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ADのいないこの世界で若手クリエイターに伝えたい10の事

自社サービスではかつてAD( Art Director )が担っていた側面を職能に関わらず全員で分かち合いますね。受託とサービスデザインの両方を見てきた視点からすると、届くと言うところにコミットする為にADが果たしていた役割には一定の意味があったと思います。

才能、センスで括られがちなこの分野ですが、センスのない私は一つのものをカタチにするために、これらを繰り返し考え、また、言葉にして乗り切ってきました。これらをもっとオープンに、そしてみんなでより深くサービスを育てていく為に10のポイントにまとめて記載していきます。

デザイナーさんはもちろん、プランナー・ディレクターさんなどにもサービスクオリティ向上の材料にして頂けたら嬉しいです。

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流れの説明

ポイントは10個にまとめていますが、一つのnoteにすると流石に長いのでこちらではまずそれぞれのテーマをご紹介します。noteを出すたびにリンクをつけていきますね。

10項目をさらに大きなまとまりに分けると4つの流れになる予定です。
まず一つ目のまとまりは以下になります。

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前提とする認知をテーマにしたもの

■1:ど素人を維持する/客観性
■2:当たり前を疑う/自己認知
■3:境界を知る/他者理解

ものづくりをしていると、若いディレクター・プランナーがやってきて、「あれっぽいかっこいいやつ」とか、「いい感じに」なんて依頼をされる事がとてもよくあります。「あれっぽい」がある時はましですが、「いい感じ」という場合、誰にとってのどう言ったいい感じかを言語化できていないまま、個人の経験で得た「いい感じ」を無条件に他人に求めているケースがとても多いのです。

こういう時、アートディレクションでは、その観点を指摘ししつつ、ペルソナを作ってイメージをすり合わせたり、その人の個人的経験を推察しながらカタチにしますが、それは決して無条件に理解できているという事ではなく、多くのケースから近しいものを分類して引き出すという工程を挟んでいるのです。

その為、その経験がないメンバーとのものづくりではそこをお互いに理解する必要が出てきます。技術より何よりまずはここです。是非ご一読下さい。

因みに、このnoteと同時に出す一つ目のnoteでは、若く、自社を愛しているメンバーの多いサービスデザインだからこそ1番難しく、一方で受託が価値を発揮するギャップが大きい部分の思考についてご紹介します。

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ブレない骨格の作り方・見抜き方

■4:つっこみ力をつける/調査・分析
■5:戦い方を決める/コンセプト定義
■6:見通す目を持つ/IA・ワイヤー・プロトタイピング

ものづくりの骨格がブレれば、どんなに見た目を整えても本質的な解決は得られません。その良し悪しをADは見抜きます。すべてのADがその力を良い方に使っているとは言えませんが、だからといってこの分野の力が必要ないと言うわけではありません。

よりスモールに、柔軟に、時には口頭のみで解決しながらグロースを回すサービスデザインに置いて怖いのは、その柔軟さゆえに、気づいたら迷子になっていたと言うケースです。

そんな事ない!長期的視野はあるから迷子じゃない!そう思う方も多いでしょう。しかし、ブレたトーン&マナー(サービスの雰囲気を表現している色や形)、構造がよくわからないのに把握している人のいないナビゲーション構造、サイトマップ。同じ機能のページ毎の仕様の違い。このような柔軟さを優先してあえて許容した差分が放置状態になる時、プロダクトは少しずつ道を見失います。
そして、それはユーザーさんを不幸にします。

柔軟さを保ちながらも道を見失わないようにする為に必要な事、そのコントロール方法をディレクタースキルから、それをしっかりと見据える力をデジタル分野のAD力からお伝えします。

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カタチにする事の難しさ

■7:要素の力を知っておく/判断力
■8:具体的なゴールを描く/クオリティ定義
■9:コミットメントを共有する/発注・チーム運営

ADと言うと、時にベンチャー、スタートアップ界隈では、眉唾ものの、手を動かさない無駄にお値段高い人。と言うイメージがあるかもしれません。残念ながら、そうとしか言いようのない人が一部にいる事も事実です。

ですが、世の中の多くのADは簡単には言葉に出来ない人の心と向き合い作り上げたものが「すごい!」「かっこいい!」と説明抜きに言われるまで徹底的にカタチを検討するという努力するを人達です。

実は私は最初に記載した「あれっぽい」と言う言葉は、何かを作る時に、言うべきではない言葉でだと考えています。何故なら、人がひとりひとり違うように、皆さんが作るプロダクトも、それぞれに個性的であるべきだからです。だって、「あれっぽい」で良いなら、ユーザーさんは「あれ」の方を使えばいいじゃないですか。

ただ、デジタルではメンタルモデル(ユーザーさんの学習経験)との兼ね合いであえてかなり積極的に、既存の知見を使って再構築する事があります。それによって何かに似ている事が正解かの様な誤解を生んでいるかも知れません。(何かに似ていると作りやすく、コストもかからないと言う面で積極的にそういった依頼が出てしまうと言う側面もあります。)けれど、それは決して絶対的な正解ではない。ジョブズがそれをやっていたら永遠にiPhone生まれなかったでしょう。

そして、あなたが思い浮かべる有名なADはその点で他者から見て印象に残るオリジナリティを持ち合わせた、優れた何かを残した人です。これはとても難しく、オリジナリティを目的としても辿り着けません。時には結果として何かに似る事もある。けれど、それが徹底されていれば結果として皆さんのプロダクトが叶えようとする世界を最大化する力が生まれます。

私はデジタルが長く、点数化されたアクセシビリティ、メンタルモデルを追うのに必死なところがあるので、この点は強くはないのですが、ある程度ご説明する事は出来ます。

なんかわからないけどすごくいい。
それって、最強ですよね?
そこまでプロダクトが行っていないのは要件にないからではなく、向き合いが足りないかも知れないのです。

いわゆるクリエイティブジャンプ(作っているものが初期の想定を大きく超えて良くなる現象)の為に、サービスデザインで疎かにされがちなポイントを見直していきます。

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絶対に忘れてはいけない事

■10:冷静にそして深く愛する(仮)/姿勢

これは恐らく、サービスでものを作っている皆さんが最も強く持っている誇るべき点です。「超」有名な広告のADよりも、つい最近サービスに携わるようになったあなたの方が優れているかも知れない。ただ、私がこの一蓮のnoteでお伝えする事を皆さんが本気で受け取ると逆にこの点が揺らいでしまうかも知れない。その為、この流れを踏まえても決して疑う必要はないのだと言う事をご説明致します。

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番外編

■番外編:職能AD分類図(仮)
■番外編:神ではないapple、google 、adobeと向き合う(仮)

今の構造で、既に漏れそうなもの。もしかしたら書くかも知れないなと既に思っているものです。(10個じゃなくなるw)もし書いたら、流れとは異なる純粋な番外編として見逃して下さいw

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後半は流れとわかりやすさ?などを考慮するともうちょっと整理したほうがよさそうだなと言うところがあるので、タイトルや順番も含めて変更するかもしれませんが出来るだけリズム良く出していこうと思うのでよろしくお願いいたします🤗

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この記事のビジュアルは「ぱくたそ」さんサイトの「すしぱく」さんの写真を使わせていただいています。

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