動かしていったのかの経緯が序盤でしたが、私は終盤に記載されていた以下の史実が興味深かったです。

1. 大阪市と大阪府の対立

明治時代の名残で大阪市役所は大阪市を、大阪府庁は大阪市以外の市の担当となっていました。大阪市と大阪府が横並びでこの対立が常にありました。

2.東京はなぜ対立がないか

東京は都が23区の上にあるという縦構造ができあがり法整備も過去にされていたためこの対立はないです。しかし、大阪はこの問題が依然としてありました。

3. 大阪都構想とは

東京都庁が管理できている上下関係を例に大阪も府が市をみる、上下関係にして風通し良く仕事を進めようメスを入れたのが、橋下さんでした。

 基本的に他人を変えることはできません。しかし組織の人事など組織論をかざして他人に動いてもらう、そのナレッジが記載されていて、組織のトップで人を動かすことにフューチャーされています。

4. 実行プランの重要性

英国のブレクレジット(EU離脱)がなぜ失敗しているかを例にとり、具体的な実行プランなくして投票による都構想の成功はない、と言い切っています。
 確かに英国は世論で国民投票を行なって、まさか離脱派が勝つと思わず、結果として実行プランなしでいまバタバタしています。国がバタバタしているって今英国人はどんな心境なのでしょうか。
 英国は大英帝国の印象でプライド高く離脱しても大丈夫、の認識で離脱後にまたバタバタする、のかなと勝手に思慮しています。
 実際に橋本さんは都構想では、具体的な実行プランを作成してから投票を行なっていました。

5. 実良例

大阪城公園をレッドブル主催のスケボー大会の会場に使用し、成功した大阪の資源有効活用の好例です。
 大阪城公園の管轄は府で主催側は市の管轄のため分断されたままでは成功できません。
 そして何より大阪城公園の下には江戸時代に埋められた秀吉が建てた本当の大阪城が埋められています。
(この話が印象的で、大阪城が埋まっていること知らず、大阪出身の人に聞いたら、当たり前やろ、と怒られましたww)
 この意識が根付いているためここの上でイベントするとはけしからん、という反対派が多数のスタートでした。ここから市と府が協力して開催にこぎつけ大観衆を集め成功するまでの話が記載されています。大阪に住んだことが少しある私でも感動的な話でした。

6. 最大の相乗効果

大阪万博の誘致成功です。府と市が協力してなければできなかった最大の例として記載されています。
 さらに今はIRカジノ誘致に向けても市と府が協力して実施に向けた活動を続けています。

※2020/9現在、2020年11月に大阪都構想の2度目の住民投票の実施が予定されています。
 ここで都構想が実施されて、橋下徹さんが菅内閣の要職に就任となると大阪がさらに元気に強くなることが容易に想像できます。個人的にとても楽しみです。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?