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ひねくれ偏食家の、読書挑戦録

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「流行っているものは読まない」と意地をはってきた、ひねくれ者(偏食もち)が、本を読み、世界を広げて行く過程の記録もろもろ。 他にも、読書や本に関するエッセイ・コラムを集めています
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2020年2月の記事一覧

瓔珞と半沢直樹と

 今更ながら、半沢直樹シリーズを手に取った。
 もちろん、最初は一作目。
 池井戸さんの本は、『七つの会議』、スポーツ物の『陸王』、そして『不祥事』(花咲舞シリーズ)とぽちぽち読んではいても、半沢シリーズにはなかなか手が出なかった。
 王道ではなく、脇道から入りたがる、歩きたがるのは、ひねくれ者たる私の性とも言おうか。
 だが、「女版半沢直樹」と名高い中国ドラマ『瓔珞』に私は物の見事にはまってしま

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ジェーン・オースティンの肖像

ジェーン・オースティンの肖像

「何だあ、このタイトル」
 それが、図書室で、その本を見かけた時の第一印象だった。
 中学に入ったばかりの頃である。
「性格悪そうな人がうようよ出てきそうな話だな」
 と、言い捨て、私は同じ棚の別の本に目を移した。
 その時の私は、ためしに本を手にとってめくってみよう、などとは考えもしなかった。
 数年後、その本ーーー『高慢と偏見』が愛読書となり、作者のジェーン・オースティンにも強い関心を向けるな

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