「驚いた?」
月明かりの射し込んだ出窓にその黒猫はいた。
「声帯チップよ。彼女の」
右手をペロリと舐めこちらを見上げる。
「帰宅した途端死んだ彼女の声で猫に話しかけられたって顔、鏡で見せてあげたいわ」
すとんと床に降り、僕の足に体をこすりつる。
「彼女の霊識で構築されたAIなの」
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水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。