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【スマートフォンで星空を撮る(山エッセイ)】

富士山に一泊した夜。
山小屋の外に出て夜空を見ると、地上では見られない程の星が光っていた。高山の薄い酸素、夏とは思えない寒さの中で星空を眺める。

良いカメラでもあれば夜空の写真が残せるだろうか。 

どうすれば星空が撮れるか、何年か前に練習をしたのを覚えている。その時はミラーレス一眼を使ってなんとか撮影したが、今は壊れてしまってカメラがない。手元にはスマートフォンだけ。三脚もない。これで星空を撮れるだろうか?

設定をマニュアルにすればISO感度やシャッタースピードを変えられる。何度か試しに撮影してみた。手で抑えるのでは手ブレがひどくて撮影できない。試行錯誤の末、セルフタイマーをセットして、三脚がないので地面の岩にスマートフォンを置いて星空に向けた。

夜の空を飛行機が横切る。スマートフォンのセルフタイマーが動く。シャッタースピード15 秒。撮影が終わるまでしばらく待つ。

星空が見たくて田舎に旅行したことが何度かあるが、いつも雨でうまくいかなかった。過去に山でテント泊をした時は満月もしくは雨だったのでその時も見られなかった。2020年の夏、ネオワイズ彗星が関東でも見られると聞いて夜に出かけた時も曇りで何も見えなかった。

富士山では本当に天気が味方してくれた。

撮影した写真を確認する。
本物の夜空には叶わないとしても、未熟な技術とスマートフォンで撮ったにしては十分に思い出になる一枚が撮れた。

飛行機が流れ星のように撮れた


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