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おすすめ断髪小説(自分の以外)

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#バッサリ

断髪小説 ダブルス① 〜母の暴走〜

土曜日から高校最後の大会が始まる。
私とミユは卓球でダブルスを組んで全国大会の出場を目指している。
中学時代からペアを組んでいる私たち。
最高学年になって順当にいけば県大会は勝ち抜けるはずだ。
全国大会に出られれば東京の大学の特別推薦をもらえることになっている。
特段頭がいいわけでも経済的に恵まれているわけでもない私たちが都会の大学に行くためにはまたとないチャンスだ。

しかし2人とも何故かこのと

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断髪小説 彼女の匂い

断髪小説 彼女の匂い

GWが終わり私は学校に行くことにした
いじめられているわけでも勉強が嫌いなわけでもなく、あまり人の中にいるのが好きじゃなくて、なんとなく行きたくない…そんなふんわりとした理由で気が向いたら登校する感じの生活をしてきた
至って健康だから学校に行かない日は、親がやっている理容室で洗濯や掃除を手伝いもしている

5月最後の週末には運動会があるし、6月には修学旅行がある
特に興味もないのだが、普段はうるさ

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断髪小説 彼の願い

断髪小説 彼の願い

「行こう!」

アキラがうれしそうに声をかけてきた。
私たちがこれから向かう場所は市民センターの会議室。
アキラが所属しているフットサルチームの名前で夜間の使用申し込みをした。
費用は3,500円也。
マンションから歩いて10分もかからないくらいの距離で、駅の方向とは逆に歩いた街から少し外れた公園の先にある。

料金はすでに振り込んでいるから、職員からカギを受け取ってそのまま部屋まで行けばよい。

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断髪小説 夏休み パターン②(20世紀の情景)

子どもの頃、悪いことをした罰として散髪されたことはありますか?
私は経験がありませんが、ひと昔前は悪いことをして髪を短くされる子がいました。
お調子もので生意気な子がみっともない髪型でしょんぼりと登校してきます。
でも2、3日もすれば元気になるんですけどね。ただ短く切られた髪は数日では戻りません。当分の間は後悔を味わう、今日はそんな話です。

※途中までは前回投稿の「夏休みの朝 パターン①」と同じ

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断髪小説 夏休み パターン① (20世紀の情景)

学校の夏休みも折り返しですね。
30年くらい前
夏休みの朝といえば朝のラジオ体操とプールでした。
そして「暑いんだから髪を短くしなさい」「プールで邪魔だから髪を切りなさい」って言われた思い出があります。
今日はそんなお話。

🎵〜 
大きなラジカセのスピーカーから賑やかな音楽が消えた
「はい。みんなよく頑張りました。では一年生から一列に並んでくださーい」
町内会の会長が、集まっている子どもたちに

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断髪小説 いとこの受難

断髪小説 いとこの受難

夏が来る。
夏は楽しいイベントもたくさんあるし、水泳のシーズンだから大好きだ。
私は小さい頃から水泳をやっていて、県大会でも結構いい成績をあげている。
だけどこの季節にはイヤなイベントが一つある。
それは散髪。

学校のプール開きの前になると、おばあちゃんが「夏だから髪切るよーー」って問答無用で髪を短くしてしまう。
おばあちゃんは私のお父さんやおばさんの散髪もしていたから腕前は確かだ。
夏が過ぎる

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断髪小説 ゴールデンウィークの憂鬱

断髪小説 ゴールデンウィークの憂鬱

今の私は全然幸せじゃない。こんなはずじゃなかったという気持ちでいっぱいだ。
プロの演奏家になる夢を諦めて、音大を卒業してから中学校の教員を4年続けている。
教員といっても1年更新の任期付き雇用だから給料も安い。
教員不足がニュースになっているけど音楽の教員は今も狭き門で、毎年チャレンジしているがまだ本採用にならない。

