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おすすめ断髪小説(自分の以外)

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#バリカン

断髪小説 強制校則散髪(刈上げおかっぱ)

由佳は東京から親の仕事の都合で越してきた。
喘息持ちだったこともあり、空気がとても綺麗で、この土地をすぐに気に入った。

そしてこれから通う中学校に挨拶に行くことになった。

生活指導の先生と、校長先生、由佳と、由佳の母、の四人で面談室に入る。

授業内容など、説明が終わった後、生活指導の先生から、

「由佳さんはいま髪が長いですが、この学校では校則で禁止されていますので、次の登校日までには直して

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断髪小説 強制家庭散髪(刈上げおかっぱ)

莉子は小学校4年生、いままでは見た目にあまり興味がなく、ずっと父に適当に髪を切ってもらっていたが、最近、はじめて同級生に好きな男の子ができて、リップを塗ったり、コロンをつけたり、ちょっとしたオシャレにも気を遣うようになっていた。

「莉子、お前、髪伸びたな。切るか」
「え、そんなに伸びてないよ?また今度にしよう!」

あまり気にしていないようなフリをして、話を流そうとした莉子だったが、
父の発言を

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断髪小説 ダブルス① 〜母の暴走〜

土曜日から高校最後の大会が始まる。
私とミユは卓球でダブルスを組んで全国大会の出場を目指している。
中学時代からペアを組んでいる私たち。
最高学年になって順当にいけば県大会は勝ち抜けるはずだ。
全国大会に出られれば東京の大学の特別推薦をもらえることになっている。
特段頭がいいわけでも経済的に恵まれているわけでもない私たちが都会の大学に行くためにはまたとないチャンスだ。

しかし2人とも何故かこのと

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夏仕様

夏仕様

「見てくれよ~。うちの姫たち、ほんっと可愛いだろう~」

「ほんとだー。かわいいなー」
聆は、柊羽が見せてきたスマホの画面を見ることなく、棒読みで答えた。
飲み会で繰り広げられる、子ども自慢に、聆は飽き飽きしていた。
独身の聆には、子どもの可愛さもよくわからないし、ましてやよその子どものことなど、どうでもよかった。

「お前、ちゃんと見てないだろう!見てみろよ!ほんと、可愛いんだからさぁ」
今夜の

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自分の知らない自分

自分の知らない自分

「長い髪、鬱陶しいなぁ」
不意に夫が口にした言葉に雪は、愕然とした。
大切に伸ばしてきた髪を雪はもちろん、夫も好きでいてくれていると思っていた。
しかし、次の言葉でそれが今では現実ではないことを思い知らされた。

「もうすぐ梅雨だし、短くサッパリと切ろう」
切ろうというが、夫の髪ではなく、妻である雪の髪である。
雪は、恐る恐る聞いてみた。
「短く、てどのくらい?」

「最低でも刈り上げて、耳は出す

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断髪小説 彼の願い

断髪小説 彼の願い

「行こう!」

アキラがうれしそうに声をかけてきた。
私たちがこれから向かう場所は市民センターの会議室。
アキラが所属しているフットサルチームの名前で夜間の使用申し込みをした。
費用は3,500円也。
マンションから歩いて10分もかからないくらいの距離で、駅の方向とは逆に歩いた街から少し外れた公園の先にある。

料金はすでに振り込んでいるから、職員からカギを受け取ってそのまま部屋まで行けばよい。

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断髪小説 夏休み パターン②(20世紀の情景)

子どもの頃、悪いことをした罰として散髪されたことはありますか?
私は経験がありませんが、ひと昔前は悪いことをして髪を短くされる子がいました。
お調子もので生意気な子がみっともない髪型でしょんぼりと登校してきます。
でも2、3日もすれば元気になるんですけどね。ただ短く切られた髪は数日では戻りません。当分の間は後悔を味わう、今日はそんな話です。

