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【夜明けの雷鳥沢(山エッセイ)】
「去年、雷鳥沢に泊まった」とキャンプ好きの人に話したら「あそこは最高だよね、星もキレイで」とのこと。あいにく私は大雨の中で震えながら眠っていた。
雷鳥沢と名前がつくくらいだから昔からあのあたりでは雷鳥が見られるらしい。晴れていると雷鳥は隠れてしまうので曇りか雨のほうが雷鳥に会えるのだとか。あいにく、それどころの雨ではなかった。
憧れの雷鳥沢キャンプ場に泊まったのに雨で、翌日は強風で憧れの劔岳を見ることもなく撤退。山ではそういうこともある。泣く子と天気には勝てない。何の目的も果たせずに帰るしかなかった。うまくいかない山行だったのに、あの一晩を思い出すとどうしてか楽しくなる。
次に行ったときは立山三山を縦走する。劔岳を眺める。いつかは劔岳にも登る。やり残したことがあるほうがまた行った時の楽しみがある。雨の上がった翌日の、夜明けの空に浮かぶ月は綺麗だった。
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また新しい山に登ります。