見出し画像

カシミール旅行記⑤「ボートに宿泊!美しい湖旅」

今年の3月にインドのカシミール地方に旅行に行った時の記録…

最初から読む      
ひとつ前の記事から読む


カシミール旅4日目。

この日私はホテルを移ることにした。
ここスリナガルはハウスボートと呼ばれる湖に浮かんだホテルが多数あり有名だ。
せっかくなので泊まりたい!!

画像1

初日に散歩したダル湖にもたくさんのハウスボートがぎっしり並んでいた。

ハウスボートはインドがまだイギリスに支配されていた時代、当時のカシミール藩王に陸地での土地所有を禁止されたイギリス人たちが避暑地の別荘として作ったのが始まりらしい。

私はTrip Adviserの口コミがよく、カシミールに何度も訪れている友人がオススメというPeacock House Boatにこの日から2泊宿泊することにした。

Peacock House Boatはナギン湖という場所にあり、私が昨日まで泊まっていたダル湖近くのホテルからは車で30分ほど。

画像20

昨夜ホテルのフロントでナギン湖に行くにはどうしたらいいか聞いてみたところ、車で行くのがベストということで手配してくれると言われた。

しかし朝に再度確認したら、車だと1680ルピーかかるからオートリキシャで行け!と言われた。笑

インドあるある。
言っていることは昨日と今日とで変わる。

そうよね。昨日と今日は違うもの…。


ホテル前でオートリキシャを拾いナギン湖へ。オートだと200ルピーで行ってくれるらしい!ますます車の1680ルピーが怪しい…

さては手配するんめんどかっただけか…笑


道中迷いながらもなんとかお目当てのハウスボートに到着!

画像3

画像4

さすが当時のイギリス人が使っていただけあって調度品がとてもオシャレでカワイイ。

リビングルームは共用だが今日は他に泊まっている人がいないようで貸し切りだった。

到着したらお世話係がすぐにカシミールティーのKahwaを出してくれた。

ハウスボートに到着するや否や雨が降り出してしまったので、しばしボート内でゆっくりすることに。

このハウスボートがあるナギン湖は市街地から少し離れていることもありめちゃくちゃ静かだ。
鳥の声と遠くに聞こえるアザーンらしき声が心地いい。


さて。
実は私はこのカシミールの旅でどうしても行きたい場所があった。

一番初めの記事で、私がカシミールに興味を持ち始めたきっかけは ”ボリウッド映画「Haider」を見たから。”と書いたが実はHaiderだけではなくカシミールはその美しい情景から多くのインド映画の撮影ロケ地になっている。

その中でもカシミールが舞台になっている作品として私が一番に思い浮かべるのがこの作品だ。

2016年「Fitoor」
出演:カトリーナ・カイフ、アディティヤ・ローイ・カプール、タッブーetc.


残念ながらあまりヒットしなかった作品で、正直に言うとストーリーもどんなだったかあまり思い出せないくらいなのだが、映画館で見た時、スクリーンに映るカシミールの風景の美しさに私はものすごく感激した。

インド映画の楽しみ方は何もストーリーだけではない。もちろんストーリーが面白いのが一番良いけれど…。

ロケーションの美しさや、音楽やダンスシーンなどもインド映画を楽しむポイントだ。(ちなみにこのFitoorは音楽も結構イイ!!)


⇩この動画はFitoorのカシミールロケのメーキング映像。

雪が残る山、静かな湖畔の水面、そこに浮かぶ手漕ぎボートのシカラ、木製の古い桟橋…。

どれもこれも私の心の琴線に触れるのだ。

そしてこの映画の一番のみどころシーンである、この場所!!
この素敵な桟橋の風景が5年前から私の心に焼き付いて離れないのだ。

画像5

Haminastu」の動画の3’50”からこのシーンが映っているので興味がある人は是非見てほしい。

私はスリナガルに到着してから、あらゆる地元の人にこのロケ地の場所を知らないか?と尋ねまくっていた。

もちろんここPeacock House Boatでも到着するや否やオーナーに聞いてみた。
するとオーナーはなじみのシカラに聞いてくれると言ってくれた。

しばらくすると、オーナーが「場所が分かったぞ!!」とやってきた!!

