見出し画像

01:ど素人を維持する/客観性

ADのいないこの世界で若手クリエイターに伝えたい10の事 』として勝手にシリーズ化した中の前半、人が判断の前提とする認知をテーマにした1つ目のnoteです。
ここでは、若く自社のサービスを強い信念を持って推進しているメンバーの多いスタートアップ、ベンチャーだからこそ落ち入りがちな最初の1歩をお伝えします。

 ― 
作り手は詳しすぎると自覚する

あなたが今作るものをあなたより詳しく知っているユーザーさんはいません。あなたがもし、詳しくなり過ぎた視点でサービスを届けたら、そのサービスはユーザーさんには難しいものとなります。

受託でユーザーさんとクライアントさんを結びつける時、一番難しいのがそのギャップを埋める事でした。更にそのギャップはヒアリングで聞き出すことも難しいのです。何故ならギャップを認識した回答をユーザーさんが意図的に伝えて下さる事は無いからです。

因みにあなたは一度会った人を完璧に覚えられる人ですか?さすがに完璧と言うと難しいのではないでしょうか。サービスも同じで一度利用したからと言って、次はもう大丈夫なんて事にはなりません。

何度か接し、体験する中で、ようやく迷わなくなるのです。

一方で自社サービスの人間は特に機能に何度も触れる機会があり内部事情も知っています。育てよう、支えようと思ったサービスでそれらの知識を持ち続ければ必ず何処かで盲目的になっていきます。その為、自社のサービスで自分が素人でいる事はとても難しいのです。

だからこそ、初めてそれに触れた時の迷いを忘れずにユーザーさんに寄り添う努力をして下さい。

 ― 
命をかけて作ってもユーザーさんには道具のひとつ

インタビュー、ユーザーテスト、ユーザビリティテスト、あなたの聞いた質問は自社のサービスを前提としていませんか?
具体的な不満を抱いていなければ、このサービス如何ですか?と聞かれて頭から否定する人はいません。そのサービスをダウンロードしたり、お金を払って、つまりある種のコストを払ってでも使いたいと思うかどうかで聞けば全く話は変わります。

そして、あなたがどんなに優れたサービスを作っていると思っていても、それはユーザーさんにとっては選択肢のひとつでしかありません。そんな選択肢のひとつである自分たちのサービスを他のサービスに対してどう価値づけるか、時にはユーザーさんが他社のサービスを使う理由を深く思考してみる必要もあるのです。

 ― 
“良いものを作れば使ってもらえる。”は幻想

機能は出しただけでは伝わりません。機能を開発することと、その機能を解るように伝えること、伝わるように作る事は必ずセットでなければなりません。
優れたエンジニアさんが他社にない素晴らしい機能を作っても、使う側がそれを理解できなければ宝の持ち腐れになります。

また、素晴らしい機能をどんどん開発しても、人が覚えてその瞬間に処理できる情報には限りがあります。その為に使う人にとって本当に必要なものを探り、機能や情報をまとまりめて関係性を理解しやすくし、場合によってはどんなに苦労したものでも今不要なら削除し、わかりやすくしていくのです。

 ― 
盲目的な愛からは卒業する

まずは、あなたがサービスを作りたいと考えている場所の素人になってみて下さい。盲目的な愛はそれを難しくします。流されないで下さい。まっさらな目で、もしくは自分の愛を意図的に差し引いて時にはわがままになってサービスを見たとき、そこでの戸惑いはきっとあなたにヒントを与えてくれます。

 ― 
次回のお知らせ

次回はここで記載した“当たり前”の差分を元にどうやって見極め、つくる時の基準にするかをお伝えしようと思います。

このnoteは下記のリンク先でインデックスしています。
ADのいないこの世界で若手クリエイターに伝えたい10の事
少なくともあと、9本書くので良かったらお付き合い下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?