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第16回クライバーンコンクール 雑感 #1

昨秋のショパン国際ピアノコンクールは、日本人コンテスタントの躍進で大変盛り上がりましたが、6月現在、世界的ピアノコンクールがいくつか行われています。

オンライン配信も充実しており、日本人コンテスタント、ショパコンや他の有名コンクール出場者も名を連ねており、またしてもストリーミング、アーカイブ、関連記事をチェックする忙しい日々が始まっています。

テキサスで開催中のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール、盛り上がっています!

2009年に優勝したことで辻井伸行さんが世界的に注目されるようになったコンクールとして日本では知られています。

コロナで1年の延期を経て、今年開催のクライバーンですが、予選で3人の日本人コンテスタントも強いインパクトを残し、3人とも二次予選への進出が発表されました!

このクライバーン、各ラウンドの規則が、ショパコンと比べると自由度が高く、コンテスタントのプログラム構成も見どころです。
予選では、課題曲は委嘱新作だけで、委嘱作品を含め全部で40分以内に収めればいいのです。


世界一過酷なコンクールと称される「エリザベート王妃国際コンクール」(於ベルギー 通称:エリコン)でセミファイナルまで勝ち残った吉見友貴さん。

クライバーン予選では、ほとんどの人が委嘱新作+3~4曲のところ、なんと吉見さんは委嘱新作+リストのソナタ(30分!)のびっくりプログラム。そのソナタが圧巻で「とんでもないものを聴いてしまった!」という気持ちになりました。

過去のインタビュー記事によると、このリストのソナタは高校の時から取り組んでいて、昨年のエリコンにも用意していたが、弾く機会がなかったとのこと。満を持して今回披露したことを知り、だからあれほどの仕上がりなのだと納得しました。


亀井聖矢さんは、桐朋学園大学史上初めて飛び入学した桐朋の申し子で、つい数か月前にスペインのマリア・カナルスコンクールで3位入賞した、伸び盛りの20歳。

彼を応援する方々は、小学生時代にラ・カンパネラを弾きこなす動画から彼を知っているので、めんこい『国民の甥っ子』を親戚気分で手に汗握りながら応援していることでしょう。

クライバーンでも、国内コンクールやリサイタルで披露してきた自慢のプログラムを用意しているので、過去の演奏との聴き比べも楽しみです。


田所マルセルさん、フランスの豪華絢爛なサロンで弾いているかのような、贅沢なプログラムと演奏でした。田所さんのプログラムは個人的に興味深いので、是非本選までバラエティーに富んだ選曲を聞かせてほしいです!



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