仕事自体は正規の教員とほとんど変わらない。
授業以外にも、吹奏楽部の世話など毎

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断髪小説 運動会

運動会の季節ですね。
運動会が近づく頃、髪を短く切ってきた友だちがいました。
本人は嫌がっても、親が「みんなが見に来るからちゃんとしなさい」とかなり強引に散髪されたみたいです。
短く切った髪が恥ずかしくて、赤白帽で必死に隠していたあの子。
そんなことを思い出しながら書きました。

小学6年生になった私は背が高く運動神経もいい。だから男子に「ヒナタは男みたい」なんてしょっちゅういじられる。
すごく嫌

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断髪小説 夏の島

中学3年生の夏。
病気がちな弟が入院して、夏休みの間お母さんの実家で過ごすことになった。
お母さんの実家は離島にあって、今は漁業をしながら民宿を営んでいる。
おじいちゃんもいるから、お正月にはよくおじゃましていたけど、夏は民宿が忙しいから泊まりに行くことはほとんどなかった。
島の生活は、受験のプレッシャーを感じ始めていた私にとって悪いことではなかった。学校の登校日や塾もオンラインで対応してくれるし

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『過ちの行方』

【母 真由美】
 私の家族は理容師の夫、20歳と16歳の娘との4人暮らし。専業主婦として頑張ってきたが、単調な生活に飽きていた。妻として、母としての役割をこなすことばかりで、女としての自分が失われつつあった。
 
 そんな時、惹かれる相手が現れた。始めはたまに食事をする程度だったが、気づいたら月に1回のペースで体を求め合う関係になっていた。こんな刺激を私は求めていた。もちろん夫にバレないよう、細心

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断髪小説『猛暑のバリカン』

断髪小説『猛暑のバリカン』

あらすじ小説情報本文 
「ただいま」

 夫の亮介が帰ってきた。妻の紗英は今日はいつもより遅かったなと思い、出迎えるために玄関に向かう。

 「おかえり」といつも通り声をかけた。ふと亮介を見ると、髪がスポーツ刈りまで短くなっていることに驚いた。「ずいぶん短いね」と聞くと、「暑いし、なんかスッキリしたくてな。さっばりしたよ」と頭に手をやりながら答える。

 雰囲気がずいぶん変わった夫にドキドキしなが

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断髪小説『幼馴染』

断髪小説『幼馴染』

あらすじ小説情報本文
  紘斗 は気怠そうにベットに横たわっている 英里奈 を横目で見やる。

 ――英里奈に坊主にしてもらうといつもこうなる。
 夏の県大会予選で敗れ甲子園のない夏、三年が引退し、秋の大会に向け部活の練習は二年と一年の新チームが作られつつあった。

 部活が終わり、その足でマンションの隣に住んでいる幼馴染の英里奈の家に立ち寄った。バリカンを持って「やってくれ」といつものようにお願

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断髪小説「姉妹」

私とお姉ちゃんは似ていない。

お姉ちゃんは美人でスタイルが良くなんでもできる。しかも性格も良い。街に行けば芸能界にスカウトされることなんてザラだったし、芸能人に間違えられたこともある。しかも勉強もスポーツもでき、誰もが聞いたことのある大学を卒業し、一流企業に就職した。

それに反して私はブスでチビでデブ。しかもド近眼。成績はいつも中の下、彼氏いない歴=年齢。高校卒業後2浪したが滑り止めにすら受か

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『敗者髪切りマッチ』

 美人女子プロレスラーのSAYURIは、とある団体のエース格として活躍していた。何度もシングルやタッグのチャンピオンになり、グッズの売り上げも上々だった。人気、実力ともに申し分なかった。

 SAYURIの人気の一つは、長いポニーテールを振り乱して闘う姿にある。激しい試合になると、ポニーテールがほどけることもあるが、これがまた男性ファンのハートを掴む。それを十分に分かっているSAYURIは、髪を短

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