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ジョン・ウィックという神話✧♡

 先日、映画館で新作を観て、自分はなぜこの作品に、惹かれてるのか不思議に思っていた。
 すると、そのことを実に的確に書いている映画感想文に出会う。

 ネタバレを含むので、「コンセクエンス」を観た人だけに見ていただきたい記事です。
 なんとなくもやもやしていたことが、彼の知的な分析によって、すべてが明らかになる気持ちよさを感じた。
 そういうことをちゃんと分析できる知的な人がいることを凄いなと思った。でも、自分が考えたことは、それはただ知的なだけでは、こういう結論を導き出せなかったのではないかということだ。

 やはり、ジョン・ウィックを好きだから、気が付いてしまったことなのではないかと思ったのである。

 何かについて、そのことを深く知りたかったら、まず、それをとてつもなく好きになって、深く入り込み、内側の視点から考えてみる。
 それをすることによって、その作品の神髄に到達できるのではないかと、勝手に想像して、今は思っている。

 私が彼の記事で感心したこと、共感したことは沢山あるが、一つあげると以下の部分である。

「「神話」の創出こそが本シリーズの目的であり、この映画が「ゲーム」と接近した作りをしていることと無関係ではありません。」

 ジョン・ウィックが、このちょっと奇想天外過ぎない?というトンでも映画の様でありながら、ある品位を保ったスタイリッシュな美しさを保っている不思議。この映画に対しての答えを与えてくれたことだ。

 ジョン・ウィックの物語は神話になろうとしていたのである。

 前に、八戸ブックセンターで、ある講義を聴いた。

「ついやってしまう」体験のつくりかた 「The Last Of Us」と「風の旅ビト」の2作品をテーマに、人がなぜ「つい誰かに言いたくなってしまうのか」を「物語のデザイン」から読み解きます。

 講師は玉樹真一郎さんである。 

1977年生まれ。東京工業大学・北陸先端科学技術大学院大学卒。プログラマーとして任天堂に就職後、プランナーに転身。全世界で1億台を売り上げた「Wii®︎」の企画担当として、最も初期のコンセプトワークから、ハードウェア・ソフトウェア・ネットワークサービスの企画・開発すべてに横断的に関わり「Wiiのエバンジェリスト(伝道師)」「Wiiのプレゼンを最も数多くした男」と呼ばれる。

2010年任天堂を退社。青森県八戸市にUターンして独立・起業、「わかる事務所」を設立。全国の企業や自治体などで、コンセプト立案、プレゼン手法、デザイン等をテーマとしたセミナー、講演、ワークショップ、プレゼン等を年60回以上おこなうほか、コンサルティング、ウェブサービスやアプリケーションの開発等を行いながら、人材育成・地域活性化にも取り組む。

わかる事務所(玉樹真一郎)HPより引用

 彼の講義の中で、最も印象に残っていること。

 今では我々はあらゆる方法で物語を手に入れることができるが、その始まりから考えてみましょうと彼は言った。

 言葉が無かった人間に、言葉が出来て、口で話しをするようになる。

 歌を歌うようになり、口頭伝承ができる。

 それが絵や壁画になり、本に書かれるようになり、ラジオの電波に乗り、演劇が作られ、映像ができた。

 物語は昔から色々な方法で語られてきました。

 その中でも最新の物語の語り方がGAMEです。

 教師だった自分の中で、生徒がハマっているゲームには、どうしても悪いイメージを持っていたのだが、彼の話を聞いて目からウロコが落ちた。
 ゲームは最新の物語の語り方だという視点をもらったのだ。(皆夢中になる訳だ)

 だから、ジョン・ウィックの映画を観て、ゲーム的だなとか、色々なことを感じていたのだが、前に述べた傘籤さんの記事を読んで、すべてが腑に落ちたのであった。
 女に弱いイーサン・ハントより、なぜ、ジョン・ウィックの方が好きなんだろうかともやもやしていたものが、パッと晴れたのであった。

 まるで神話に昇華されるまでスタイリッシュに、徹底した描き方をしたからだった。

 監督の次回作にも、期待したい。






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