※途中までは前回投稿の「夏休みの朝 パターン①」と同じ

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断髪小説 夏休み パターン① (20世紀の情景)

学校の夏休みも折り返しですね。
30年くらい前
夏休みの朝といえば朝のラジオ体操とプールでした。
そして「暑いんだから髪を短くしなさい」「プールで邪魔だから髪を切りなさい」って言われた思い出があります。
今日はそんなお話。

🎵〜 
大きなラジカセのスピーカーから賑やかな音楽が消えた
「はい。みんなよく頑張りました。では一年生から一列に並んでくださーい」
町内会の会長が、集まっている子どもたちに

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断髪小説 いとこの受難

断髪小説 いとこの受難

夏が来る。
夏は楽しいイベントもたくさんあるし、水泳のシーズンだから大好きだ。
私は小さい頃から水泳をやっていて、県大会でも結構いい成績をあげている。
だけどこの季節にはイヤなイベントが一つある。
それは散髪。

学校のプール開きの前になると、おばあちゃんが「夏だから髪切るよーー」って問答無用で髪を短くしてしまう。
おばあちゃんは私のお父さんやおばさんの散髪もしていたから腕前は確かだ。
夏が過ぎる

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【断髪小説】解釈違い

新作の季節限定ラテを飲みながら、道ゆく人を眺める。
人通りがやや少ない気がするが、はじめてくるこの街ではこれが日常なのだろうか。
鎖骨らへんの髪をさわり、くるくると指に巻きつける。

「えっと、サリさん…?」

テラス席でボーッとしている私に、スマホを片手に持った人懐っこい顔をした青年がおそるおそる話かけてきた。

「あ、はい。私です。ゆーさんですよね?」
「よかった。間違ってたらどうしようかと思

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『過ちの行方』

【母 真由美】
 私の家族は理容師の夫、20歳と16歳の娘との4人暮らし。専業主婦として頑張ってきたが、単調な生活に飽きていた。妻として、母としての役割をこなすことばかりで、女としての自分が失われつつあった。
 
 そんな時、惹かれる相手が現れた。始めはたまに食事をする程度だったが、気づいたら月に1回のペースで体を求め合う関係になっていた。こんな刺激を私は求めていた。もちろん夫にバレないよう、細心

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断髪小説『マネージャーの距離感 後編』

断髪小説『マネージャーの距離感 後編』

あらすじ小説情報本文 キィと音を立てて扉を開けると、早水が棚の前で立っていた。
 
――前にもこんな事あったような……

 いまいち思い出せないが、前にも見た光景な気がした。

「マネージャー? どうかした?忘れ物?」
「えっ!? あ、きゃっ!」

 カシャンと音がした。早水が屈んで、慌てた様子で落としたものを拾おうとしていた。しかし何か細長い物体がくるくると回転しながら、こちらに転がってきた。ど

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『親の意向』

 私、香田結月は、小学生から始めたミニバスにのめり込んでいた。スピーディーな展開が面白いし、サッカーやソフトボールと違ってよく点が入る。母もバスケ部で高校時代に全国大会へ行ったことがあったので、私がバスケをすることに賛成していた。

 中学では迷わずバスケ部に入った。あまり厳しい規則はなく、のびのびとプレイすることが出来た。
 
 両親とも私のバスケには全力で応援してくれた。しかしただ一点、意見が

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断髪小説『猛暑のバリカン』

断髪小説『猛暑のバリカン』

あらすじ小説情報本文 
「ただいま」

 夫の亮介が帰ってきた。妻の紗英は今日はいつもより遅かったなと思い、出迎えるために玄関に向かう。

 「おかえり」といつも通り声をかけた。ふと亮介を見ると、髪がスポーツ刈りまで短くなっていることに驚いた。「ずいぶん短いね」と聞くと、「暑いし、なんかスッキリしたくてな。さっばりしたよ」と頭に手をやりながら答える。

 雰囲気がずいぶん変わった夫にドキドキしなが

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