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#辞書

まだ読んでないのに語ってみる『国語の辞典をテストする』

まだ読んでないのに語ってみる『国語の辞典をテストする』

先日、辞書に関する記事を書いた際に「暮しの手帖」に掲載された「国語の辞典をテストする」という記事を読みたいと、そう書いた。すると、なんと、Akioさんがこのような記事を届けてくださったのである。

もう、テンションは爆上がりで、
「読みたい」が
「読みたい!読みたい!読みたい!」
くらいにはね上がってしまった(笑)。

記事の後半でテストの要約を提示いただいていて、とてもわかりやすい。上手くまとめ

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コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』

コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』

この感想を読書メーターに書いたのは、もう4年ほども前になる。こちらの本の感想である。

メリアム・ウェブスター社はアメリカ最古の辞典出版社であり、著者コーリー・スタンパーはウェブスター社の辞書編纂者である。

辞書の編纂者とは日本もアメリカも同じなんだなと、つくづく感じる。こつこつと用例を収集し、悶々と語釈に悩み、黙々と現代語に向き合う。そういう人たちだ。

さて。
本書の目次である。

Hraf

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『辞書になった男』、そして辞書と私

『辞書になった男』、そして辞書と私


『辞書になった男』188頁以前より気にかけていたこの本を開いたのは日曜日で、その日一日でほぼ半分を読みきってしまった。翌日の通勤電車の中で、会社の昼休みで、やはり読み続けた。

そうしてさしかかった188頁。その中央の段落を切った後の五行の文章。

そのわずか五行の文章を読んだとき、まるで時間が止まったように感じた。時間も空間も凍りついたようで、そこにあるたった数行の文字をただひたすら凝視してい

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【読書】安田 敏朗 大槻文彦『言海』:辞書と日本の近代

【読書】安田 敏朗 大槻文彦『言海』:辞書と日本の近代

普通語の辞書ということ『言海』は普通語の辞書である。

国語辞典が普通語の辞書であるということは現代では当たり前のことかもしれないが、言海が編纂された当時では必ずしもそうではなかった。辞書辞典と言えば、専門用語か難語の解説というものだった。手とか、ご飯とか、歩くとか、普段使うような言葉をわざわざ解説するということはなかったわけである。そこに登場したのが、普通語の辞書『言海』である。

日常において

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向田邦子と辞書と謎解き(6)、そして最終回

向田邦子と辞書と謎解き(6)、そして最終回

読友さんからのコメントをそのまま引用させていただく。

新明解!
しかも第二版!
もう、びっくり仰天である。

ちなみに。
読友さんはこちらにその辞書を写メでアップしてくださっている。

これを見たときどれだけ興奮したろう。
どれだけ眺めていたろう。
嗚呼。
向田邦子さんはこの辞書を見られていたんだ。

そう言えば「明解」は少し引きにくい。
横書きが右から書いてあるからだ。

向田邦子さんは、19

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向田邦子と辞書と謎解き(5) 小休止、ちょっと整理してみる

向田邦子と辞書と謎解き(5) 小休止、ちょっと整理してみる

いったい、どれだけの辞書で「なみだ」をひいたかしれない。だが、もしかすると、鍵は「なみだ」ではなく「なみにく」なのかもしれない。
新明解第四版に「えんきょく」という表現が出てくる。

【向田辞書】(上肉・中肉に対して)値段の安い肉のえんきょく表現。

【明解国語辞典初版】「なみにく」なし。

【三省堂国語辞典第六版】「なみにく」なし。

【新明解国語辞典第四版】〔上肉・中肉などと違って〕「値段の安

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向田邦子と辞書と謎解き(4) 『明解国語辞典』

向田邦子と辞書と謎解き(4) 『明解国語辞典』

大阪府立図書館。

向田辞書を探して電車バスを乗り継いでやってきた。
『明解国語辞典』があることはインターネットで検索済みである。

書庫から『明解国語辞典』を取り出してもらう。
古い辞書だ。
既に書庫の人となっている。
横書きの文字は右から左に読む。
読みにくい。
でも、とても小さくて可愛らしい辞書だ。
やっと会えた。
そっと「なみだ」をひいてみる。
そこに書かれていたのは……。

なんというこ

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向田邦子と辞書と謎解き(2)

向田邦子と辞書と謎解き(2)

向田邦子氏がこだわった「なみだ」の語釈。
これが書いてある辞書が見当たらない。
そういうようなことを読書メーターでつぶやいた。
その時、助けてくれたのが読友さんだった。

『向田邦子の本棚』

そういう本があるのだそうだ。
そしてそこに書いてある辞書は・・・。

『三省堂 明解国語辞典』

なるほど。
明解国語辞典ならありそうだ。
是非ともひいてみたい。
が、手元に明解国語辞典がない。

というよ

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向田邦子と辞書と謎解き(1)

向田邦子と辞書と謎解き(1)

過日、読書メーターで読友さんと謎解きをしたお話である。そのときの内容はこちら
→向田邦子『眠る盃』

それは一冊の本から始まった。

向田邦子『眠る盃』

この作品集に『国語辞典』と題された一文がある。
そして「なみだ」を辞書で引いたとある。

さて。
これはなんという辞書だろう。
そんなことが気になる。

たまたま手元にあった「言海」をひいてみる。

明治のころは「ナンダ」とも言ったのか。
ふむ

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