オーナの話によるとこのような古い桟橋はスリナガルにはたくさんあるのだが、このロケ地の桟橋の後ろの家に見覚えがあるらしいのだ!!

これは結構有力情報!!

私は雨が止むのを見計らい、その場所を案内してくれるというシカラに乗ることにした。

ちなみに”シカラ”というのはこれ👇のこと。

画像6

インド映画でカシミールが出てくると必ず出てくる風情のある素敵な手漕ぎボートだ✨

中はこんな感じ。後ろに見えるのがこのシカラの持ち主のおじさんだ。

画像7


手漕ぎなのに結構ぐいぐい進んでいく。
始めは大きな湖をゆったりと進んでいたが、しばらくすると少し浅い沼地のようなところに来た。

遠くで鳴いているトンビの声、水をかく音、アザーンのような歌声…
どれもこれもが美しく心地がいい。


画像8

画像9

画像10

すべてが映えだ。
どこの景色を切り取っても独特の趣がある。


画像11

途中長い棒で水の中を熱心につついているおじさんたちに遭遇した。
どうやらレンコンを栽培しているらしい。

そういえば昨日の夜ご飯はレンコンカレーを食べたっけ。
ここカシミールではレンコンも有名なようだ。

画像12


かなり長い間シカラに乗っていた。
1時間半ほどたったころ、また景色が少し変わった。

水上をつなぐ木でできた桟橋が沢山あるところに出てきた。

この桟橋は住んでいる人も普通に利用しているようで、たまに近所の人が渡っていたり、小さな子供がこちらに手を振ってくれたりした。


シカラのおっちゃんが、「ついたぞ!ここだ!」と言った。

ついに…
私が熱望してやまなかったFitoorのロケ地に来ることができたのか…

胸の高まりが抑えきれない…


画像13

わぁあぁ・・・ああ・・・ぁあぁ?



・・・ここ・・・か?


・・・ここ・・・なのか・・・?



比べてみよう・・・

画像14

画像15

ああああーーーー

惜しい!!

確かに構図は似ている・・・

だけど、、、違う。



得意げになっているシカラのおじさんに元の画像を見せる。

・・・

「まあこういう桟橋はスリナガルにはたくさんあるから…」



まあ・・・そうね。

ロケ地じゃなったのは残念だけど、ここはここでとても素晴らしい✨
私はシカラを降り桟橋を少し歩いてみることにした。

桟橋を歩いていたらとてもカワイイ目がブルーの地元の男の子が手漕ぎボートに乗りながら「Hi」と声をかけてきてくれたり、すれ違う人に「アッサラーム アライクム」と挨拶したら「ワ・アライクム・アッサラーム」と返してくれたりした。

ここカシミールはイスラム教徒が多い地域。
そのため挨拶はナマステではなく「アッサラーム アライクム」だ。

画像16

画像17

画像18

桟橋歩きも堪能し日も暮れかかってきたので戻ることにした。


ちなみに忘れていたが、ここに来るまで1時間半かかった・・・。

つまり戻りも1時間半かかる。

合計3時間だ。


桟橋を出た時点で既に6時過ぎだったため、シカラのおじさんも一生懸命漕いでくれたが、日はあっという間に暮れ、あっという間に真っ暗になった。

真っ暗闇の中の湖は少し不気味だ。
そしてなによりめちゃくちゃ寒い。

シカラには毛布が積んであり私はそれを頭からかぶってガタガタ震えた…。

そんな私を見てシカラのおじさんは携帯用の暖炉である火鉢を貸してくれた。
これもFitoorの映画で見たことのあるものだったので寒さの中感激した。

画像19

Fitoor映画のワンシーンより

この火鉢はKangrisというらしい。



結局ハウスボートに戻ってきたのは8時ちょい前だった。

寒さの疲れからかご飯を食べた後、21時には死んだように就寝したのであった。

画像20

夜ご飯はハウスボートお手製のご飯。
おいしかった。


カシミール旅行記⑥





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?