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第16回クライバーンコンクール 雑感 #3 - 30年前のTV番組と名伯楽も追想して…
クライバーンコンクール、盛況の中終演しました。60周年の節目にふさわしい、クライバーンコンクール史上最年少の18歳で優勝した綺羅星誕生に沸き立った第16回でした。
第2位のアンナ・ゲニューシェネ(Anna Geniushene)さん(ロシア)と3位のドミトロ・チョニ(Dmytro Choni)さん(ウクライナ)が壇上で肩を組んだり、笑顔で一緒に写真に収まっていたりする様子も、感慨深いものがありま
第8回仙台国際音楽コンクール・ピアノ部門 #予選 雑感
残念ながら日本人コンテスタントは進出できませんでしたが、「はぁ~あれは妙々たる演奏だった」「桁外れなピアニストがいるもんだなぁ」と余韻に浸っている間に、もうクライバーン・コンクールはファイナル中盤です。
一方、仙台でも大きな国際コンクールが始まっており、YouTubeに続々演奏動画が上がっています。仙台国際音楽コンクール(Sendai International Music Competitio
~歌うたいのショパン~ 2022年6月4日 マルティン・ガルシア・ガルシア ピアノリサイタル@ミューザ川崎シンフォニーホール
ラッキーなことに、自宅からドアツードアで20分ほどのところにあるホールに来て演奏してくれました!昨秋に開催されたショパンコンクール3位のガルシア・ガルシア(通称:ガルガル)。
私が行った回はソロ・リサイタルでしたが、コンチェルト+ソロの公演回も追加で開催とのこと。(そっちにも行きたかった~!)
ショパコンでは、憂いや悲哀のあるショパンならではの曲を、鼻歌交じりにラテンの陽気で弾きこなし評判とな
第16回クライバーンコンクール 雑感 #2
クライバーンコンクール、あっという間に準決勝ラウンドまできました。
このレベルのコンクールになると、歴戦の強者揃いで、誰が通過するかしないか、順位や結果はまるで水物。ショパコンとは違って、予選の課題曲は委嘱新作の1曲のみで、他の演奏曲は多少の傾向はあるものの、バッハから現代曲まで様々で、審査員に基準を尋ねてみたいものです。(聞いたところで分からないけれど…)
会場の観客も、めったに披露されないよ
第16回クライバーンコンクール 雑感 #1
昨秋のショパン国際ピアノコンクールは、日本人コンテスタントの躍進で大変盛り上がりましたが、6月現在、世界的ピアノコンクールがいくつか行われています。
オンライン配信も充実しており、日本人コンテスタント、ショパコンや他の有名コンクール出場者も名を連ねており、またしてもストリーミング、アーカイブ、関連記事をチェックする忙しい日々が始まっています。
テキサスで開催中のヴァン・クライバーン国際ピアノコ
2022年5月24日 ニコライ・ホジャイノフピアノ・リサイタル@渋谷区大和田さくらホール 雑感
昨秋のショパンコンクールでは完全なる独自路線による演奏で観客を驚愕させ、それをまた聴くことができる期待のオール ショパン プログラム、かつコロナ禍による2度の延期を経ての開演だったこともあり、それはそれは楽しみにホジャイノフ氏のリサイタルに行きました。
会場は700名程度収容の渋谷の中型ホールで、客席は8割方埋まっていました。
1階席を眺めると、スポ少帰りと思しき、大きなスポーツバックを肩掛けし
ホジャイノフの『木枯らし』
今回のショパンコンクールで、ホジャイノフ氏が弾いたエチュード『木枯らし』に心を奪われました。
彼の『木枯らし』は、彼の故郷であるシベリアの身を刺す寒さを想像させるもので、彼以外のコンテスタントとは明らかに別物でした。
他のレパートリーもそれは個性的な演奏で、もしかしたらコンクールには不向きだったのかもしれません。
第三次予選で敗退してしまったのですが、彼の演奏が忘れられず、YouTubeで繰
ショパコン・コンテスタントが弾くプロコ・ピアノコンチェルト3番
ショパコン・ロスから立ち直れていません。
予備予選から見直してしまいたい衝動に駆られますが、さすがに途方もない時間を要しますので、抑えています。
さて、『蜜蜂と遠雷』がきっかけで、プロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番 Op.26 ハ長調」にハマっていましたが、第18回ショパン国際ピアノコンクールのコンテスタントたちが、他のコンクールやコンサートで、プロコ3番を弾いている動画があったのでまとめま
ショパンコンクールを楽しみ尽くす
5年に1度(今回はコロナ禍で1年延期となり、6年ぶりの開催)のショパン国際コンクール(通称ショパコン)が、今、3次予選(セミファイナル)半ばですが、熱を帯びてきました。日本人参加者の時の視聴に力が入るのは言うまでもありませんが、その他の国からのコンテスタントの演奏も相当聴きごたえがあります。
その中でも、日本で開催された国際コンクールでの優勝者や、日本製のピアノを選んで演奏しているコンテスタント
ピアノコンクールの新しい楽しみ方
ピアノコンクールを題材にした直木賞受賞作を読んだことがきっかけで、ピアノ鑑賞がマイブームとなった。作者は3年に一度開催される『浜松国際ピアノコンクール』(通称『浜コン』)を4度取材し、この作品を完成させたとあって、その世界観や細かな描写は、ピアノが身近にあった人だけでなく、縁がなかった人の心をも魅了する一冊となった。さらに、映画も大ヒットとなったことも相まって、今年開催予定の浜コンを、私もとても楽
もっとみる「推し」を通して観るショパコン
今年は5年に一度の『ショパン国際ピアノコンクール』(通称:ショパコン)開催年である。コロナ禍により一年延期となったが、今年は、7月に無事予備予選が始まった。この予備予選から動画配信で視聴できるので、私の昼休みはすっかりその鑑賞会となった。
予備審査通過者152名のうち、日本人は31名。どうやっても1時間の昼休憩で見られるのは2名の途中が限度なので、日本人を中心に見ているのだが、すっかり彼らの親戚